椎名林檎、27年目の「禁じ手」と新たな「党大会」へ。新作アルバムと全国ツアーの全貌
ニュース要約: デビュー27年目を迎える椎名林檎が、自作曲を封印した野心作『禁じ手』をリリース。三宅純ら鬼才との共作で新たな音楽像を提示し、13年ぶりとなる「党大会」形式の全国ホールツアーを開催します。ハイブランドを纏う最新の美学と共に、進化し続ける彼女の現在地を詳報。
【潮流の先へ】椎名林檎、キャリア27年目の「禁じ手」と新たな「党大会」――令和八年、彼女が提示する音楽の真髄
【2026年3月15日 東京】
デビューから四半世紀を超え、日本の音楽シーンにおいて唯一無二の存在感を放ち続けるアーティスト、椎名林檎。彼女が今、かつてないほど濃密な「季節」を迎えている。
2026年3月11日のニューアルバム『禁じ手』のリリース、そして3月17日から幕を開ける全国ライブツアー「党大会 令和八年列島巡回」。自己複製を拒み、常に既存の枠組みを解体・再構築してきた椎名林檎が、2026年の春、私たちに見せようとしている景色とは何か。その現在地を詳報する。
「自作曲封印」という挑戦状、アルバム『禁じ手』の衝撃
最新作『禁じ手』は、そのタイトル通り、彼女にとっての「禁じ手」をテーマにした野心作だ。最大の特徴は、全11曲において「自作曲を完全封印」したことにある。
本作は、2013年に発表されたコラボレーション・ベストアルバム『浮き名』の系譜を継ぎつつ、さらに一歩踏み込んだコンセプトを持つ。三宅純、伊秩弘将、伊澤一葉、BIGYUKIといった鬼才たちとの共作、あるいは客演曲のみで構成。向井秀徳やmillennium parade、加藤ミリヤらとの既発曲に加え、書き下ろしの新曲が色彩豊かに並ぶ。
特に注目すべきは、アルバム冒頭を飾る三宅純との共作「至宝」だ。椎名がフランス語で作詞・歌唱を担当したこの楽曲は、境界線を融解させるような幻想的な響きを湛えており、MV公開直後からSNSを中心に大きな反響を呼んでいる。キャリア27年目、円熟期にありながら「自らの筆を置く」ことで、他者の才能と衝突・共鳴し、新たな「椎名林檎像」を浮かび上がらせる手法は、彼女にしか成し得ない高度な音楽的実験と言えるだろう。
13年ぶりの「党大会」形式、静謐と熱狂の列島巡回
この新作を携え、3月17日の大阪・ザ・シンフォニーホールを皮切りにスタートするのが、ライブツアー「党大会 令和八年列島巡回」である。
「党大会」の名を冠したツアーは、2013年の「十五周年 党大会 平成二十五年神山町大会」以来、実に13年ぶりとなる。今回特筆すべきは、その会場選定の妙だ。東京・すみだトリフォニーホールや福岡・アクロス福岡シンフォニーホールなど、クラシック専用ホールを含む音響に優れた会場が全国8会場(18公演)選ばれている。
過去の「党大会」がそうであったように、今回もアリーナクラスの公演とは一線を画す、親密かつ濃密な空間演出が予想される。セットリストについては依然としてベールに包まれているが、最新作『禁じ手』の楽曲群を中心に、これまでの代表曲がどのような新たな解釈で披露されるのか、ファンの期待は最高潮に達している。なお、チケットは全席指定12,500円(税込)。転売対策としてファンクラブ「林檎班」等での先行受付が中心となっており、一般販売分も争奪戦は必至だ。
ファッションと美学――ハイブランドと和の「和洋折衷」
椎名林檎の影響力は音楽のみに留まらない。最近の彼女は、ファッションアイコンとしても新たな境地に達している。
2026年2月発売の雑誌『GLOW』4月号では、グッチやバレンシアガといったハイブランドを大胆に纏い、表紙を飾った。350万円を超えるグッチのシースルードレスをさらりと着こなすその姿は、単なるラグジュアリーの誇示ではなく、自身の身体を一つの表現媒体として昇華させるストイックな美学を感じさせる。
和のテイストを取り入れつつ、最新のモードを軽やかに着こなすその「和洋折衷」のスタイルは、ブシュロンのジュエリーを用いたレイヤード提案など、既存の価値観を更新し続けている。音楽シーンのフロントランナーとして、彼女が発信する「静かな情熱と美学」は、世代を超えたフォロワーを生み出し続けているのだ。
結びにかえて
5月27日のツアー最終地、高崎芸術劇場公演当日には、デビュー28周年の記念日を迎える。5年ごとの節目に大規模な「林檎博」を開催してきた彼女だが、2026年のこの「党大会」は、アニバーサリーへの助走なのか、あるいは全く別の地平への転換点なのか。
アルバムのジャケットを手掛けた宇野亞喜良氏の描く妖艶な世界観のごとく、今の椎名林檎には、積み上げたキャリアを一度解体し、再び組み上げるような、危うくも美しいダイナミズムがある。
「禁じ手」を指し、「巡回」を続ける彼女の歩みから、片時も目が離せない。
(記者:メディア戦略部)
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