【NBA】シカゴ・ブルズの河村勇輝、逆境を越え聖地で躍動―172cmの「小さなマジシャン」が全米を魅了
ニュース要約: NBAシカゴ・ブルズで活躍する河村勇輝選手を特集。怪我や血栓という困難を乗り越え、ツーウェイ契約からNBAデビューを果たした不屈の歩みを詳報します。卓越したパスセンスとスピードで「第3のポイントガード」としての地位を狙う河村。ユナイテッド・センターを沸かせる彼の挑戦は、体格差に挑む日本人選手たちの希望の光となっています。
【シカゴ発】NBAの舞台で、一人の日本人ガードが全米の視線を集めている。シカゴ・ブルズとツーウェイ契約を結ぶ河村勇輝(24)だ。Bリーグの横浜ビー・コルセアーズでMVPに輝き、日本バスケットボール界の至宝と呼ばれた男が、バスケットボールの神様マイケル・ジョーダンが統治した聖地ユナイテッド・センターで、新たな歴史を刻もうとしている。
逆境を乗り越えた「不屈の司令塔」
河村勇輝とブルズの物語は、決して平坦な道ではなかった。2025年夏のNBAサマーリーグ、河村はブルズの一員としてコートに立つと、平均10.2得点、6.2アシスト、2.2スティール、そして3点シュート成功率41.7%という驚異的な数字を叩き出した。身長172センチというNBAでは極めて小柄な体格ながら、卓越したスピードと「マジシャン」と称されるパスセンスで並み居る大男たちを翻弄。この活躍が評価され、同年7月にシカゴ・ブルズとのツーウェイ契約を勝ち取った。
しかし、シーズン開幕直前に右足の負傷、さらには右下肢の血栓という不測の事態に見舞われる。一時は契約解除という苦渋を味わったが、河村は諦めなかった。懸命のリハビリを経て、2026年1月6日、ブルズは再び彼と契約を結ぶことを発表。チームが彼の「ゲームメイク能力」と「勝負強さ」をいかに高く評価しているかを証明する再契約となった。
NBAデビューで見せた「輝き」とファンの熱狂
運命の日となった2026年1月31日。マイアミ・ヒート戦でついにNBA公式戦デビューを果たした河村は、わずか11分の出場ながら6得点、2アシスト、2スティールを記録した。強烈なプレッシャーをものともせず、コートを縦横無尽に駆け抜ける姿に、シカゴのファンは惜しみない拍手を送った。
直近の3月3日(日本時間4日)、本拠地で行われたオクラホマシティ・サンダー戦でも、河村はベンチ入りを果たした。試合こそ出場機会はなかったものの、前戦のミルウォーキー・バックス戦で見せたスティールからの速攻参加は、会場のボルテージを最高潮に引き上げた。地元メディアは「カワムラがコートに立つだけで、ユナイテッド・センターの空気感が変わる」と、そのカリスマ性を報じている。
Gリーグでの研鑽と、プレーオフへの期待
現在はNBA本戦と、下部リーグのGリーグ(ウィンディシティ・ブルズ)を行き来する日々が続く。1月23日のニックス戦では、チームハイの7アシストを記録。ノールックパスからのダンクアシストはリーグのハイライト動画でも大きく取り上げられ、NBAファンだけでなく、人気ゲーム『NBA 2K26』内でのレーティング上昇といった形でもその影響力は広がっている。
現在のブルズは、ジョシュ・ギディーやマタス・ブゼリスといった若手を中心に変革期を迎えている。ガード陣の層を厚くしたいチーム事情もあり、河村が「第3のポイントガード」としてローテーションに定着できるかどうかが、今シーズンの最大の焦点だ。
日本の期待を背負い、未知の領域へ
山口県柳井市出身。三遠ネオフェニックス、横浜ビー・コルセアーズを経て、2023年のワールドカップや2024年のパリ五輪で日本代表の躍進を支えた河村勇輝。彼の挑戦は、単なる一選手の成功に留まらず、体格差に悩む多くの日本人選手にとっての「希望の光」となりつつある。
シーズンは佳境に入り、プレーオフ進出に向けた激しい争いが続く。河村勇輝という小さなマジシャンが、名門シカゴ・ブルズにどのような歓喜をもたらすのか。シカゴの風を受け、彼は今日もコートに立ち続ける。
(特派員・2026年3月18日執筆)
参考情報源
関連コンテンツ
マイニュースへ
あなた専用のニュースレポートをチェックしましょう