ポグバ、2年4カ月ぶり復帰もモナコは4-1惨敗 レンヌ戦で見えた光と影

ポグバ、2年4カ月ぶり復帰戦でモナコ惨敗 4-1 レース復帰の光とチーム再構築の影

【パリ発 2025年11月23日 共同】

フランス・リーグ・アン2025/26シーズンの第13節が23日に行われ、スタッド・レンヌとASモナコが激突した「レンヌ 対 モナコ」戦は、ホームのレンヌが4対1で大勝するという波乱の結果に終わった。この試合は、モナコに今季加入した元フランス代表MFポール・ポグバ（32）が、約2年4カ月（26カ月）ぶりとなる公式戦復帰を果たしたことで大きな注目を集めたが、チームの苦境を覆すには至らなかった。

復帰戦の舞台裏：ポグバ再始動、モナコは崩壊

長期の出場停止処分と負傷を経て、ついにベンチ入りを果たしたポグバ。その復帰が待たれる中、モナコは序盤からレンヌの猛攻にさらされた。

試合は前半20分、レンヌのアブデルハミド・ブードラルが先制点を奪う。さらに後半開始早々の48分にはマフディ・カマラが追加点を挙げ、レンヌが試合の主導権を完全に握った。

モナコ サッカーのファンが待ち望んだ瞬間は、試合中盤に訪れた。ポグバが途中出場を果たし、約2年ぶりにピッチに立ったのだ。しかし、彼の投入が流れを変えることはなく、レンヌはさらに83分、ルドヴィッチ・ブラスがPKを決め4-0とリードを広げた。

モナコは後半アディショナルタイム90+5分にマイカ・ビーレスが一矢報いるゴールを挙げたものの、時すでに遅く、最終スコアは4-1。モナコは連敗となり、リーグ・アンの上位争いにおいて大きな後退を強いられる結果となった。

試練を乗り越えたポグバ：キャリア継続への道筋

この日、ピッチに立ったポグバが辿った道のりは、決して平坦ではなかった。彼は2023-24シーズンにドーピング検査で禁止薬物（DHEA）が検出され、当初4年間の出場停止処分を受けていた。しかし、スポーツ仲裁裁判所（CAS）の判断により、意図的な違反ではないと認定され、処分期間が18カ月に短縮。これにより、今年3月に復帰が可能となり、今夏モナコへ移籍した。

関係者によると、ポグバは実戦から長期間離れていたにもかかわらず、チーム加入直後からロッカールームでリーダーシップを発揮し、チームの雰囲気を活性化させていたという。監督も彼の技術と経験を高く評価しており、この復帰戦以降、段階的に出場時間を増やしていく方針だ。

しかし、今回の「レンヌ 対 モナコ」戦での大敗は、ポグバ個人の復帰という明るいニュースがあったにもかかわらず、チーム全体のパフォーマンスが深刻な課題を抱えていることを浮き彫りにした。

モナコが抱える構造的な課題：南野の貢献と若手の成長

モナコFCは昨シーズン、リーグ・アンで3位という好成績を収め、来季の欧州チャンピオンズリーグ（CL）出場権を獲得するなど、近年躍進を遂げてきた。その背景には、積極的な戦力補強と、若手選手の育成、そしてベテランとの融合が挙げられる。

特に、日本代表MF南野拓実は今季も攻撃陣の中心として活躍し、リーグ戦で複数得点を記録するなど、モナコ サッカーにおいて欠かせない存在となっている。監督は、南野やポグバといった経験豊富な選手のリーダーシップの下、若手選手を積極的に起用し、チーム全体の底上げを図ってきた。

しかし、今回のレンヌ戦での守備の崩壊は、チームの攻守のバランス、特に若手とベテランが融合しきれていない未熟さを露呈した形だ。

今後の展望：CL出場権維持とポグバの完全復活

今回の敗戦は、モナコにとって今後のリーグ戦の順位に大きな影響を与える可能性が高い。モナコは来季のCL出場を見据えて、さらなる戦力補強とチーム戦術の成熟が急務となる。

ポグバの復帰は、チームに大きなエネルギーをもたらすことは間違いないが、彼自身も長期離脱によるコンディション調整という課題を抱えている。今後、彼が完全にフィットし、かつてのワールドクラスのパフォーマンスを取り戻せるかが、モナコの巻き返し、そして欧州での躍進の鍵を握ることになるだろう。

「ポグバの復帰」という希望の光が射した一方で、「レンヌ 対 モナコ」戦の大敗は、モナコ サッカーの厳しい現実を突きつけた。チームは、この試練を糧に、いかにして再構築を果たすのか。今後のリーグ・アンでの動向に注目が集まる。

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