黒岩祐治知事が描く神奈川2026年度予算案の全容―「未病」と「防災DX」で信頼回復へ
ニュース要約: 神奈川県の黒岩祐治知事が2026年度予算案の概要を2月9日に公表する。4期目折り返しとなる今回の予算は、看板政策の「未病改善」の深化と、LINE等を活用した「防災DX」が柱。過去の不祥事による支持基盤の揺らぎを払拭し、新産業創出や避難支援の高度化を通じて県民の信頼回復と県政の反転攻勢を目指す極めて重要な試金石となる。
【独自】神奈川県・黒岩祐治知事、2026年度予算案の全容判明へ 「未病」と「防災DX」を軸に反転攻勢なるか
【横浜】 2026年度(令和8年度)の予算編成が佳境を迎えるなか、神奈川県の黒岩祐治知事が打ち出す「新機軸」に注目が集まっている。黒岩知事は、2月9日に予定されている定例記者会見で26年度予算案の概要を公表する見通しだ。4期目の折り返し地点を過ぎた黒岩県政にとって、今回の予算編成は、過去の不祥事による支持基盤の揺らぎを払拭し、県民の信頼を回復するための極めて重要な試金石となる。
「いのち輝く」の深化:未病改善と先端産業の融合
黒岩祐治知事が就任以来、一貫して掲げてきた看板政策が「未病(ME-BYO)改善」だ。2026年度予算案においても、このコンセプトをさらに進化させた「ヘルスケア・ニューフロンティア」政策が重点項目に据えられる。
関係者への取材によると、予算案では「食・運動・社会参加」の3本柱を強化し、特に「未病女子」や「子どもの食育」といった新たなターゲット層へのアプローチを拡大する方針だ。黒岩知事は直近のインタビューで、「健康と病気をグラデーションとして捉え、自らの生活習慣で改善する『未病』の概念は、人生100歳時代を支える社会基盤になる」と強調。三浦半島での認知症リスク軽減プロジェクトの成果を全県に波及させる構えだ。
また、経済活性化の切り札として、相模原のJAXA拠点などを活用した「宇宙産業」や「さがみロボット産業特区」への重点投資も盛り込まれる。日産自動車の生産終了問題など、地域経済に影を落とす課題に対し、スタートアップ企業との協業を加速させることで、新産業の創出を図る狙いがある。
防災DXで「逃げ遅れゼロ」へ
近年の激甚化する自然災害を背景に、黒岩知事がもう一つの柱として掲げるのが「防災DX」だ。デジタル庁との緊密な連携のもと、データ統合基盤を活用した「かながわ防災パーソナルサポート」の高度化を推進する。
具体的には、LINEを活用し、個人の現在地に応じた浸水予測や避難情報をプッシュ通知で送るシステムの精度を向上させる。2025年3月に改定された「神奈川県地震防災戦略」に基づき、福祉避難所の整備やトイレカーの拡充など、能登半島地震の教訓を反映させた「誰一人取り残さない防災」の実現に向けた予算措置が講じられる見込みだ。
厳しい議会の視線と「再スタート」の真価
政策の推進力が問われる一方で、黒岩知事を取り巻く政治環境は依然として予断を許さない。2023年の知事選では、過去の私生活を巡る問題が露呈し、当選したものの得票数は前回から約32万票減少。無効票が過去最多の約21万票に達するなど、有権者の厳しい審判が下された。
県議会においても、日本共産党神奈川県委員会などの野党会派から「県民本位の行財政運営」を求める要望書が提出されており、子育て支援の拡充や実効性のある経済対策を求める声が強まっている。黒岩知事は「マイナスからの再スタート」を公言しているが、今回の予算案が、単なる継続事業の羅列にとどまらず、いかに県民の痛みに寄り添った内容となるかが問われている。
県政関係者は「黒岩祐治という政治家が、テレビキャスター出身の発信力だけでなく、実務家として県民の暮らしをいかに底上げできるか。2月9日の発表は、その覚悟を示す場になる」と指摘する。
「未病」という独自の哲学を、DXという現代の武器でいかに具現化するのか。黒岩祐治知事が描く「2026年度のかながわ」の青写真に、県民の熱い視線が注がれている。
(社会部・県政取材班)
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