【独自】インフルエンザ「サブクレードK」が急拡大:ワクチン効果低下と高齢者重症化リスク
ニュース要約: 2025年のインフルエンザ流行が例年より1ヶ月早く始まり、A型H3N2型の新変異株「サブクレードK」が急速に拡大している。この変異株はワクチン株と抗原性がずれており、発症予防効果が低下する可能性が指摘されている。感染研は、特に重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患を持つ人々に対し、ワクチン接種と複合的な感染予防策の徹底を強く呼びかけている。
【独自】インフルエンザ「サブクレードK」が急拡大:例年より1ヶ月早い流行、ワクチン効果低下の懸念も 重症化予防策の徹底を
――H3N2型変異株が主流に、高齢者への影響を厳重警戒――
2025年冬のインフルエンザ流行が、例年を大幅に上回る速度で進行している。特に警戒すべきは、A型H3N2型ウイルスの新たな変異株である「サブクレードK(K亜系統)」だ。このインフルエンザ 変異株は、従来の流行株とは異なる抗原性を持つため、現在接種が進むワクチンの発症予防効果が一部低下している可能性が指摘されている。厚生労働省や専門家は、高齢者層を中心に重症化リスクが高いとして厳重な警戒を呼びかけるとともに、サブクレードKに対するワクチン接種の重要性を改めて強調している。(2025年11月26日付)
急速な感染拡大:変異株が流行を牽引
国立感染症研究所(感染研)の最新の疫学データによると、2025年第46週(11月10日~16日)におけるインフルエンザの定点報告数は前週比で約1.7倍に急増し、既に全国規模で拡大期に入った。例年であれば12月以降に本格化する流行が、今年は1ヶ月以上早いペースで進んでおり、医療現場では早期の負荷増大が懸念されている。
この急速な感染拡大の主因は、H3N2型のサブクレードKへの置き換わりにある。東京大学医科学研究所などの最新のウイルス解析によれば、同時期に確認されたH3N2感染者の検体の大多数(41例中40例)がこの変異株であることが判明した。
サブクレードKは、従来のH3N2株や、今シーズンのワクチン株として採用された系統(J.2など)から遺伝的に変異したもので、特にウイルスの表面にあるヘマグルチニン(HA)の抗原性が異なっている。この抗原性の「ずれ」(抗原ドリフト)こそが、専門家が最も懸念する点である。
ワクチン効果の「ずれ」:発症予防は低下か
このインフルエンザ 変異株が広く流行することで、ワクチンの発症予防効果が低下する可能性が指摘されている。サブクレードKはワクチン株と抗原性がずれているため、免疫応答が十分に機能しないケースが増えるためだ。
実際、英国など海外の初期データでは、サブクレードKに対する成人層の発症予防効果が30〜40%程度に留まることが報告されており、例年の平均的な効果と比較してやや低い水準にある。
しかし、専門家は「効果がゼロになるわけではない」と冷静に分析する。国際的な疫学研究では、ワクチンの発症予防効果は低下しても、肺炎やインフルエンザ脳症といった重症化を防ぐ効果は依然として維持されているとの見解が主流だ。特に免疫力の低い高齢者や基礎疾患を持つ人々にとって、ワクチン接種は重症化リスクを低減するための最善策であることに変わりはない。
感染研の担当者は、「サブクレードKは、高齢者を中心に肺炎などの合併症を引き起こしやすく、免疫を持たない層が多いことから、重症化リスクは高い。ワクチン接種の有無が、命に関わる事態を左右する」と警鐘を鳴らし、基礎疾患を持つ人や小児への接種継続を強く推奨している。
複合的な対策が不可欠:早期受診も鍵
政府および自治体は、例年より早い流行を受けて、国民に対し冷静かつ徹底した感染対策を呼びかけている。
一つは、重症化予防のためのワクチン接種の徹底である。特に、未接種の高齢者や基礎疾患を持つ人々は、早急な接種完了が求められる。
二つ目は、基本的な感染予防策の再徹底だ。マスクの着用、こまめな手洗いやうがい、室内の十分な換気が、インフルエンザ 変異株の感染拡大を抑えるために不可欠である。
また、高熱や強い倦怠感といった症状が出た場合は、早期に医療機関を受診することが重要だ。サブクレードKは、抗インフルエンザ薬(オセルタミビルなど)に対して感受性を保持していることが確認されており、発症後48時間以内の早期投与が重症化を防ぐ鍵となる。
専門家パネルは、「インフルエンザ 変異株の出現は毎年のことだが、今回のサブクレードKのようにワクチン株との抗原性がずれるケースでは、より一層の警戒が必要だ。国民一人一人が、ワクチン接種と基本的な衛生対策を複合的に実施することで、この冬の脅威を最小限に抑える必要がある」との見解を示し、年末年始に向けたさらなる感染拡大防止への協力を求めている。