おぎやはぎ「低姿勢」戦略の深層:「褒め合い芸」と絶妙な距離感が拓く芸能界の新境地
ニュース要約: お笑いコンビおぎやはぎは、「低姿勢」と「褒め合い芸」という独自のスタイルで芸能界のトップランナーとして君臨。健康不安説を払拭し、変わらぬ活動を続けている。彼らの戦略的な「NO.2」ポジションと絶妙な距離感が、現代の人間関係のモデルともなり、ラジオでは社会の「炎上」現象にも斬り込む「ニュータイプ兄貴」としての役割を果たしている。
おぎやはぎ:「低姿勢」が拓いた芸能界の新境地—「褒め合い芸」と戦略的「距離感」の深層
(2025年11月21日付)
芸能界において、独自のスタンスで長年にわたりトップランナーとして君臨し続けるお笑いコンビ、おぎやはぎ。小木博明氏と矢作兼氏の二人が織りなす「脱力系」の芸風は、激しい競争の只中にあるテレビやラジオの世界で異彩を放っている。近年、一部で囁かれたコンビの健康不安説については、最新の活動状況や番組での精力的な発言から、根拠のない憶測として完全に払拭されており、両氏は健康面で問題なく活動を継続している。彼らの人気の核心は、単なる笑いを提供するだけでなく、その戦略的な「低姿勢」にある。
異彩を放つ「低姿勢」芸風の深層:「褒め合い芸」の心地よさ
おぎやはぎの芸風を語る上で欠かせないのが、「低姿勢」と称される独特のスタイルだ。これは従来の漫才における「ボケとツッコミ」の対立構造ではなく、「互いを褒め合い、高め合う」という「褒め合い芸」を基盤としている。
結成26年目を迎えた今もなお、楽屋での関係性がそのまま芸に反映されているため、視聴者やリスナーには「心地よさ」や「安心感」を与える。この「仲良しコンビ」としての自然体こそが、彼らが「元祖・仲良しコンビ」と呼ばれる所以である。彼らの笑いは、大声を上げたり、誰かを否定したりするものではない。まったりとしたスローテンポで、時間をかけて「ジワジワ笑い」を誘う「脱力系」であり、視聴者に肩の力を抜かせる効果を持つ。テレビ番組やラジオでも、その「癒し系」としての存在感は重宝されている。
戦略としての「NO.2」ポジションと「距離感のバツグンさ」
彼らの「低姿勢」は、単なる謙虚さではなく、芸能界におけるポジション取りの巧みさにあると分析される。彼らは意識的に「NO.2」の立場を選択し、常に「仲間の世話役」や「和を保つ役」として振る舞う。この「信頼してるけど、期待はしてない」という絶妙な「距離感のバツグンさ」が、芸人としての余裕と柔軟性を生み出している。
テレビの「ひな段」でも、他の芸人が騒ぎ立てる中で、あえて口を閉ざし、笑う場面で無表情を貫くなど、従来の芸人像とは一線を画す存在感を発揮。このスタイルは、芸能界全体の「潤滑油」として機能し、「上からも下からも好かれる」という稀有な地位を確立した。「ニュータイプ兄貴(パーソナリティー)」と呼ばれるなど、その影響力は若手芸人の間にも及び、「人間関係、『一定の距離』を保ったほうがいい」という意識を広げつつある。
社会の「炎上」と向き合うラジオの独自性
彼らの活動の柱の一つが、毎週木曜深夜に放送されるTBSラジオ『JUNK おぎやはぎのメガネびいき』だ。この番組では、エンターテインメントに留まらず、現代社会の病理ともいえるソーシャルネットワーク上での「炎上」現象に対し、彼らは独自の対策を講じている。
番組内では、「メディアやソーシャルネットワークでの不適切な発言から生じる世の中の無駄な炎上を防ぐ」ことを目的に、「これから起こりそうな炎上発言」を予想するコーナーを設け、社会的な話題に対して独特のアプローチを取っている。
矢作兼氏は、この炎上現象について「前髪みたいなもん」というユニークな比喩を用いて説明しており、過熱する批判の風潮に対し、冷静かつ達観した視点を提示する。また、2025年11月の放送では「流行語クイズ対決」を実施するなど、時事ネタを柔軟に取り込みながらも、常に「誰かを傷つけない」という一線を守り続けている。彼らは、芸能界の憶測やトラブルが飛び交う中でも、「憶測が憶測を呼んでいいのか」と問いかけ、冷静な議論を促す役割も担っている。
結び:変わらぬスタンスが示す存在意義
「褒め合い芸」を核とし、「距離感のバツグンさ」を武器とするおぎやはぎの「低姿勢」芸風は、単なる笑いを超え、現代社会における人間関係の理想的なモデルを提示しているとも言える。健康不安説を打ち消し、今後もラジオやテレビで独自の存在感を放ち続けるであろう彼らの動向は、混迷する芸能界において、今後も注視されるべき「ニュータイプ兄貴」としての役割を担い続けるに違いない。彼らの変わらぬスタンスは、視聴者に「安心感」という最高のエンターテインメントを提供し続けている。