鈴木福(21)「脱・福くん」の現在地:闇役と脳科学研究で拓く新境地
ニュース要約: 国民的子役「福くん」のイメージを脱却中の俳優・鈴木福(21)。主演映画『ヒグマ!!』の公開延期という異例の事態に直面しつつも、闇バイトに手を出す複雑な役柄に挑戦。さらに慶應大学で脳科学を研究する知性派としての一面も持ち、表現者としての深みを追求している。等身大の恋愛観も語り、21歳の大人な俳優へと進化を遂げている。
【深度取材】「脱・福くん」へ:俳優・鈴木福(21)が挑む「闇」と「知性」
国民的子役の看板を背負い、新境地を拓く
2025年11月21日、俳優の鈴木福(21)がキャリアの大きな転換期を迎えている。2011年の大ヒットドラマ『マルモのおきて』で一躍国民的子役となった鈴木 福だが、成人を迎えた現在、「福くん」という愛称が持つ明るく無邪気なイメージを意図的に脱却し、大人の俳優としての地歩を固めようとしている。その挑戦の象徴とも言える最新主演映画『ヒグマ!!』の公開が、時事的な要因により延期されるという異例の事態が発生した。
鈴木福が主演を務める内藤瑛亮監督の新作『ヒグマ!!』は、闇バイトに手を出す主人公・小山内が、最強のモンスター「ヒグマ」と対峙するサバイバルアクションだ。これまで「いい子」のイメージが強かった鈴木福が、社会の裏側と接する複雑な若者を演じることは、彼自身の「みんなが思うようないい子ちゃんではない」という自己認識を体現する試みと言える。
しかし、全国公開が予定されていた本日(2025年11月21日)は、各地で相次ぐクマ被害の影響を受け、公開が延期されることとなった。鈴木福は自身のSNSを通じて「熊による被害に遭われた方々、関係者の皆様に心よりお見舞い申し上げます」とコメントし、社会情勢への配慮を示した上で、再公開への意欲を語っている。
慶應大学で脳科学を研究する知性派俳優
鈴木福の「脱却」は、演技の世界だけに留まらない。彼は現在、慶應義塾大学に在籍し、脳神経科学を用いて芝居を科学的に分析・研究するという知的な側面も持つ。俳優業と学業を両立させながら、表現者としての深みを追求する姿勢は、子役時代には見られなかった確かな成長の証だ。
また、今年9月から放送された実写ドラマ『パワプロドラマ2025』(ABCテレビ)では、平凡な新社会人という、等身大に近い役柄に挑戦。子役時代の華やかなイメージとは異なる、社会人としてのリアリティある演技を披露し、役の幅を広げている。
業界関係者やファンからは、彼の大人びた変貌に対し「大人っぽくてカッコいい」「福さんじゃないみたいです」といった評価が寄せられており、子役時代からのイメージ脱却は順調に進んでいると見て取れる。特に『ヒグマ!!』で共演した内藤監督が「福くんが闇バイトをやってヒグマに襲われる映画」と語るように、そのギャップこそが作品の魅力となり、俳優としての新境地への期待を高めている。
理想と現実のギャップ:21歳の等身大の恋愛観
多忙な日々を送る一方で、鈴木福は21歳の若者としての素顔も隠さない。最近のメディア出演では、自身の恋愛観を赤裸々に語り、視聴者の注目を集めた。
彼は恋愛対象について「年上が好き、5~6個くらい上までだったら」と理想を語る。その理由として「普段から自分がしてあげたいタイプなので、年上の人の方が対等になれる」という考えを明かしている。興味深いのは、理想とは裏腹に、これまでの交際経験では「今まで付き合ったことのある子は全員同い年」であると告白した点だ。理想と現実のギャップを飾らずに話す姿は、視聴者に等身大の好青年という印象を与えている。
また、2011年のドラマ『妖怪人間ベム』で共演した亀梨和也からは「福に憧れ続けてもらうために、いつまでもかっこよくないと」というエールが送られており、鈴木福は亀梨から「座長としての在り方」を学んだと語る。憧れの先輩の背中を追いながら、人間性を磨いている様子が伺える。
芦田愛菜との「マルモ」以来の軌跡
そして、鈴木福のキャリアを語る上で欠かせないのが、子役黄金世代を共に牽引した芦田愛菜との関係である。ドラマ『マルモのおきて』での共演以来、10年以上の歳月が流れ、二人は大学進学やコメンテーター活動など、多方面で活躍している。
現在、仕事以外でのプライベートな交流は少ないものの、2022年のバラエティ番組での再共演時には、最初は敬語を使いながらも徐々に打ち解ける様子を見せたという。二人の間には一部で「共演NG説」も報じられたが、実際には共演は可能であり、その距離感がかえって世間の関心を引いている。
鈴木福は今、国民的子役という巨大な看板を背負いながらも、シリアスな役柄、科学的な探求心、そして等身大の恋愛観を武器に、俳優としての多角的な進化を続けている。映画『ヒグマ!!』の公開再決定を待つ鈴木 福の次なる一手に、エンターテイメント業界全体が期待を寄せている。