エヌビディア決算、売上高650億ドルの大台へ。Blackwellが主導するAIスーパーサイクルの行方
ニュース要約: 米エヌビディアは2月25日夕、2026会計年度第4四半期決算を発表します。次世代GPU「Blackwell」の本格出荷を背景に、売上高は前年比67%増の656億ドルに達する見通しです。市場は期待値を上回る成長や粗利益率の維持、そしてAI需要の持続性に注目しており、その結果は世界の半導体株やナスダック市場の動向を左右する極めて重要な局面となります。
【シリコンバレー=共同】 米半導体大手エヌビディア(NVIDIA)は米国時間2月25日夕(日本時間26日早朝)、2026年会計年度第4四半期(2025年11月〜26年1月期)決算を発表する。生成AI(人工知能)ブームの牽引役として、世界の株式市場の命運を握る同社の決算は、市場コンセンサスで売上高が前年同期比約67%増の656億ドル(約9兆8000億円)規模に達する見込みだ。
次世代GPU「Blackwell(ブラックウェル)」の本格出荷が業績を押し上げる「AIスーパーサイクル」の持続性に期待がかかる一方、市場の関心は「期待値」をどれだけ上回れるか、そして供給網の制約や競合の影響がエヌビディア 株価にどう波及するかに集まっている。
売上高650億ドルの大台へ、Blackwellが成長を主導
今回のnvidia 決算における最大の焦点は、データセンター部門の爆発的な成長だ。市場予想では、同部門の売上高だけで約600億ドルに達するとみられている。これは同社の総売上高の約9割を占める計算だ。
成長の原動力は、2024年後半から量産が開始された新世代アーキテクチャ「Blackwell」だ。米マイクロソフト、アマゾン、グーグル、メタといった「ハイパースケーラー」と呼ばれる巨大IT各社は、2026年のAIインフラ投資に総額6800億ドル規模を投じる計画を立てており、その需要をエヌビディアが独占に近い形で取り込んでいる。
また、今回の決算では、次々世代プラットフォーム「Rubin(ルビン)」の進捗や、AIエージェントの普及に伴う推論用需要の拡大についても、ジェン・スン・ファンCEO(最高経営責任者)から何らかの言及があるかが注目される。
成長の影に潜む「期待値」の壁と利益率の攻防
圧倒的な成長を続けるエヌビディアだが、投資家が注視しているのは「増収増益」そのものではなく、その「質」だ。同社は過去8四半期連続で、市場の売上高予想を毎回13億ドル以上上回るサプライズを提供してきた。
市場が期待する非GAAP粗利益率は75.0%前後だが、HBM(高帯域幅メモリー)の価格上昇や、新型チップへの移行に伴うコスト増が利益率を押し下げるリスクも指摘されている。仮に利益率が70%台前半にとどまるようなガイダンス(先行き見通し)が示されれば、割高感が意識され、株価の調整局面を招く可能性も否定できない。
さらに、米中間の地政学的リスクや輸出規制の動向、競合する米AMDの追い上げといった要因も、中長期的な不透明感として投資家の心理を冷え込ませている。
株価は「ブルトラップ」か、それとも新高値への跳躍か
決算直前のエヌビディア 株価は193ドル付近で推移しており、重要な抵抗帯である195ドルの突破をうかがう展開となっている。2月半ばからは上昇基調にあるものの、市場の一部からは「投資家をおびき寄せる『ブルトラップ(だまし上げ)』ではないか」との警戒感も漏れる。
楽天証券などの国内アナリストは、好調なBlackwell需要を背景に目標株価を210ドルに引き上げるなど強気姿勢を崩していないが、オプション市場では決算後の株価の乱高下に備える動きが強まっている。
ポジティブなガイダンスが示された場合、ハイテク株比率の高いナスダック市場やフィラデルフィア半導体株指数(SOX)全体に強気の連鎖が広がるだろう。一方で、わずかでも成長の鈍化が示唆されれば、パランティアなどのAI関連銘柄を含めたセクター全体に冷や水を浴びせることになりかねない。
投資家への還元と将来への布石
エヌビディアは、AI事業への巨額投資と並行して、積極的な株主還元も継続している。直近では600億ドルの自社株買い枠を追加承認しており、2026年度第3四半期までの累計で370億ドルを株主に還元した。配当は1株当たり0.01ドルと低水準に据え置かれているが、投資家は配当よりも自社株買いによる株価の支えを評価している。
「AIは一過性のブームではなく、産業構造の不可逆的な変化だ」。そう語るファンCEOの言葉を、今回の決算数値が再び裏付けることになるのか。26日早朝の発表を受け、東京市場のアドバンテストや東京エレクトロンといった半導体関連株も大きな影響を受けることは必至だ。世界が固唾をのんで、シリコンバレーからの「信託」を待っている。
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