【J1第37節】横浜FMが因縁のC大阪に3-1快勝！終盤の戦術転換が順位争いの鍵を握る

ニュース要約: J1第37節、横浜F・マリノスが因縁のセレッソ大阪を3-1で下した。植中の先制点後、同点に追いつかれるも、クルークスの勝ち越し点と相手退場が流れを引き寄せた。リード後の守備的な戦術転換が功を奏し、マリノスは最終節を前に上位争いで決定的なアドバンテージを得た。

【J1第37節詳報】マリノス、因縁の「横浜fm 対 c大阪」で快勝終盤の戦術転換が明暗分かつ

2025年11月30日日産スタジアム

明治安田J1リーグは終盤の大一番、第37節を迎え、優勝争いと上位進出をかけた注目のカード、**横浜F・マリノス対セレッソ大阪（横浜fm 対 c大阪）**が日産スタジアムで行われた。激しい攻防の末、横浜FMが3-1で勝利を収め、最終節を前に順位争いで決定的なアドバンテージを掴んだ。

この一戦は、単なるリーグ戦の勝敗に留まらず、2017年の天皇杯決勝でC大阪が延長戦の末に勝利を収めた因縁の対決としても注目されており、両チームのサポーターの熱量も最高潮に達していた。

植中先制もC大阪が追いつく前半、クルークスが流れを変える

試合は序盤からホームの横浜FMがボール保持率を高め、主導権を握る展開となった。前半25分、流れるようなパスワークからチャンスを作り出すと、FW植中朝日が冷静に流し込み先制点を奪取。ホームの観衆を沸かせた。植中は直近5試合で4勝1敗と好調を維持するチームの勢いを象徴する活躍を見せた。

しかし、C大阪も守備を固めつつ、鋭いカウンターで応戦。前半アディショナルタイムには、ラファエル・ハットンが同点ゴールを叩き込み、試合を振り出しに戻す。両チームの意地がぶつかり合い、1-1でハーフタイムを迎えた。

後半に入ると、戦況は一変する。

均衡が破れたのは後半16分（61分）。横浜FMのジョルディ・クルークスが個人技で相手守備陣を崩し、勝ち越しゴールを奪う。この得点が試合の流れを決定的に引き寄せた。

さらにC大阪にとって痛手となったのが、後半19分（64分）に発生したDF高橋仁胡の退場処分だ。数的有利を得た横浜FMは、ボールを保持しながらも、戦術的に守備の安定を重視し、相手の攻撃の芽を摘むミドルブロックを形成。C大阪の反撃を許さなかった。

試合終了間際の後半アディショナルタイム（90分+6分）には、途中出場のディーン・デイビッドがダメ押しとなる3点目を決め、勝負あり。横浜FMが3-1で勝利を収め、勝ち点3を手にした。

両監督の終盤の采配：守備の調整とプレスの位置

この試合の鍵となったのは、後半における両監督の戦術調整と、C大阪の退場による数的状況の変化だ。

横浜FMは、ボール保持を基本としながらも、リードを奪ってからはプレスの位置を調整し、中盤に強固な守備ブロックを築いた。終盤にかけては、守備の安定性を最優先し、相手に決定機を与えないクレバーな戦術を選択。攻撃時には選手が柔軟にポジションを入れ替え、細かく崩しにかかる形も見られ、戦術の柔軟性が光った。

一方、C大阪は、相手の攻撃の起点となる選手へのマークを強化するなど、守備戦術に定評がある。しかし、退場者を出したことで守備のバランスを崩し、攻撃に転じるためのエネルギーを失った。敗れはしたものの、C大阪も試合の流れに応じてプレスとミドルブロックを使い分け、終盤は無失点にこだわる姿勢を見せており、その戦術的な意図は明確だった。

明確な「驚きのフォーメーション変更」は見られなかったものの、特に守備面において、プレスの強度や位置を柔軟に変えることで試合を締める采配が、横浜FMの勝利に大きく貢献したと言える。