NewJeans「分裂」確定：ヘリン・ヘインのADOR電撃復帰で5人体制は終焉へ

NewJeansに「分裂」の波：ヘリン、ヘインがADORに電撃復帰、5人体制の「終焉」が示唆するK-POP新章

導入：泥沼化する紛争の渦中で下された決断

2025年11月、K-POP界に激震が走った。世界的な人気を誇るガールズグループ、NewJeans（ニュージーンズ）のメンバーであるヘリン（HAERIN）とヘイン（HYEIN）の二人が、所属レーベルADOR（アドア）への活動復帰を公式に表明したのだ。

これは、2024年末からグループとレーベル、そして親会社HYBEの間で繰り広げられてきた専属契約を巡る法廷闘争、そしてグループ名改名（NJZ）を伴う事実上のメンバーの一部独立騒動に終止符を打つ、極めて重要な動きである。しかし、この復帰はグループの「安泰」を意味するのではなく、むしろ残るメンバーとの間に決定的な亀裂を生じさせ、NewJeansの未来の不透明さを一層深めている。

第1章：判決を尊重、ヘリンとヘインの「電撃復帰」

ADORは11月12日、ヘリンとヘインが家族との十分な協議を経た上で、ADORと専属契約を継続していく決断を下したと発表した。この背景には、一連の紛争において裁判所がADOR側の主張を支持し、メンバー側の独立的な活動を認めなかった判決が存在する。二人は「裁判所の判決を尊重し、専属契約を順守する」という形で、グループ内でも異なる方向性を示すこととなった。

NewJeansは2022年8月のデビュー以来、「NewJeans流」と称されるレトロかつ洗練されたスタイルと音楽性で世界を席巻し、日本においても『第65回日本レコード大賞』で優秀作品賞を獲得するなど、その影響力は計り知れない。それだけに、この度のメンバーの動向は、ファン「Bunnies」のみならず、業界全体に大きな衝撃を与えている。

第2章：「NJZ」構想の終焉と残るメンバーの動向

このヘリンとヘインの復帰劇は、今年春に持ち上がった「NJZ」への改名および新曲リリース計画を事実上、終焉に導くものと見られる。

2025年3月、NewJeansの一部メンバーは、ADORとの対立が深まる中でグループ名を「NJZ」に変更し、新体制でのカムバックを試みていた。これは、グループの存続に関わる重大な岐路であり、ファンからは活動継続の喜びとともに、グループの分裂を懸念する声も上がっていた。

しかし、今回ヘリンとヘインがADORへの復帰を決めたことで、グループ内の意思統一が崩壊した形だ。残るメンバー、ミンジ、ハニ、ダニエルが今後どのような決断を下すのか、引き続きADORとの法廷闘争を続けるのか、あるいは二人に追随して復帰するのか、その動向は現在も不透明なままだ。

第3章：ユニット活動か？ADORが描く「第二章」戦略

ADOR側は、ヘリンとヘインの復帰を機に、NewJeansのブランド価値を維持しつつ、新たな活動形態を模索する戦略を打ち出している。

情報筋によると、ADORは当面、復帰した二人のメンバーを中心にユニット活動や、これまで通りグローバルなブランドアンバサダーとしての活動を継続させる方針だという。NewJeansが持つファッション業界への影響力は依然として強く、2025年のデニムトレンド（バレルレッグやバギーデニム）を牽引するなど、ジェネレーションZの文化的な象徴であり続けている。

ADORは、この揺るぎないブランド力をテコに、限定版リリースやファッションコラボレーションを強化し、グローバル市場での存在感を維持しようと試みている。しかし、これは「5人完全体」を望む多くのファンにとって、複雑な心境を強いる状況だ。

結論：不確実性の中のK-POP最前線

2025年11月現在、NewJeansは、K-POP史上稀に見る「メンバー間の分裂」という難局に立たされている。ヘリンとヘインのADOR復帰は、グループの活動継続を可能にする一方、残る3人のメンバーとの間に決定的な亀裂を生んだ。

K-POPの成長は、アイドルグループの持つ「完璧なチームワーク」と「結束力」に支えられてきた側面が大きい。今回のNewJeansのケースは、その根幹を揺るがす出来事と言えるだろう。ADORがヘリン、ヘインを軸にどのようにしてグループの未来を再構築していくのか、そして残る3人がどのような道を選ぶのか――。年末の授賞式シーズンを前に、NewJeansの動向は、K-POPの新たな時代を占う試金石となるに違いない。