スーパーマーケットの冷蔵設備にサイバー脅威 FBIなど共同声明 食品流通に警戒感
ニュース要約: 米FBIやCISAなど5省庁は5日、スーパーマーケットなどの業務用冷蔵・冷凍設備への継続的なサイバー脅威を警告する共同声明を発表した。欧州では3週間で2回の攻撃で数百万ドル相当の食品廃棄も発生。一方、国内では野菜価格の変動が家計に影を落としている。
スーパーマーケットや冷蔵倉庫などで使われる業務用冷蔵・冷凍設備への「継続的なサイバー脅威」をめぐり、米連邦当局が5日、警戒を呼びかける共同声明を発表した。米国と欧州で冷蔵・冷凍設備を標的としたサイバー攻撃が相次いでいることを受けたもので、食品流通を支える設備の安全性が改めて問われる形となった。 声明を発表したのは米連邦捜査局(FBI)やサイバーセキュリティ・インフラ安全保障庁(CISA)など5省庁。悪意ある攻撃者がインターネット接続型の電子温度管理装置や業務用冷却コントローラーの脆弱性を狙っていると指摘し、「攻撃が成功した場合、攻撃者は温度設定を変更し、火災リスクや在庫損失、システム寿命の低下といった物理的な影響を引き起こす可能性がある」と警告した。過去数カ月で業務用冷蔵庫や冷凍庫を標的とした攻撃は少なくとも3回発生しており、米政府は機器をインターネットから切り離し、企業ネットワークから分離するとともに、ソフトウエア更新を速やかに適用するよう求めている。 欧州では、スーパーマーケットの冷蔵設備がこの3週間で2回サイバー攻撃を受け、設備の温度を上げられ、数百万ドル相当の食品を廃棄する被害が出た。今週の攻撃では欧州の約12カ国で冷蔵設備が被害を受け、オランダの食品小売大手アホールド・デレーズは1カ月で2度目のハッキングとなり、2億ユーロを超える売上高の損失や業績見通しの下方修正を招いた。同社のヨランダ・ポーツベイル最高財務責任者は「われわれは新たな現実に適応しつつある」と述べた。ロイターの報道によると、サイバー攻撃は人工知能(AI)の活用で手口を巧妙化しており、防御側もAIを使った検知や復旧への投資を増やしている。 日本のスーパーマーケットでは、足元で野菜価格の変動が家計に影を落としている。11月5日現在、ハクサイやキャベツ、レタスなどの葉物野菜は10月のピーク時から卸売・小売価格が大幅に下落したものの、依然として平年を上回る水準で推移している。一方、記録的な豊作となったジャガイモは平年を下回る価格で、タマネギは1キロ100円以下と昨年秋の半値となっており、店頭では安い野菜を選ぶ消費者の動きが見られる。 日常の買い物拠点であるスーパーマーケットを巡っては、食品価格の動向と、食品を守る設備の安全確保という二つの課題が同時に浮上した形だ。消費生活に密接に結びついた店舗のシステムをどう守るかは、食品の安定供給を左右する課題となりそうだ。
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