リクルート、2026年3月期利益を上方修正:グローバルHR TechとAI戦略が成長を牽引
ニュース要約: リクルートホールディングスは、2026年3月期第2四半期決算で好調を維持し、通期最終利益予想を4,483億円に上方修正した。この成長は、Indeedを中心とするグローバルHR Tech事業の力強い牽引と、全社的なAI戦略の深化によるDX推進が背景にある。リクルートは今後もAI関連投資を拡大し、収益拡大と利益率改善を目指す方針だ。
リクルート、AI戦略とグローバル展開が牽引:2026年3月期通期利益を上方修正、HR Techで世界を席巻
【東京】 リクルートホールディングス(以下、リクルート)が2025年11月6日に発表した2026年3月期第2四半期決算は、グローバル展開するHR Tech事業の牽引と、全社的なAI戦略の推進を背景に、極めて好調な結果となった。連結売上高は前年同期比2%増の9,147億円、連結最終利益は同11.6%増の2,483億円を達成。特に注目すべきは、通期最終利益予想を従来の4,280億円から4,483億円へと上方修正した点であり、リクルートの持続的な成長力に対する市場の期待を裏付けた形だ。
グローバルHR Techが収益柱に
リクルートの好業績の最大の要因は、世界最大の求人検索エンジンであるIndeedとGlassdoorを擁するHRテクノロジーSBUの力強い成長にある。現在、リクルートグループの海外売上比率は55%に達しており、M&A戦略を通じて獲得したIndeedのグローバルプラットフォーム化が大成功を収めている。
Indeedは2012年の買収以来、人材領域におけるグローバルNo.1を目指し、先進的なテクノロジーを駆使して事業を拡大してきた。従来の広告掲載モデルとは異なる課金スタイルを確立し、世界60カ国以上でサービスを展開。国内においても、既存の「タウンワーク」などのプラットフォームとの連携を強化し、職種や地域に応じた適切な役割分担を進めることで、相乗効果(シナジー)の最大化を図っている。
成長の鍵を握る「AI戦略」の深化
リクルートは、決算説明会において、今後の成長の鍵としてAI関連投資の継続的な拡大を明確に位置づけた。HR Tech分野に留まらず、マーケティング、不動産(SUUMO)、生活サービス(じゃらん、ホットペッパー)など、全ての事業領域でデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させている。
具体的には、HR Tech分野では、IndeedやリクナビNEXTにおけるAIを活用した人材マッチングプラットフォームの高度化が進む。求職者と企業双方に対し、AIチャットボットや自動応募・推薦機能を導入することで、採用プロセスの効率化と精度向上を実現している。
また、マーケティング・広告分野では、AIによる広告配信の最適化やユーザー行動分析に基づくパーソナライズド広告が収益改善に貢献。不動産・生活サービス領域においても、物件検索の精度向上や価格予測、顧客対応チャットボットへのAI導入が進み、業務効率化とコスト削減、そして既存サービスの付加価値向上に繋がっている。この戦略的なAI活用こそが、今回の調整後EBITDAが前年同期比12.5%増を記録した背景にある。
激化する国内市場と2027年卒採用への対応
国内HRテック市場は、リモートワークの普及や人的資本経営の重要性増大を背景に急拡大しており、2027年度には市場規模が数千億円に達するとの予測もある。特に、2027年卒採用に向けては、通年採用の拡大やオンライン面接の定着、採用活動の長期化・多様化が進む中で、HRテックツールの需要が爆発的に増加している。
この競争激化の波に対応するため、リクルートはAIやデータ分析を活用した採用支援ツールの開発競争をリードしている。国内の主要プレイヤーとして、採用管理クラウドやタレントマネジメントシステムへのAI導入を進め、企業の採用効率化や多様な人材アプローチのニーズに応える戦略だ。
持続的成長に向けた展望
リクルートホールディングスの事業ポートフォリオは、国内の強固な販促メディア基盤と、Indeedを中心としたグローバルHR Techの二つの柱に支えられている。海外事業の好調さは円安の影響も一部受けているものの、本質的にはM&Aを通じた確実な市場獲得と、その後の技術統合による競争優位性の確立に起因する。
今後も同社は、AI関連投資を継続的に拡大し、各事業のDXを推進することで、2026年3月期以降も収益拡大と利益率改善を目指す方針だ。グローバル市場における競争力を維持しつつ、国内外でのAI戦略を深度化できるかどうかが、リクルートが次なる成長フェーズへと移行するための最大の焦点となるだろう。