【ボートレース徳山】G1クラウン争奪戦:賞金王へ向けた最終試練と白熱の勝負駆け
ニュース要約: 2025年ボートレース戦線の最終局面、徳山G1「クラウン争奪戦」は、年末のSGグランプリ出場権をかけた熾烈な「勝負駆け」の最終試練となった。地元・白井英治らトップレーサーが集結し、イン戦とモーター調整が鍵を握る激戦を展開。SG開催地としての地位を確立する徳山水面の熱気とドラマを伝える。
徳山水面、SG戦線へ渦巻く熱気――G1クラウン争奪戦、賞金王へ向けた最終試練
2025年11月21日(木)
2025年のボートレース戦線も残すところあとわずか。年末の大一番、SGグランプリ(賞金王決定戦)への出場権をかけた熾烈な争いが最終局面を迎える中、山口県周南市のボートレース徳山(徳山競艇)では、11月16日から21日にかけてG1「徳山クラウン争奪戦(開設72周年記念競走)」が開催された。全国からトップクラスのA1級レーサーが集結したこの一戦は、単なる周年記念レースに留まらず、賞金ランキングのボーダーライン上にいる選手たちにとって、まさに「勝負駆け」の最終試練となった。
特に注目されたのは、SGチャレンジカップを欠場した地元山口支部の白井英治選手(A1)の動向だ。彼は2008年、2022年と徳山周年を制しており、地元水面での実績は群を抜く。SG出場権確保のため、このG1での賞金上積みは絶対条件であり、地元の期待を一身に背負った戦いぶりは、開催前から大きな話題を呼んだ。
G1激戦の構造:イン戦とモーターが支配する水面
今大会は、例年にも増して準優勝戦まで得点率が目まぐるしく変動する大混戦となった。得点率9.25とトップに浮上した宮地元輝選手(佐賀/A1)を筆頭に、2日目ドリーム戦を制した馬場貴也選手(A1)、そして関浩哉選手(群馬/A1)、峰竜太選手(佐賀/A1)らが8.00オーバーで上位を形成。準優1号艇を巡る争いは最終日まで予断を許さない状況が続いた。
徳山競艇の特徴であるイン戦の強さは今開催でも顕著であり、準優日(20日)の予想では、イン逃げが濃厚と見られていた。勝敗の鍵を握ったのは、各レーサーが抽選で引き当てたモーターの調整と相性だ。公式サイトで詳細に公開された「モーターピックアップ評価」や前検タイムの分析は、ファンにとって必須の情報源となり、微細な機力差が着順に直結するシビアな戦いが展開された。特に、賞金ランキング20位台の篠崎元志、片岡雅裕、そして関選手ら若手実力者たちがSG出場権を狙い、ボーダー直下での激しい攻防戦を見せた。
地元勢の奮起とSGオーシャンカップの余韻
地元山口支部勢の活躍も特筆に値する。白井選手が重圧の中で奮闘する一方、西山貴浩選手(A1)は機力の上向きを証明し、予選をトップで通過するなど、地元の期待に応える走りを見せた。彼の安定した成績は、2025年7月にボートレース徳山で初開催されたSG第30回オーシャンカップでの奮闘を彷彿とさせた。
オーシャンカップは、徳山でのSG開催としては4回目ながら、同大会の開催は初めて。優勝賞金3700万円を懸けたこの大会には、地元からは白井英治、寺田祥、海野康志郎の3選手が参戦し、全国の強豪と激しいバトルを繰り広げた。特に、2023年に徳山で開催されたグランドチャンピオンを制した磯部誠選手(愛知)の存在感も大きく、徳山競艇の水面は、近年、SG開催地として確固たる地位を築きつつある。これらの実績は、徳山水面が全国のトップレーサーにとって、勝利の記憶と、年末のSG戦線への重要なステップであることを示している。
進化する施設とファンサービスの充実
ボートレース徳山は、レースの質だけでなく、ファンサービスの面でも進化を続けている。今回のG1「徳山クラウン争奪戦」期間中も、ステーキふるまいやアサイーボウル販売といったグルメイベント、さらには推し活に対応した「ボートレースガチャ」など、多彩な無料・有料のファンサービスが実施された。
公式サイトでは、アクセス情報からバーチャル施設案内、初心者向けのボートレース基礎知識までが網羅された「施設利用ガイド」が充実しており、初めて来場するファンや家族連れにも配慮されている。また、場内にはボートレースチケットショップ「オラレ徳山」が併設され、全国のレースの舟券購入が可能だ。
徳山競艇が提供するこれらのサービスは、地域との連携を深めつつ、老若男女問わずボートレースの魅力を伝える役割を果たしている。激戦のG1を終えた今、選手たちは年末の頂上決戦へと向かう。ボートレース徳山が発信した熱気とドラマは、この冬のボートレース界全体を熱く彩る起爆剤となるだろう。