サイボウズ(4776)株価暴騰:営業利益131%増の衝撃、DX需要で目標4,300円射程
ニュース要約: サイボウズ(4776)株価が週末に急騰。第3四半期決算で営業利益が前年同期比131.6%増と驚異的な伸びを示し、市場の評価が一変した。DX需要とクラウドサービス「kintone」の拡大が牽引。複数のアナリストが目標株価を4,300円に設定しており、新NISAの成長投資枠銘柄としても注目されている。
サイボウズ(株)(4776)株価が週末に「暴騰」:DX需要を背景に営業利益131%増、アナリスト目標4,300円の射程
2025年11月22日
ソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)事業を展開するサイボウズ(株)(4776)の株価が、11月第3週に大幅な上昇を見せ、市場の注目を集めている。11月21日の終値は3,330円を記録し、前日比で8.29%高と急伸。特に11月13日に発表された2025年12月期第3四半期決算が、市場予想を上回る好調さであったことから、投資家の買いが集中し、株価は一時「暴騰」の様相を呈した。
この急騰は、日本企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資が継続していること、および同社の主力クラウドサービスである「kintone」や「Garoon」の契約数が順調に拡大していることが背景にある。
1. 驚異的な増益率:クラウド事業が牽引
**サイボウズ(株)**が発表した第3四半期決算は、売上高が前年同期比27.7%増の274.13億円、そして営業利益は同131.6%増の80.08億円と、驚異的な伸びを示した。
この大幅な増益の主因は、クラウドサービスの継続的な成長と、実施した価格改定による収益構造の改善にある。同社のクラウドサービスは、リモートワークの定着や業務効率化ニーズの高まりを受け、特に中小企業層で導入が加速。サブスクリプションモデルの安定性と、高い利益率が評価された形だ。
通期予想についても、売上高372億円(前期比25.4%増)、経常利益90.3億円(同69.3%増)と高水準を維持しており、業績の堅調さが投資家の安心感を強めている。
2. 市場評価が急変:目標株価4,300円の射程
決算発表後、市場のサイボウズ(株) 株価に対する評価は一変した。複数のアナリストがレーティングを「強気」に引き上げ、目標株価は概ね4,300円に設定されている。これは、現行株価(3,330円)から35%以上の上昇余地があることを示唆している。
市場は、同社が日本のSaaS市場におけるリーディングカンパニーとしての地位を確立しつつあると見ており、特に「kintone」を核としたプラットフォーム事業の将来性を高く評価している。また、出来高が急増し、信用買残も増加傾向にあることから、個人投資家による買い意欲の強さが明らかになっている。
3. 週末の株価振り返りと来週の見通し
11月17日から21日にかけての週末の株価振り返りを見ると、サイボウズ株は東証プライム市場の中でも際立ったパフォーマンスを示した。週初めは3,100円前後で推移していたが、決算内容の浸透とともに週末にかけて急騰し、週間高値3,345円を記録した。
これは、日経平均が米国金利や為替の動向に左右されやや軟調に推移する中でも、業績好調な個別銘柄への資金集中が鮮明になったことを示している。
来週の株価見通しについては、ポジティブな市場評価が続く公算が大きい。短期的には、年初来高値(4,160円)に向けての上昇トレンドが強まると見られ、3,500円台への突破も視野に入る。
しかし、急激な上昇の反動として、短期的な利益確定売りが出るリスクも考慮する必要がある。特に、信用残が高水準にあるため、需給バランスの変化には注意が必要だ。SaaS関連stocksは米国市場の動向にも敏感なため、来週の米国SaaS企業の決算発表なども影響する可能性がある。
4. 新NISA時代の「成長投資」銘柄として
サイボウズ(株)(4776)は、2024年から本格化した新NISA(少額投資非課税制度)の「成長投資枠」で注目すべき銘柄の一つとして位置づけられている。
同社は、高い収益性(ROE 31.07%)と財務健全性(自己資本比率55.2%)を兼ね備えており、中長期的な成長を見込む個人投資家にとって魅力度が高い。さらに、2025年12月期の配当予想は1株40円と増配傾向にあり、これもNISA投資家層からの支持を集める要因となっている。
企業のDX需要が構造的に継続する中、サイボウズは今後も安定した成長が期待されており、NISAを活用した資産形成層のポートフォリオにおいて、中核的な役割を果たす可能性が高い。
(経済部 市場分析班)