【ラ・リーガ展望】ソシエダ対オビエド、ビルバオ対エルチェ:バスク勢に漂う「番狂わせ」の予感と久保建英の起用法
ニュース要約: ラ・リーガ2025-26シーズン佳境、ソシエダとビルバオのバスク勢が正念場の2連戦を迎えます。対オビエド戦で苦戦が続くソシエダは、久保建英の温存が予想される中で「天敵」攻略に挑みます。一方、主力不在のビルバオも残留争い中のエルチェを相手に必勝を期す構えです。格上相手に下位クラブが仕掛ける「下克上」の行方と、過密日程における戦術の妙を現地記者が徹底解説します。
【欧州サッカー現地報道】バスク勢、正念場の2連戦へ──ソシエダ対オビエド、ビルバオ対エルチェの展望と「番狂わせ」の境界線
【サン・セバスティアン=執筆・サッカージャーナリスト】
ラ・リーガ2025-26シーズンは佳境に入り、伝統のバスク勢がそれぞれの岐路に立たされている。現地時間2月21日から22日にかけて行われる注目カード、ソシエダ 対 オビエド、そしてビルバオ 対 エルチェの2試合は、上位進出を狙う名門と、残留を懸けて死に体で挑む下位クラブという対照的な構図となった。しかし、近年の対戦成績や過密日程を紐解くと、そこには単純な順位表だけでは測れない「波乱」の予感が漂っている。
■ソシエダ対オビエド:久保建英の不在と「天敵」への警戒
レアル・ソシエダにとって、ホームに迎えるレアル・オビエドは決して侮れない相手だ。直近のリーグ戦では5勝3分けと着実に勝ち点を積み上げているソシエダだが、今季のオビエド戦には嫌な記憶が付きまとう。25年ぶりに1部昇格を果たしたオビエドに対し、ソシエダは昨夏の対戦で0-1と苦杯を喫し、さらにコパ・デル・レイでも1-0で敗れるという「番狂わせ」を演じられているのだ。
今回の「ソシエダ 対 オビエド」の一戦で最大の焦点となるのは、日本代表MF久保建英の起用法だろう。代表活動による疲労が色濃い久保は、直近のエルチェ戦で先発復帰したものの無得点に終わり、戦術的なターンオーバーの対象となる可能性が高い。地元紙の見立てでは、イマノル・アルグアシル監督は久保やアランブルをベンチに置き、アリツ・エルストンドら下部組織出身のバックアップメンバーを中心とした4-3-3の布陣で序盤の支配を試みる。
対するオビエドは、現在リーグ20位と最下位に沈み、23試合で36失点と守備の崩壊が顕著だ。しかし、2月15日のレバンテ戦では4-2と爆発的な攻撃力を見せて勝利しており、カウンター一閃で先制点を奪い、肉弾戦に持ち込んで逃げ切るという「対ソシエダ用」の勝ち筋を心得ている。ソシエダが過密日程の中で集中力を維持できるか、それとも再びオビエドがジャイアントキリングを成し遂げるのか、エスタディオ・アノエタの緊張感は高まっている。
■ビルバオ対エルチェ:ニコ・ウィリアムズの爆発が鍵
一方、サン・マメスで行われる「ビルバオ 対 エルチェ」も、勝ち点3が至上命令の戦いだ。アスレティック・ビルバオは現在リーグ9位に位置しているが、直近のソシエダ戦でのドローやオビエド戦での敗北など、ここ数試合は精彩を欠いている。バルベルデ監督率いるチームは、負傷で離脱中のニコ・ウィリアムズやプドースエレスNといった主力不在の穴をいかに埋めるかが課題となる。
ブックメーカーの勝利予想オッズでは、ビルバオ勝利が1.15〜1.51倍と圧倒的な本命視をされており、エルチェ勝利の5.99倍とは大きな開きがある。しかし、エルチェはリーグ16位と残留争いの渦中にありながら、上位陣に対しては徹底した「低ブロック守備」で勝ち点を拾う粘り強さを持っている。特にビルバオとの過去の直接対決では2-1で勝利した実績もあり、格上を苛立たせる術を知るチームだ。
ビルバオが中盤の支配権を握り、サンナディの個人技やサイド攻撃を機能させられるかが焦点だが、エルチェが前半を無失点で切り抜けるような展開になれば、スタジアムには焦燥感が広がるだろう。
■バスクの誇りか、下位の執念か
「ソシエダ 対 オビエド」「ビルバオ 対 エルチェ」という2つのカードは、一見すればバスク勢が主導権を握る順当な展開が予想される。しかし、データが示すのは、オビエドのソシエダ戦における高い勝率や、エルチェが持つ「大番狂わせ」の潜在能力だ。
バスクの2強がポゼッションサッカーで格の違いを見せつけるのか、あるいは残留への執念を燃やす下位クラブが歴史に新たな1ページを刻むのか。2026年2月のラ・リーガは、まさに「下克上」の季節を迎えようとしている。地元ファンの熱狂と、ブックメーカーの冷徹な数字が交錯する週末のキックオフ。その後に待ち受ける結末は、今シーズンの最終順位を大きく左右することになるだろう。
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