VTV3開局30周年を記念し国民的番組『タオ・クアン』が復活!AI時代の風刺で視聴者を魅了
ニュース要約: ベトナム国営放送VTV3の開局30周年を記念し、国民的人気風刺番組『タオ・クアン』が特別版として復活しました。AI導入などの現代社会を鋭い風刺で描き、ベテランキャストが再集結。VTV Goでのアクセスが集中するなど、デジタル時代においても圧倒的な存在感を示し、伝統と革新を融合させた30周年の節目を飾りました。
【ハノイ=共同】 ベトナム国営放送(VTV)の看板チャンネルであり、同国のエンターテインメント文化を牽引してきた「VTV3」が、2026年3月31日に開局30周年を迎える。この大きな節目を記念し、国民的風刺コメディ番組『Táo Quân(タオ・クアン)』が、異例の「春の特別版」として復活を果たした。
2026年の旧正月(テト)期間中、恒例の放送が見送られたことで「タオ・クアン・ロス」に陥っていた視聴者にとって、今回の復活は大きなサプライズとなった。3月29日夜、特別番組『Cuộc hẹn với tháng 3(3月の約束)』内で放送されたこのステージは、放送直後から公式配信プラットフォーム「VTV Go」にアクセスが集中するなど、改めてその圧倒的な人気を世に知らしめた。
伝説のキャストが再集結、「AI時代」の天界を風刺
今回の『Táo Quân 2026』の舞台には、同番組の「顔」とも言えるベテラン俳優陣が勢揃いした。玉皇大帝役のNSND(人民芸術家)Quốc Khánhをはじめ、NSND Tự Long(社会担当のタオ)、NSƯT(優秀芸術家)Chí Trung(公務担当のタオ)、NSƯT Quang Thắng(経済担当のタオ)、そして紅一点のVân Dung(教育担当のタオ)といったお馴染みのメンバーが再集結。演出は、長年この番組を支えてきたNSƯT Đỗ Thanh Hải氏が務めた。
演目となったのは、1990年代のVTV3初期に人気を博したクイズ形式の小品「Hái hoa dân chủ(民主の花摘み)」を現代版にアップデートしたものだ。劇中では、急速に進展するデジタル変換(DX)や人工知能(AI)の導入がテーマとなり、テクノロジーに疎い役人がAIを前に右往左往する姿をユーモラスに描写。玉皇大帝が「時代に取り残されないようAIを活用せよ」と一喝する場面では、現代ベトナム社会の課題を鋭く突く風刺精神が健在であることを示した。
「テト41日目」の歓喜、デジタル時代への適応
通常、旧正月の大晦日に放送されるこの番組が3月末に放送されたことに対し、SNS上では視聴者から「旧暦のテトから数えて41日目のテトが来たようだ」といった好意的な投稿が相次いだ。2026年初頭のテト番組が期待されたほどの反響を得られなかった反動もあり、今回の復活劇は「数百万人の喜び」と現地メディアで報じられている。
特筆すべきは、視聴環境の変化だ。テレビ放送(VTV3)と同時に、VTVの公式アプリおよびウェブサイトである「VTV Go(vtvgo.vn)」での同時配信が強化され、場所を選ばない視聴スタイルが定着した。YouTubeの公式チャンネルで公開されたダイジェスト映像や予告編も、公開からわずか数時間で数十万回の再生を記録するなど、デジタルプラットフォーム上での存在感も際立っている。
VTV3開局30周年、伝統と革新の狭間で
VTV3は1996年の開局以来、ベトナム社会に「娯楽」という新しい風を吹き込んできた。今回の30周年イベントに際し、VTV幹部は「VTV3は単なる娯楽チャンネルではなく、文化的価値を共有し、愛国心や家族愛を育む空間へと進化を続ける」と強調した。
番組内では『Táo Quân』の復活だけでなく、若者向けのミニシリーズや最新のバラエティ枠の導入も発表され、伝統的なコンテンツと現代的なニーズの融合を図る戦略が明確に打ち出された。
ベトナムの国民的行事とも言える『Táo Quân』。その一時的な不在を経て、開局30周年という記念すべき日にVTV3の画面に戻ってきたことは、同番組が単なるテレビ番組の枠を超え、ベトナム人の精神的な拠り所となっていることを改めて証明したと言えるだろう。
(2026年3月30日 ハノイ支局発)
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