『ばけばけ』から『SHOGUN 将軍』2へ!トミー・バストウ、日本を愛し「化けた」異才の軌跡
ニュース要約: NHK朝ドラ『ばけばけ』でヒロインの夫役を演じ、一躍時の人となった英国人俳優トミー・バストウ。1700人超のオーディションを勝ち抜いた圧倒的な演技力と、独学で習得した日本語、そして『SHOGUN 将軍』シーズン2への続投決定など、ハリウッドと日本を繋ぐ彼のストイックな役作りと音楽活動を含む多才な素顔に迫ります。
【深層探訪】トミー・バストウ、日本を愛し「化けた」異才の肖像――朝ドラ『ばけばけ』から『SHOGUN 将軍』シーズン2へ
2026年3月現在、日本のテレビ界で最も熱い視線を浴びている英国人俳優がいる。NHK連続テレビ小説『ばけばけ』で、ヒロイン・トキ(髙石あかり)の夫であるレフカダ・ヘブン役を演じているトミー・バストウだ。明治時代の文豪ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルとしたこの難役に、彼は1767人が参加したオーディションを「満場一致」で勝ち抜き、いまや茶の間の顔となった。
しかし、彼の快進撃は単なる「外国人タレント」の枠に収まるものではない。ハリウッド制作の歴史的大作『SHOGUN 将軍』での怪演、そしてロックバンドのリードボーカルという多才な顔を持つトミー・バストウの現在地と、その徹底した役作りの哲学に迫る。
「ヘブン」として生きる日記と手紙――徹底した役作り
現在放送中の『ばけばけ』は第11週を終え、物語はヘブンの過去の葛藤や人間性に深く踏み込んでいる。視聴者の心を掴んで離さないのは、トミーが体現するヘブンの「孤独と慈愛」だ。
トミーの役作りは、驚くほどストイックである。彼は役の理解を深めるため、撮影期間中、ほぼ毎日ヘブンとして「日記や手紙」を綴っているという。架空の船旅で船長と何を話したか、視力の弱いヘブンが世界をどう見ているか。不自由な眼鏡をかけ、不便さを逆手に取って役の解釈に繋げるその姿は、共演の髙石あかりや吉沢亮らからも厚い信頼を寄せられている。
「役を深く分析することで、現場でより自由に動けるようになる」と語るトミー。10年以上独学で学んだという堪能な日本語も、単なる言語習得を超え、日本文化の深層にある「情緒」を理解するためのツールとなっている。
エミー賞席巻『SHOGUN 将軍』から朝ドラへ、そしてシーズン2へ
トミー・バストウの名を世界に轟かせたのは、何と言っても2024年の大ヒット作『SHOGUN 将軍』だろう。彼はここで、流暢な日本語を操るマルティン・アルヴィト司祭を演じた。
エグゼクティブ・プロデューサー兼主演の真田広之は、トミーのポテンシャルを早くから見抜いていた。真田は、トミーが日本の「朝ドラ」という過酷な現場を経験することを「俳優としてさらに大きく成長する機会」と捉え、あえて背中を押したという。その言葉通り、トミーは『SHOGUN 将軍』シーズン2への続投も決定。10年後の設定となる次作で、朝ドラを経て「化けた」彼がどのような演技を見せるのか、ハリウッド関係者からの期待も極めて高い。
音楽家としての顔:バンド「FranKo」と「あさイチ」での衝撃
俳優としての活躍が目立つトミーだが、そのルーツの一つは音楽にある。2007年に結成したロックバンド「FranKo(フランコ)」のリードボーカルとして、彼はエネルギッシュなステージを披露してきた。
今年1月、NHK『あさイチ』に出演した際には、自作の日本語曲を生歌で披露。その透明感のある歌声と表現力に、SNS上では「ヘブンのイメージと違う!」「かっこよすぎる」と大きな反響を呼んだ。2026年12月には、東京・松江・大阪を巡る「FranKo Japan Tour 2026」の開催も決定している。チケットは即日完売し、急遽追加公演が組まれるなど、その人気は社会現象化しつつある。
日本と西洋の「懸け橋」として
2月には大阪・成田山の節分祭に参加し、晴れやかな表情で「福は内」と豆を撒いたトミー。イギリス出身の彼が、今や日本の伝統行事に欠かせない存在となっているのは、彼自身の日本に対する深い敬意(リスペクト)があるからに他ならない。
「日本で俳優として活動し続けることが夢だった」と語る彼は、黒澤清監督のホラー映画を愛し、『古事記』を読み解く。日本と西洋、伝統と現代、そして俳優とミュージシャン。あらゆる境界線を軽やかに飛び越えるトミー・バストウは、まさに令和の時代に現れた「異境の文豪」の再来といえるだろう。
朝ドラ『ばけばけ』の放送は後半戦へと向かう。トミーが演じるヘブンが、トキと共にどのような「地獄と天国」を見せてくれるのか。そして、その先に待つハリウッドでの再挑戦。トミー・バストウという才能から、しばらく目が離せそうにない。
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