カリブ海の宝石「キュラソー」が冬の旅先として人気急上昇:文化・海・野球の多彩な魅力
ニュース要約: カリブ海に浮かぶオランダ領キュラソー島が、冬の旅行先として人気を集めている。世界遺産に登録されたパステルカラーのオランダ風建築と、温暖な気候、透明度の高い青い海での海洋アクティビティが魅力。また、メジャーリーガーを輩出する野球大国としての顔や、リキュール「ブルーキュラソー」の文化も持つ。多面的な魅力に溢れるこの島は、年末年始のバケーションに理想的だ。
カリブ海の宝石「キュラソー」が冬の旅先として注目 オランダ文化と青い海が魅力
年末年始の旅行先として、カリブ海に浮かぶオランダ領キュラソー島が日本人旅行者の間で静かな人気を集めている。パステルカラーのオランダ風建築と透明度の高い海、さらには国際スポーツでの活躍など、この小さな島が持つ多彩な魅力が再評価されつつある。
冬のバケーション先として脚光
キュラソー島は、カリブ海南部に位置するオランダ王国の構成国だ。首都ウィレムスタットの街並みは、オランダ植民地時代の影響を色濃く残し、色鮮やかな建物が並ぶ景観は世界遺産にも登録されている。
冬季の気候は温暖で、日本の厳しい寒さから逃れたい旅行者にとって理想的な環境だ。2025年12月25日のクリスマス、翌26日のセカンドデー・オブ・クリスマス、そして2026年1月1日のニューイヤーズデーと、ホリデーシーズンの祝日が続くこの時期、島は多くの観光客で賑わう。旅行業界関係者は「事前予約が推奨される」と話している。
海洋アクティビティの宝庫
キュラソー島の最大の魅力は、その豊かな海洋環境だ。ダイビングスポットとしての評価は高く、ウォールダイビングから浅瀬でのスノーケリングまで、レベルに応じた多様な選択肢がある。
人気ツアーとしては、シュノーケリング&ビーチツアー(約2万円)、ハト洞窟とダチョウ農園を巡るコンビツアー(約1万5千円)、国立公園でのジープサファリツアー(約2万3千円)などが挙げられる。ウミガメとの遊泳や、自然の生息地でフラミンゴを観察できる塩湖ツアーも、エコツーリズムに関心の高い旅行者から支持を得ている。
野球界でも存在感
スポーツの分野でも、キュラソーは独特の存在感を示している。人口わずか15万人ほどのこの島から、メジャーリーグや国際大会で活躍する野球選手が数多く輩出されている。
キュラソー単独での国際大会参加は少ないものの、オランダ代表チームの主力として、キュラソー出身選手が重要な役割を担っている。オランダ代表は欧州野球選手権で最多22回の優勝を誇り、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では2013年と2017年にベスト4に進出。その原動力となっているのが、キュラソー出身の選手たちだ。元東北楽天で活躍したアンドリュー・ジョーンズ氏もその一人である。
日本のプロ野球界でも、キュラソー出身選手への注目度は高まっており、今後の動向が注視されている。
文化的側面:ブルーキュラソーの魅力
キュラソーという名前は、鮮やかな青色のリキュール「ブルーキュラソー」でも知られる。17世紀後半、オランダ人が島で採れたオレンジの果皮を使って作り始めたこのリキュールは、カクテル文化の発展とともに世界中に広まった。
1880年頃には国際的な展示会への出展で注目を集め、第二次世界大戦後のカクテルブームで人気を確立。現在でも「ブルーハワイ」や「シャンパン・ブルース」といったカクテルの重要な材料として、バーやレストランで広く使用されている。
年末年始のホリデーシーズンには、ブルーキュラソーを使った華やかなカクテルが、パーティーシーンを彩る定番となっており、食文化の面でも島の名前が親しまれている。
多面的な魅力を持つ島
観光、スポーツ、食文化と、キュラソーは小さな島ながら多面的な魅力を持つ。冬のバケーション先として、あるいは文化的関心の対象として、今後さらに日本での認知度が高まることが予想される。カリブ海の宝石と称されるこの島は、これからの旅行シーズンに向けて、新たな選択肢として注目に値する存在だ。