【独自】カプセルトイ市場の覇者トーシン、261店舗へ急拡大。「#C-pla」が仕掛ける“体験型”店舗の全貌と課題
ニュース要約: 北海道発の株式会社トーシンが展開するカプセルトイ専門店「#C-pla」が、2026年2月時点で261店舗に到達。独自の「惑星」をテーマにした没入型店舗や専用撮影ブースで差別化を図り、売上200億円を突破しました。急成長を遂げる一方で、相次ぐ臨時休業などガバナンス面の課題も浮上。1400億円規模に膨らんだ市場での生き残りをかけた、同社の戦略と展望に迫ります。
【独自】カプセルトイ市場の「新星」トーシン、全国261店舗へ急拡大 ブランド「#C-pla」が描く“体験型”の衝撃
【札幌】2026年2月、日本のカプセルトイ市場がかつてない沸騰を見せている。その中核を担うのが、北海道から全国へと瞬く間に勢力を拡大した株式会社トーシン(本社・札幌市)だ。同社が展開する専門店「#C-pla(シープラ)」は、2026年2月時点で261店舗に達し、有人型店舗数において業界トップクラスの地位を不動のものにしている。
かつて「子供の遊び」の代名詞だったカプセルトイは、いまや20代から30代の女性、さらには訪日外国人(インバウンド)をも虜にする1400億円規模の一大産業へと変貌を遂げた。その最前線を走るカプセルトイ トーシンの戦略と、急成長の裏側にある課題を追った。
惑星を旅する没入感――「#C-pla」が変えた店舗の定義
トーシン カプセルトイ部門の躍進を支えているのは、単なる「販売機を並べる」手法からの脱却だ。同社の専門店ブランド「c-pla」は、各店舗を「惑星(Planet)」に見立てた独自の世界観を展開している。
例えば、札幌・狸小路の店舗は「tanuki planet」として地域性を打ち出し、他の店舗でも「forest planet」「aqua planet」といった独自のテーマを設定。店舗ごとに異なる内装を施すことで、消費者に「この店でしか味わえない没入体験」を提供しているのだ。
さらに、購入した商品をその場で組み立て、背景セットと共にスマートフォンで撮影できる専用ブース「C-pit(シーピット)」や、不要になったカプセルを投入すると光や音で反応する「センサー付回収BOX」など、デジタル技術とアナログの楽しさを融合させた仕掛けが随所に施されている。同社は自社でアニメIP(知的財産)を持たない一方で、こうした「体験型」の空間演出によって、競合他社との差別化に成功したといえる。
5年で店舗数倍増、売上200億円突破の快進撃
トーシンの成長スピードは驚異的だ。同社は1975年創業の老舗だが、2018年に初の専門店「#C-pla 4丁目プラザ店」を出店して以降、舵を大きく転換した。2023年3月時点で約130店舗だった規模は、わずか3年足らずで260店舗超へと倍増。2025年5月期には売上高200億円を突破し、2025年2月22日には節目となる「200店舗目(新宿店)」をプレオープンさせるなど、首都圏への攻勢を強めている。
この急拡大の背景には、コロナ禍による「商業施設の空きテナント増加」という逆風を好機に変えた戦略がある。大型ショッピングモールやアウトレットパークへ戦略的に出店し、有人型店舗ならではのきめ細やかなオペレーションを導入。また、地元の北海道日本ハムファイターズとのコラボ商品や、人気キャラクター「雪ミク(SNOW MIKU 2026)」との限定企画など、地域密着型のオリジナル商品開発がファンを繋ぎ止めている。
成長の影に潜む「急拡大の歪み」と今後の展望
しかし、順風満帆に見える快進撃の裏で、懸念材料も浮上している。2026年2月21日以降、イオン旭川永山店やイオン帯広店など、全国の複数店舗が突如として「臨時休業」を発表。休業数は30店舗以上に及ぶとの見方もあり、ファンや関係者の間に動揺が広がっている。急ピッチな店舗網拡大に伴う運営体制の整備や、経営層に関する報道など、IPO(新規株式公開)を目指すプロセスにおいて、ガバナンスの真価が問われる局面を迎えている。
市場全体を見渡せば、カプセルトイ市場は2022年の約720億円から、2024年度には約1410億円へと倍増し、2026年現在もなお成長曲線を描いている。ハピネットなどの大手流通企業やタカラトミーといった玩具メーカーがしのぎを削る中、トーシンが提唱する「体験型店舗」というモデルが、今後も消費者を惹きつけ続けられるのか。
「ガシャポン」から進化した「カプセルトイ文化」は、日本が誇るべきクールジャパンの象徴だ。その牽引役であるトーシンの次なる一手――デジタル投資の加速や海外進出、そして透明性の高い経営基盤の構築――が、業界の未来を左右することになりそうだ。
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