200勝達成も減俸！田中将大、覚悟の1億円更改で巨人での「完全復活」誓う

田中将大、覚悟の1億円更改　日米200勝達成も減俸　「優勝、日本一へ貢献」巨人での完全復活誓う

【東京】プロ野球・巨人の田中将大投手（37）は25日、東京都内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、今季年俸1億6000万円から6000万円減となる年俸1億円でサインした。移籍1年目となった2025年シーズンは、日米通算200勝という金字塔を打ち立てた一方で、3勝4敗、防御率5.00と成績は振るわず、約3ヶ月の二軍調整も経験した。厳しい現実を受け入れたベテラン右腕は、「当然、減俸です」と潔く語り、来季（2026年シーズン）は坂本勇人選手とともにチーム最年長として、リーグ優勝と日本一への貢献を最優先目標に掲げた。

厳しい交渉の末に示した「覚悟」

2024年オフに楽天を自由契約となり、阿部監督の強い要望で巨人に入団した田中将大投手。入団時の期待値は極めて高かったものの、今季の成績は期待に応えるものとは言えなかった。契約更改後の会見で田中投手は、大幅な減額提示に対し「ありがたい言葉をかけていただいた。自分としてはうれしかった」と球団への感謝を述べつつ、減額を当然のこととして受け入れた。

この契約更改は、ベテラン投手のキャリアにおける転換点を示唆している。かつて楽天で絶対的なエースとして君臨し、メジャーリーグでも活躍した右腕が、成績不振により年俸を大きく下げたという事実は、プロ野球の厳しさを物語る。しかし、球団側は単なる成績だけでなく、8月以降の先発陣の駒不足を補った貢献や、若手選手に経験を伝えるベテランとしての精神的支柱としての役割も高く評価しており、来季も戦力の中核として期待している姿勢が明確だ。

200勝達成と3ヶ月のファーム調整

田中将大投手の巨人移籍初年度は、まさに「光と影」が交錯するシーズンだった。

4月3日の巨人初登板で移籍後初勝利を挙げたものの、5月以降は調子を崩し、二軍での調整を余儀なくされた。この約3ヶ月間のファーム生活では、久保康生巡回投手コーチらと投球フォームの改造に取り組み、再起を期した。

その努力が実を結んだのが、シーズン終盤だった。9月30日の中日戦で勝利投手となり、日米通算200勝という歴史的な大記録を達成。これは、松坂大輔氏（西武、レッドソックスなど）以来の偉業であり、厳しいシーズンの中で田中投手が残した最大の功績となった。この200勝達成により、田中投手は改めて自身のキャリアにおける価値を証明し、来季への挑戦権を勝ち取った形だ。

来季の焦点：開幕ローテーション争いと「完全復活」

来季、田中将大投手は38歳を迎え、坂本勇人選手とともにチーム最年長となる。契約更改後、田中投手は「最年長だからというものはない」と年齢を言い訳にしない姿勢を強調し、「とにかくやりたいことはリーグ優勝、日本一になりたい。そこにどれだけどういう形で貢献できるか」と、チーム目標への強いコミットメントを示した。

球界関係者や評論家は、田中投手の来季のパフォーマンスに大きな注目を寄せている。戦力分析では、田中投手が持ち前の経験豊富な投球術で安定したゲームメイクができれば、巨人の開幕ローテーション入りは確実視されている。特に、昨季オフに海外FAで退団した菅野智之投手の穴を埋める存在として、田中投手への期待は大きい。

しかし、2025年シーズンで二軍調整を経験したように、完全復活には課題が残る。評論家からは「真っさらな状態に戻れば、たぶんいい時の状態に戻る」との期待の声も聞かれるが、若手との競争に勝ち抜き、年間を通じて高いパフォーマンスを維持できるかがカギとなる。

田中将大投手の復活は、巨人がリーグ優勝を果たすための重要な要素の一つだ。ベテランの経験と技術、そして200勝投手の意地が、低迷からの脱却を目指すチームにどのような影響を与えるのか。年俸減額という厳しい現実を乗り越え、来季の田中将大投手のマウンドでの投球が、ファンの期待を集めている。