くら寿司、ヒロアカコラボで年末商戦に挑む!限定グッズで若年層を取り込む「体験価値」戦略
ニュース要約: くら寿司は人気アニメ『僕のヒーローアカデミア』とのコラボを11月28日から12月31日まで実施。FINAL SEASON放送記念として、期間を3弾に分け、ビッくらポン!景品や限定クリアファイルなどのオリジナルグッズを投入し、複数回の来店を促します。原材料費高騰の中、「体験価値」提供による若年層の集客と年末商戦の売上向上を狙う戦略に注目が集まっています。
くら寿司×ヒロアカコラボ、年末商戦の起爆剤に 限定グッズで若年層を取り込む新戦略
回転寿司大手のくらコーポレーション(大阪府堺市)が運営する「くら寿司」は28日から、人気アニメ『僕のヒーローアカデミア(ヒロアカ)』とのコラボレーションキャンペーンを全国店舗で開始する。同作品のFINAL SEASON放送を記念した企画で、12月31日までの期間限定で実施。外食業界の年末商戦が本格化する中、人気コンテンツとの連携による集客強化策として注目を集めている。
3段階で展開する限定グッズ戦略
今回のコラボでは、期間を3弾に分けて異なる限定グッズを順次投入する。第1弾(11月28日~)、第2弾(12月12日~)、第3弾(12月26日~)と段階的に新商品を展開することで、複数回の来店を促す仕組みだ。
主な景品は、同社独自のゲーム機能「ビッくらポン!」で当たるラバーアクセサリーや缶バッジ(全21種)、マグネットシート(全10種)など。さらに、税込2500円以上の会計ごとにクリアファイルや描き下ろしアクリルスタンドがもらえる特典も用意した。くら寿司でしか手に入らない限定ビジュアルを多数採用し、コレクター心理を刺激する戦略となっている。
「体験価値」重視のマーケティング
くら寿司がヒロアカとのコラボを実施するのは、2021年、2024年に続き3回目。単なる低価格路線ではなく、「体験価値」の提供に軸足を移すマーケティング戦略の一環だ。
外食産業に詳しいアナリストは「人気アニメとのコラボは、若年層とファミリー層の来店動機を高める効果がある。特にSNSでの拡散力が強く、自然な形での宣伝になる」と指摘する。実際、同社はTikTokなどのSNSを活用したプロモーションを強化しており、若年層に「映える」体験を提供することでユーザー生成コンテンツ(UGC)の創出を狙う。
品切れ必至、早期来店を呼びかけ
ただし、すべての景品は数量限定で、なくなり次第終了となる。特に人気キャラクターのグッズは早期に品切れとなる可能性が高く、同社も早めの来店を呼びかけている。なお、持ち帰りや出前サービスは今回のキャンペーン対象外となる。
回転寿司業界では、原材料費の高騰や人件費の上昇が経営を圧迫する中、いかに客単価を上げながら来店頻度を維持するかが課題となっている。くら寿司の今回の取り組みは、定期的なキャラクターコラボによって「行かなければならない理由」を作り出し、リピート率向上を図る戦略といえる。
年末年始の外食需要が高まる時期に合わせた今回のコラボキャンペーンが、同社の売上にどれほど寄与するか、業界関係者の注目が集まっている。