鳥取県が「馬取県」に改名?地震の風評被害を吹き飛ばす午年の異例PR戦略
ニュース要約: 鳥取県は2026年の午年に合わせ、県名を期間限定で「馬取県(まっとりけん)」と称する観光キャンペーンを開始しました。1月の地震による風評被害の払拭が狙いで、平井知事によるダジャレを交えたPRや職員の馬の被り物着用、都内でのイベント展開など、話題性を活かして観光客の呼び戻しを図ります。過去の「蟹取県」に続く第6弾の試みとして、地域経済の再生とブランド認知向上を目指します。
鳥取県、午年にちなみ「馬取県」へ改名 地震風評払拭へ異例の観光PR展開
鳥取県は2026年1月21日、午年にちなんで県名を「馬取県(まっとりけん)」に改名すると発表した。これは年初に発生した地震による風評被害を払拭し、観光客を呼び戻すための期間限定プロモーションキャンペーンで、行政上の正式な名称変更ではない。「蟹取県」など過去5回の季節改名に続く6回目の試みとなる。
地震風評対策として異例の改名決断
2026年1月6日に鳥取県で発生した地震は、建物や道路などの直接的被害に加え、観光業に深刻な風評被害をもたらした。宿泊施設や飲食店では予約キャンセルが相次ぎ、地域経済への打撃が懸念される状況となっていた。
こうした中、鳥取県政策戦略局広報課は1月14日の知事記者会見で「馬取県」への改名を発表。平井伸治知事は「地震があっても鳥取県は元気に営業している。『馬取県でダービー(旅)に出てください』という思いを込めた」と説明した。
改名の根拠として県が挙げたのは、「鳥」と「馬」の漢字が視覚的に似ていることに加え、県内に石馬大明神、駟馳山、むき馬んだ史跡公園など馬に関連する名所が複数存在することだ。「馬取県で馬(待)っとるけん!」というキャッチコピーには、鳥取弁と「待っている」の意味を掛け合わせ、観光客を歓迎する姿勢が込められている。
職員が馬かぶり物で業務、全国へPR展開
1月26日夕方まで、県庁広報課の職員約20人が馬のかぶり物を着用して通常業務にあたるという異例の光景が見られた。この取り組みはSNSやメディアで大きな話題となり、「鳥取県 改名」がインターネット検索の急上昇ワードとなった。
さらに1月21日には、東京・新橋の「とっとり・おかやま新橋館」で「馬取県就名発表会」を開催。平井知事と人気お笑いコンビ「ガンバレルーヤ」が登壇し、同コンビを「馬取県応援団長ガンバレウーマ」に任命した。1月22日からは同館で抽選会や特別メニューの提供など、首都圏での認知度向上を狙ったイベントを展開している。
県は特設サイトを開設し、馬関連スポットやイベント情報を発信。「むき馬んだ史跡公園」の施設名も一時的に改名するなど、県全体で統一感のあるキャンペーンを推進している。
過去5回の改名実績、観光PRの定番手法に
鳥取県がこうした期間限定改名を行うのは今回が初めてではない。最も有名なのは、2014年から毎年秋冬に実施している「蟹取県」キャンペーンだ。松葉ガニの水揚げ量日本一をアピールするこの取り組みは、県外からの観光客増加に一定の効果を上げてきた。
過去には季節やイベントに応じて複数の「改名」を実施しており、今回の「馬取県」で通算6回目となる。いずれも正式な行政名称の変更ではなく、看板更新などの大規模なコストを伴わない範囲でのプロモーション施策だ。
こうした手法は鳥取県に限らず、全国の自治体で見られる傾向となっている。香川県が2018年にポケモンの「ヤドン県」を名乗ったキャンペーンは大きな反響を呼び、鳥取県も鳥取砂丘でのポケモンGOイベントを実施した実績がある。地域の特色を生かしながら、話題性のあるテーマで全国にPRする手法は、費用対効果の高い観光戦略として定着しつつある。
観光業界は期待、経済波及効果に注目
今回の「馬取県」キャンペーンについて、県内の観光業界は期待を寄せている。地震後のキャンセルで打撃を受けた宿泊施設や飲食店にとって、全国規模のメディア露出は顧客を呼び戻す重要な機会となる。
県が発表した資料では具体的な数値目標は示されていないものの、過去の「蟹取県」キャンペーンでは観光収入の増加が確認されている。関係者の間では、短期的な観光客増加に加え、午年という節目を生かした記念イベント参加による消費喚起が見込まれている。
また、馬関連の土産物やグッズ販売など、特産品ブランドへの間接的な波及効果も期待されている。「うまい馬(場)所」というイメージづくりが、鳥取県全体のブランド認知向上につながる可能性がある。
期間限定施策、持続的効果が課題
一方で、こうした期間限定のプロモーションには持続性の課題も指摘されている。キャンペーン終了後も継続的に観光客を引きつけるためには、一時的な話題性だけでなく、リピーターを増やす仕組みづくりが重要となる。
鳥取県はこれまでの改名キャンペーンで培ったノウハウを生かし、SNSを活用した継続的な情報発信や、訪問者への特典提供など、複合的な施策を展開している。「ウエルカニキャンペーン」など、他のテーマとの連動も図りながら、年間を通じた魅力発信を目指す方針だ。
午年である2026年という時機を捉えた「馬取県」キャンペーンは、地震からの復興と観光再生を象徴する取り組みとして、全国から注目を集めている。今後、実際の観光客数や経済効果がどの程度現れるか、その結果が他の自治体のPR戦略にも影響を与えることになりそうだ。
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