清水エスパルス、試練のJ1復帰元年。目標未達で秋葉監督退任、2026年「育成重視」で再建急務
ニュース要約: J1復帰を果たした清水エスパルスは、目標とした10位以内に届かず、秋葉忠宏監督が契約満了で退任する。終盤の失速が響いた形だ。クラブは2026年に向け、「育成重視」を軸とした戦略に大転換。若手昇格と大卒選手獲得に注力し、中長期的なチーム立て直しを急ぐ。
清水エスパルス、試練のJ1復帰元年 10位目標届かず、秋葉監督退任へ 2026年、育成軸に立て直し急務
2025年11月29日
明治安田J1リーグは佳境を迎え、J1復帰を果たした清水エスパルスは、最終戦を目前にして厳しい現実を突きつけられている。クラブがシーズン当初に掲げた「10位以内」という目標は、終盤の失速により達成が極めて困難な状況となった。チームは明日30日に湘南ベルマーレとの最終戦を控えるが、既にクラブは来季に向けた大刷新の局面に立たされている。
J1での壁、終盤の失速が響く
2025年シーズンの清水エスパルスは、J1の舞台で安定した戦いを続けることができず、特にシーズン終盤に失速したことが目標未達の主因となった。直近5試合の成績は1勝1分3敗と振るわず、勝ち点を積み上げられなかった。
象徴的だったのは、11月9日のセレッソ大阪戦での1-4という大敗だ。勝ち点を積み上げられない試合が続き、上位争いから脱落した。シーズン全体を通して、勝ち点を積めた試合もあったものの、連敗や引き分けが多く、特に守備面での不安定さが課題として浮き彫りになった。川崎戦での3-5敗戦など、失点の多さがチームの足を引っ張った形だ。地域に根差すエスパルスへの期待は高かったが、ホーム戦での勝利も限られ、サポーターにとっては悔しいシーズンとなった。
J1復帰の功労者、秋葉監督が退任へ
このような低迷打開のため、クラブは大きな決断を下した。チームをJ1復帰に導いた功労者である秋葉忠宏監督が、契約満了に伴い、12月6日をもって退任することが公式発表された。
秋葉監督は2023年シーズン途中に就任し、2024年にチームをJ1へ復帰させるというミッションを達成したが、2025年シーズンの目標であった10位以内には届かなかった。フロントは、この人事刷新を低迷からの脱却と、今後のさらなる躍進に向けた転換点と位置付けている。現在、後任監督の具体的な発表はまだないものの、フロントは新たな指揮官招聘を含むチーム再編の動きを急ピッチで進めている模様だ。Jリーグ全体で監督交代が相次ぐ中、エスパルスの新監督人事には大きな注目が集まる。
2026年への戦略:育成重視に舵
監督交代と並行し、清水エスパルスの2026シーズンに向けた補強戦略も明確になりつつある。特筆すべきは、クラブが「中途加入選手を迎えない方針を堅持」している点だ。
来季の補強は、ユース出身の若手育成と、大学卒業生の入団に注力する戦略が採られており、チームの中長期的な発展を見据えた構想が展開されている。新加入選手として、法政大から大畑凜生選手(MF)が入団内定したほか、エスパルスユース出身で元U-17日本代表の土居佑至選手(MF)や針生涼太選手(MF)がトップチームへの昇格を内定させている。
これは、即戦力としての外部からの大型補強を避け、クラブ内の人材育成システムを強化し、若手の成長を促す方針の表れと言える。U-21リーグへの参戦も決定しており、若手選手の獲得と保有に積極的だ。
主力の去就と補強ポイント
一方で、来季に向けた懸念材料も存在する。現在のボランチ陣を支えるマテスブエ選手とウ野ゼント選手の両レギュラーの去就が不透明な状況であり、このポジションの補強は急務とされる。
また、レンタル選手の動向も焦点だ。京都サンガで活躍中のジョアン・ペドロ選手は、100万ドル(約1億5700万円)の買い取りオプションが設定されており、彼のキャリア選択はクラブの戦略的判断に委ねられる。
ポジション別に見ると、攻守両面で貢献できるウィングバックや、攻撃の起爆剤となる攻撃的なウイングの獲得が検討されており、若手育成に軸足を置きつつも、必要なピースを埋めるための戦略的な動きが求められている。
2025シーズンは目標に届かなかった清水エスパルスだが、秋葉監督の退任と育成重視の補強戦略は、クラブが新たなステージに進むための試練の始まりを告げている。地域に密着したクラブとして、サポーターが期待する躍進を遂げるため、フロントの迅速かつ的確な立て直しが不可欠となる。