ロビンフッド、総合金融プラットフォームへ加速。2026年Q1決算と独自チェーンの野望
ニュース要約: 米ロビンフッドの2026年第1四半期決算は、EPSが予想を上回る好調な着地。独自チェーンの展開やRWAのトークン化、予測市場への参入により、従来の証券アプリからグローバルな次世代金融拠点への変貌を遂げつつあります。
【ニューヨーク=共同】米フィンテック大手のロビンフッド・マーケッツ(HOOD)が、従来の証券取引アプリの枠を超え、「グローバルな総合金融プラットフォーム」への変貌を加速させている。同社が発表した2026年第1四半期決算は、売上高こそ市場予想をわずかに下回ったものの、1株当たり利益(EPS)は予想を上回り、底堅い収益力を示した。特に暗号資産(仮想通貨)や予測市場といった新領域への攻勢が鮮明となっており、個人投資家の支持を背景に、既存の金融秩序を塗り替える筆頭候補として再び注目を集めている。
堅調な業績と市場の「洗礼」
ロビンフッドがこのほど発表した2026年第1四半期決算によると、調整後売上高は前年同期比27%増の12億8000万ドルとなった。市場予想の13億5000万ドルには届かなかったものの、純利益の指標となるEPSは0.66ドルと、予想の0.64ドルを上回る着地を見せた。
特筆すべきは、個人投資家の圧倒的なアクティビティだ。日次平均取引数(DARTs)は1400万件と前年比で13%増加し、市場予想の510万件を大幅に上振れた。かつての「ミーム株ブーム」の立役者たちは、今やより洗練された投資スタイルを確立しつつある。同社の収益構造も多角化しており、オプション取引が最大の牽引役となっているほか、暗号資産取引が全体の約2割を占めるまでに成長している。
決算発表直後の株価は、売上高の未達を嫌気して一時8.91%下落するなど、市場の厳しい洗礼を受けた。しかし、3月2日時点の株価は78.78ドル(前日比3.86%高)と回復基調にあり、アナリストによる平均目標株価も137.67ドルと、依然として強気な見方が支配的だ。
「ロビンフッドチェーン」が描く新戦略
現在のロビンフッドを象徴するキーワードは、独自開発のレイヤー2ブロックチェーン「ロビンフッドチェーン」だろう。2月に公開されたパブリックテストネットは、わずか1週間で400万件のトランザクションを記録した。2026年後半に予定されているメインネットの稼働は、同社にとって単なる技術的進歩ではなく、金融エコシステム全体の掌握を意味する。
同社が進めるのは、現実資産(RWA)のトークン化だ。株式やETFをブロックチェーン上で24時間取引可能にすることで、既存の市場時間の制約を取り払う狙いがある。買収した英ビットスタンプの基盤を活かし、欧州での米国株トークン化商品の提供や、無期限先物取引の拡充など、オンチェーン金融サービスを次々と打ち出している。
こうした動きに対し、米証券取引委員会(SEC)をはじめとする規制当局との折衝も佳境を迎えている。ロビンフッドはトークン化資産の規制枠組み構築を当局に働きかけており、コンプライアンス(法令順守)を重視しながら、イノベーションの「公認」を勝ち取る戦略にシフトしている。
グローバル展開と「予測市場」のゆくえ
米国内での成功を背景に、同社は海外市場への侵攻も強めている。英国では顧客の要望が強かった税制優遇口座(ISA)を導入し、米国外の顧客数は75万人を突破。さらにアジア市場の足がかりとして、インドネシアのブローカー買収を進めるなど、10年以内に国際収益の比率を5割以上に引き上げる野心的な目標を掲げる。
また、新たな収益の柱として期待されるのが「予測市場」だ。2025年に開始した政治やスポーツの結果を取引するこのサービスは、1年強で100万人以上の顧客を獲得。ポリマーケット(Polymarket)といった競合が先行する分野だが、ロビンフッドは既存の膨大なユーザー基盤とAIツール「Cortex」による分析を武器に、シェア争いで猛追を見せている。
かつて「投資の民主化」を掲げ、手数料無料の波を起こしたロビンフッド。今、彼らが目指しているのは、投資・決済・貯蓄のすべてをブロックチェーン上で完結させる「次世代の金融拠点」だ。伝統的な金融機関が慎重姿勢を崩さない中で、ロビンフッドが切り拓く「スマホの中の金融革命」は、2026年以降の資本市場における最大の不確定要素であり、かつ最大の希望でもある。
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