コリンチャンス、サンパウロを3-1撃破！歴史的ダービー勝利でリベルタドーレス出場圏へ急浮上

ブラジル選手権、歴史的ダービー「マジェストーゾ」の行方—コリンチャンス、サンパウロに快勝でリベルタドーレス圏へ前進—

【サンパウロ発：2025年11月21日 共同通信】

南米サッカー界の熱狂を象徴するブラジル全国選手権（Brasileirão）は、終盤戦を迎え、各クラブの命運を分ける熾烈な争いが続いている。中でも、サンパウロ州を二分する歴史的ダービー、「マジェストーゾ（Majestoso）」こと**コリンチャンス（Corinthians）x サンパウロ（São Paulo）**の一戦は、今シーズンの趨勢を決定づける重要な意味合いを持った。

2025年11月20日、コリンチャンスのホームであるネオ・キミカ・アレーナで行われた第34節は、ホームチームが3対1でサンパウロを下す結果となった。この勝利は、単なるダービーの勝利に留まらず、コリンチャンスを南米最高峰の舞台であるコパ・リベルタドーレス出場圏争いの中心へと押し上げ、一方のサンパウロにとっては、シーズン目標達成に大きな暗雲をもたらす痛恨の敗戦となった。

ドリバル監督の緻密な準備が導いた戦術的勝利

この「マジェストーゾ」におけるコリンチャンスの勝利は、ドリバル・ジュニオール監督による緻密な戦術準備の賜物と言える。コリンチャンスは4-4-2の布陣を採用し、試合を通して高いインテンシティとアグレッシブなプレッシングを展開した。

監督は、試合に先立ち、ビデオセッションや細分化されたトレーニングを通じて、サイドバック、ミッドフィールダー、フォワードの連動した攻撃的動きと、守備陣のポジショニング改善に注力。その結果、ピッチ上ではライン間のスペースを徹底的に詰め、相手に自由を与えないコンパクトな守備組織が機能した。

対照的にサンパウロは、守備組織自体は堅固であったものの、コリンチャンスのフィジカル的な圧力に対し、攻撃へのトランジション（切り替え）とリズムコントロールで苦戦を強いられた。特に中盤でのボール奪取後のパスミスが目立ち、創造的なチャンスメイクに至る前に攻撃の芽を摘まれる展開が続いた。

コリンチャンスの得点は、ユーリ・アルベルトがPKを含む2ゴールを挙げ、さらにメンフィスが追加点を奪うなど、攻撃陣が決定機を確実に活かした。この結果は、組織的な実行力と、ホームでの高強度なゲーム運びが、いかにダービーで重要であるかを改めて示した形となった。

順位表に決定的な影響：リベルタドーレスと降格の脅威

このcorinthians x são pauloの結果は、ブラジレイロンの最終盤における両チームの目標達成に直接的な影響を及ぼした。

コリンチャンスは貴重な勝ち点3を獲得したことで、順位をさらに上げ、来シーズンのコパ・リベルタドーレス出場権獲得に向けた競争で優位に立った。また、一時的に囁かれていた降格の脅威からも完全に距離を置くことに成功し、クラブの安定化に大きく寄与した。

一方、サンパウロにとっては深刻な打撃である。リベルタドーレス出場という夢は遠のき、今後の数試合でポイントを積み重ねなければ、シーズン終盤に降格圏争いに巻き込まれるリスクが増大した。歴史的なライバルに敗れただけでなく、クラブの財政面や来季の国際大会出場にも影響を及ぼす、二重の痛手となった。

100年近い歴史が培った「マジェストーゾ」の重み

corinthians x são pauloの対決、通称「マジェストーゾ」は、1930年5月25日の初対戦以来、ブラジルサッカー史において最も重要なクラシコの一つとして位置づけられている。両チームはこれまでに365試合を戦っており、通算成績ではコリンチャンスが134勝、サンパウロが115勝と、わずかにコリンチャンスが優位を保っている。

このライバル関係の特異な点は、サンパウロのホームスタジアムであるモルンビにおいてさえ、コリンチャンスが47勝のサンパウロを上回る51勝を挙げているという事実だ。これは、ダービーの重圧がスタジアムの所有権を超越することを示している。

近年の「マジェストーゾ」は、タイトルを賭けた直接対決が増えたことで、その緊張感と重要性がさらに高まっている。1980年代初頭や1990年代後半の州選手権決勝、さらには2015年のコパ・リベルタドーレスでの直接対決、2013年のレコパ・スダメリカーナでのタイトル獲得など、両クラブの歴史は互いの存在によって彩られてきた。

今回のコリンチャンスの勝利は、歴史的な優位性を再確認させるとともに、ブラジルサッカーの熱狂と複雑な力学を改めて世界に示した。リベルタドーレス出場権を巡る争いは激化し、ブラジレイロン2025シーズンは最終節まで目の離せない展開が続く見通しだ。