九州自動車道で事故相次ぐ、冬季の「ブラックアイス」に警戒を—安全対策と走行の注意点
ニュース要約: 12月に入り九州自動車道で重大事故が続発しています。18日には八代市で8台が絡む多重衝突が発生し通行止めとなりました。冬季特有の路面凍結「ブラックアイス」現象がリスクを高めており、物流や高速バスにも影響が出ています。NEXCO西日本や警察は、冬用タイヤの装着や車間距離の確保、トンネル出入口での減速など、年末年始に向けた安全運転を強く呼びかけています。
九州自動車道で相次ぐ事故、冬季の路面管理と安全対策が課題に
熊本県八代市・12月18日——九州自動車道で今月に入り、重大事故が相次いで発生している。18日午前11時頃には熊本県八代市の原女木トンネル付近の上り線で大型トラックを含む8台が関係する多重衝突事故が発生し、5人から6人が負傷して病院に搬送された。この事故により、八代インターチェンジ(IC)から人吉IC間の上下線が通行止めとなり、南九州西回り自動車道の八代ジャンクション(JCT)から八代南IC間も規制が敷かれた。NEXCO西日本によると、18日午後の時点で通行止めは継続しており、復旧の見通しは立っていない。
事故の発生は18日だけではない。17日午後8時半過ぎには福岡県八女市今福付近の下り線で、スポーツカータイプの乗用車が単独でガードロープと中央分離帯に衝突し大破、乗員の田中碧さん(19)が死亡した。また、12日には熊本県甲佐町の上り線で車3台が絡む追突事故が発生し、20代の男性が死亡している。わずか1週間の間に3件の重大事故が発生した形だ。
冬季特有のリスクが浮き彫りに
12月中旬に入り、九州地方でも朝晩の冷え込みが厳しさを増している。気象庁のデータによると、熊本県内の山間部では最低気温が氷点下近くまで下がる日も出始めており、路面凍結のリスクが高まっている時期だ。NEXCO西日本は冬季の路面管理として除雪作業や凍結防止作業を実施しているが、トンネルの出入口や日陰になりやすい山間部では、路面が一見乾いているように見えても局所的に凍結している「ブラックアイス」と呼ばれる現象が発生しやすい。
OAB大分朝日放送の報道によると、昨年度の冬季には九州自動車道で通行止めが合計19時間、冬用タイヤ規制が合計95時間に及んだという。特に大分自動車道の日田ICから日出JCT間、東九州自動車道の中津ICから別府IC間などは冬季に警戒が必要な区間とされている。NEXCO西日本九州支社の担当者は「トンネル出入口や橋梁部、日陰になる区間は特に注意が必要。気温が上がっても路面の一部が凍結したままのケースもある」と説明する。
高速バスや物流にも深刻な影響
今回の一連の事故は、高速バスの運行や物流にも深刻な影響を及ぼしている。18日の八代市での多重衝突事故では、現場に大型トラック複数台が巻き込まれており、九州道全体の物流輸送に大幅な遅延が発生した。福岡近辺を発着する高速バスも広川ICから八女IC付近で迂回運行を余儀なくされ、到着遅延が相次いだ。
高速バス事業者の関係者は「通行止めの情報が入ると、すぐに迂回ルートを検討するが、一般道も渋滞するため大幅な遅れは避けられない。特に冬季は余裕を持った運行計画が必要だ」と話す。物流業界でも、年末の繁忙期と重なり配送遅延への懸念が広がっている。
冬季走行、ドライバーへの注意喚起強まる
相次ぐ事故を受けて、警察やNEXCO西日本はドライバーに対する注意喚起を強化している。特に冬季の高速道路走行では、以下の点が重要とされる。
まず、冬用タイヤまたはチェーンの装着だ。NEXCO西日本は気象条件に応じて冬用タイヤ規制を実施しており、規制区間では未装着車両は通行できない。規制情報は刻々と変わるため、出発前に必ず確認することが求められる。
次に、速度と車間距離の確保である。凍結や積雪で路面の摩擦係数が低下すると、制動距離は通常の数倍に延びる。急ブレーキや急ハンドルは車両のコントロールを失う原因となるため、十分な速度抑制と車間距離の確保が不可欠だ。
また、トンネル出入口や日陰区間では特に注意が必要とされる。これらの場所は日光が当たらず路面温度が上がりにくいため、他の区間が乾いていても凍結している可能性が高い。NHK福岡放送局の報道でも、冬季事故の多くがこうした局所的な凍結箇所で発生していると指摘されている。
さらに、除雪や凍結防止の作業車両が出動している場合は、車線変更や追い越しを控え、作業員の指示に従うことが重要だ。NEXCO西日本は今冬も除雪車両や凍結防止剤散布車を配備し、24時間体制で路面管理に当たっている。
事故原因の究明と再発防止へ
一連の事故について、警察は事故原因の詳細な調査を進めている。12日の甲佐町での追突事故では、パンクで停車していたトラックに後続車が追突したことが発端とされているが、なぜ停車車両に気づかなかったのか、視界や速度に問題がなかったかなど、詳しい状況を捜査中だ。17日の八女市での単独事故についても、車両の速度や運転者の状態、路面状況などを総合的に調べている。
18日の原女木トンネル付近での多重衝突事故については、現場がトンネル区間であることから視界や速度、車間距離などが事故の要因となった可能性がある。熊本県警高速道路交通警察隊は「多重衝突事故では最初の衝突がどのように発生したかが重要。先頭車両の状況や後続車の車間距離など、詳細に調べている」としている。
冬季の高速道路事故を防ぐため、NEXCO西日本は今後もリアルタイムの交通情報提供や、危険箇所での注意喚起表示の強化を進める方針だ。同社広報担当者は「冬用タイヤの装着や速度抑制など、基本的な対策の徹底をお願いしたい。通行止めや規制情報は当社のウェブサイトやJARTIC(日本道路交通情報センター)で随時更新しているので、出発前と走行中に必ず確認してほしい」と呼びかけている。
年末年始を控え、九州自動車道の交通量は今後さらに増加する見込みだ。ドライバー一人ひとりが冬季特有のリスクを認識し、安全運転を心がけることが、事故防止の鍵となる。
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