『グレイズ・アナトミー』エリック・デインさん、ALSのため53歳で死去。闘病中も啓発活動に尽力
ニュース要約: 人気ドラマ『グレイズ・アナトミー』のマーク・スローン役で知られる米俳優エリック・デインさんが、ALS(筋萎縮性側索硬化症)のため53歳で逝去しました。2025年の診断公表後も、ドラマ出演や回顧録の執筆を通じて病への理解を訴え続けました。最期は家族に見守られ、俳優としての輝かしい足跡と不屈の精神を遺して旅立ちました。
【ロサンゼルス=共同】
人気医療ドラマ『グレイズ・アナトミー』のマーク・スローン役で世界的な人気を博した米俳優の**エリック・デイン(Eric Dane)**さんが19日、ALS(筋萎縮性側索硬化症)のためカリフォルニア州ロサンゼルスの病院で死去した。53歳だった。家族が声明で明らかにした。
関係者によると、デインさんは2025年4月にALSの診断を受けたことを公表。以降、病と闘いながらも啓発活動に尽力してきたが、診断から約1年足らずで力尽きた。最期は別居中の妻で女優のレベッカ・ゲイハートさんと、2人の娘に囲まれ、安らかに息を引き取ったという。
映画、ドラマで活躍し続けたキャリア
エリック・デインさんは1990年代から俳優活動を開始。2006年に『グレイズ・アナトミー』に形成外科医マーク・スローン(通称:マクステミー)役で登場すると、その圧倒的な存在感と端正なルックスで一躍スターダムにのし上がった。同作には2012年まで134エピソードにわたって出演し、世界中のファンに愛された。
その後も、マイケル・ベイ製作の海洋アクションドラマ『ザ・ラストシップ』で主役のトム・チャンドラー艦長役を5シーズン務めたほか、近年ではHBOのヒット作『ユーフォリア/EUPHORIA』で複雑な内面を持つ父親カル・ジェイコブズ役を演じ、演技派としての地位を確立していた。
死去直前の2024年から2025年にかけても精力的に活動を続けていた。最新作としては、Amazon Originalドラマ『カウントダウン』(Prime Videoで独占配信中)に出演。映画でも、ウィル・スミス主演の人気シリーズ最新作『バッドボーイズ RIDE OR DIE』や『最速の栄光へ(ONE FAST MOVE)』、ホラーコメディ『アメリカン・カーネイジ』など、体調の変化を感じさせない圧巻のパフォーマンスを残している。
ALSとの闘いと「最後のメッセージ」
デインさんの知られざる闘病生活は、壮絶なものだった。2025年4月に進行性神経変性疾患であるALSを公表した際、彼は「最後の息をするまで戦い抜く」と宣言。その言葉通り、病状が進行する中でもALSネットワークのキャンペーンに参加し、ワシントンD.C.を訪れて関連法案の支援を訴えるなど、自身の知名度を活かして同じ病に苦しむ患者たちのために声を上げ続けた。
特筆すべきは、2025年に放送された米NBCの医療ドラマ『Brilliant Minds』へのゲスト出演だ。デインさんは同作の第9話で、自身と同じALSと闘う消防士役を熱演。ドラマを通じて病の現実と向き合う姿は、多くの視聴者の涙を誘った。
また、死去直前まで回顧録『Book of Days: A Memoir in Moments』の執筆を進めていた。「毎朝、この病気の現実に直面するからこそ、今この瞬間を記録に残したい」と語っていたデインさん。本書は、彼の俳優としての軌跡と、病との戦いを綴った遺稿となる。
家族の絆とファンへの感謝
プライベートでは、2018年に離婚を申請した妻レベッカ・ゲイハートさんとの関係が、病を機に変化したという。レベッカさんは24時間体制の介護が必要となったデインさんのために保険会社と粘り強く交渉し、適切なケアを受けられるよう奔走。娘のビリーさん(15)とジョージアさん(13)も父を支え続け、家族は困難の中で再び強い絆を取り戻していた。
遺族は声明で、「エリックは世界中のファンから寄せられた愛と支持に、心から感謝していました」とコメント。葬儀は近親者のみで行われる予定で、静かに故人を偲ぶ機会を求めている。
昨年9月のエミー賞授賞式では、『グレイズ・アナトミー』で共演したジェシー・ウィリアムズとの再会が期待されていたものの、体調不良を理由に欠席。その直後、SNSを通じてファンに自身の言葉で病状を伝えたのが、公の場に向けた実質的な最後のメッセージとなった。
銀幕のスターであり、最期まで尊厳を持って病と戦い抜いた「不屈の男」の早すぎる死に、ハリウッド全土から哀悼の意が捧げられている。
(2026年2月21日 記事構成:国際ニュース担当)
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