【独自】赤坂「サウナタイガー」休止の真相と波紋、高級プライベートサウナの光と影
ニュース要約: 赤坂の高級会員制サウナ「サウナタイガー」が火災事件を経て事実上の営業停止状態に。月額39万円の超豪華施設が提示した「食・衣・浴」融合のモデルは業界の到達点でしたが、安全管理と再建の課題に直面。再開を願うファンの声と、飽和する個室サウナ市場の未来を追います。
【独自】赤坂の隠れ家「サウナタイガー」が残した光と影――会員制プライベートサウナの旗手が直面した閉塞と再起への問い
【2026年2月20日 東京】
東京・赤坂の閑静な一角に佇む、かつての「究極の癒やし」の聖地が沈黙を守っている。港区赤坂6丁目に位置する会員制プライベートサウナの代名詞的存在、「サウナタイガー(SAUNATIGER)」。2022年8月のオープン以来、都会の喧騒を忘れる極上の空間として多くの著名人やサウナーを魅了してきた同施設だが、現在は事実上の完全営業停止状態にある。
高級サウナブームの火付け役
「サウナタイガー」は、モデルのパンツェッタ・ジローラモ氏が監修パートナー(後に運営側は否定的な見解を示すも、オープン当初の話題性は絶大であった)を務めたことでも知られる、地上5階建ての贅を尽くしたサウナビルだ。
月額会員料金は39万円、会員枠はわずか77名という極めて排他的なスタイルでありながら、ビジター利用も可能という間口の広さも持ち合わせていた。2階から5階までの各フロアに趣の異なる個室を配し、最上階のペントハウスでは「炎の外気浴」と称される開放的な空間を提供。1階には、サウナ愛好家たちが「専門店級」と舌を巻く、無料の「サウナ飯(サ飯)」を楽しめる食堂が完備されていた。
徹底した「こだわり」の空間
サウナ愛好家たちの口コミを振り返ると、その評価は極めて高かった。「METOS社製」のストーブを採用したサウナ室は90~100℃の高温に保たれ、セルフロウリュと選べるアロマが深い没入感を生む。水風呂は13~20℃の絶妙な設定に加え、氷を投入してさらなる低温を求めることも可能だった。
また、アメニティには「アヴェダ(AVEDA)」などの高級ブランドが並び、ダイソンのドライヤーを完備。サウナ後にそのまま街へ繰り出せる「ワンマイルウエア」をコンセプトとしたオリジナルアパレルブランド**「SAUNATIGER APPAREL」**を展開するなど、単なる入浴施設を超えたライフスタイルブランドとしての地位を確立していた。
突如として訪れた暗転
しかし、順風満帆に見えた快進撃は衝撃的な事件によって断絶された。施設内での火災発生と、それに伴う経営者夫婦の悲劇的な別れ。赤坂の街を揺るがしたこの事件から約2か月が経過した現在、公式サイトには「当面、サウナタイガーは営業を停止いたします」との一文が虚しく躍っている。
予約済み顧客への返金対応が進められているものの、2026年2月現在、営業再開の目途は一切立っていない。多くのファンが切望する熱波師によるアウフグースや、かつての活気を帯びたイベントの再開予定も、現状では確認できない。
プライベートサウナの未来
現在、サウナ業界では「個室・会員制」というモデルが飽和状態にある。その中で**「サウナタイガー」**が提示した「食・衣・住(浴)」を融合させたラグジュアリーな体験は、間違いなく一つの到達点であった。
SNS上では「あのラウンジのハンバーガーがまた食べたい」「あんなに熱く、冷たく、ととのえる場所は他にない」と、再開を願う声が絶えない。一方で、安全管理体制や運営体制の再構築という重い課題が、同施設の前に立ちはだかっている。
赤坂の地に再び「タイガー」の灯がともる日は来るのか。それとも、高級サウナ狂騒曲の象徴として歴史に名を残すのみとなるのか。東京都心のサウナシーンは、一つの大きな指標を欠いたまま、新たな局面を迎えようとしている。
(経済部・ライフスタイル担当記者)
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