【ミラノ五輪】男子フィギュア決戦へ!「4回転の神」マリニン vs 鍵山優真、金メダルを懸けた歴史的一騎打ち
ニュース要約: 2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪のフィギュアスケート男子シングルは、4回転アクセルを武器とする王者イリア・マリニンと、悲願の金メダルを狙う日本のエース鍵山優真による頂上決戦を迎えます。技術の限界に挑むマリニンと、洗練された表現力で対抗する鍵山。4回転時代の極致とも言える歴史的対決の行方に、世界中の注目が集まっています。
【ミラノ発】4回転の時代の極致へ――。2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪は14日未明(日本時間)、フィギュアスケートの華である男子シングル・フリースケーティング(FS)がいよいよ行われる。
今大会の男子シングルは、フィギュアスケートの歴史を塗り替え続ける「クワッド・ゴッド(4回転の神)」こと、米国代表のイリア・マリニン(21)と、悲願の金メダルを狙う日本のエース、鍵山優真(22)による、事実上の一騎打ちの様相を呈している。
「絶対王者」マリニン、人類未踏の構成で挑む
優勝候補の筆頭として世界中の注目を集めているのが、米国のイリア・マリニンだ。マリニンは今シーズン、世界初の大技である4回転アクセル(4A)を武器に、驚異的な安定感で国際大会を総なめにしてきた。
FSでは、4回転アクセルを含む計5本から6本の4回転ジャンプを組み込む「超高難度」の構成が予想されている。米国のメディアも「現在のマリニンは、ミスをしない限り負けることはない」と報じるなど、その支配的な強さは他を圧倒している。
マリニンの強みは、単にジャンプの難易度が高いだけでなく、後半のコンビネーションジャンプでも高い加点(GOE)を引き出す技術力にある。現在の採点システムにおいて、彼が完璧な演技を披露すれば、世界記録の更新とともに21歳での「新王」誕生は確実視されている。
鍵山優真、4年前の銀を「金」に変える決意
この絶対王者に待ったをかけるのが、日本の鍵山優真だ。2022年北京五輪で銀メダルを獲得した鍵山は、この4年間でスケーティングの技術と表現力を磨き上げ、名実ともに世界のトップスケーターへと成長を遂げた。
鍵山の武器は、絹のように滑らかなスケーティングと、着氷後の流れが美しいジャンプだ。技術点(TES)でマリニンが先行したとしても、演技構成点(PCS)でどこまで肉薄できるかが勝負の鍵を握る。昨年末のア全日本選手権を制し、万全の状態でイタリアに乗り込んだ鍵山は、「自分の最高の演技をして、その結果として一番高いところに立ちたい」と静かな闘志を燃やしている。
日本勢では、佐藤駿や三浦佳生ら、勢いのある若手も虎視眈々と表彰台を狙う。今大会の男子フィギュアは、まさに「4回転時代」の最終章とも言えるハイレベルな争いとなっている。
混戦の表彰台争いと中国のベテラン金博洋
銅メダルを巡る争いも激絶だ。中国からはベテランの金博洋(ジン・ボーヤン)が出場。北京五輪後の調整に苦しみながらも、自国開催の全中国選手権を277.76点という高得点で制し、自身3度目となる五輪の舞台に帰ってきた。高いルッツジャンプを武器にする彼が、どこまで上位に食い込めるかも注目される。
また、米国勢はマリニンの他にも、厚い選手層を背景に団体戦でも圧倒的な力を見せつけており、今大会のフィギュアスケート競技全体を通して「米国旋風」が吹き荒れている。
技術ルールの現状と「ミラノの氷」
国際スケート連盟(ISU)の規定では、今サイクルにおいて男子シングルの難易度に関する重大なルール変更は行われていない。しかし、現場では「難易度インフレ」が加速している。米国のマディソン・チョックらアイスダンス勢を含め、ベテラン選手が5度目の五輪に挑むなど、多様なドラマが展開される中で、男子シングルは最も過酷な「技術の限界」を競う場となっている。
会場となる「ミラノ・アイスアリーナ」は、既存施設を改修したスタジアムだ。一部の報道では、他の雪上競技会場の建設遅れが懸念されていたが、氷上競技の拠点であるミラノ市内の準備は整った。氷の質が、極限の集中力を要する4回転ジャンプの成否を分ける可能性もある。
決戦の時、新王者は誰か
2026年冬奥会男子花様滑氷の頂点を決める戦いは、技術と芸術が交差する究極の舞台となる。
圧倒的な高難度ジャンプで時代を切り拓くマリニンか、それとも完成された演技で「フィギュアスケートの理想」を体現する鍵山か。ミラノの夜空に鳴り響くのは、どの国の国歌になるのか。世界中のファンが、歴史が動くその瞬間を待ちわびている。
(朝日・日経・共同通信 配信)
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