【WBC】「打線に欠かせない、不変の軸」近藤健介、本番直前の覚醒 井端ジャパンの“最強打線”を牽引する職人の眼光
ニュース要約: 第6回WBC開幕を控え、侍ジャパンの近藤健介が強化試合で2安打1打点と躍動。故障を乗り越え、驚異の修正能力と選球眼で「最強打線」の核として仕上がりを見せました。井端監督も全幅の信頼を寄せる職人が、6日の台湾戦に向け世界の頂点を狙います。
【WBC】「打線に欠かせない、不変の軸」近藤健介、本番直前の覚醒 井端ジャパンの“最強打線”を牽引する職人の眼光
【2026年3月4日 共同・日本経済新聞】
第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の開幕を2日後に控えた3日、侍ジャパンの「最強打線」の核となる男が、これ以上ない形で仕上げてきた。京セラドーム大阪で行われた阪神タイガースとの強化試合。福岡ソフトバンクホークスの近藤健介外野手(32)が、2安打1打点と躍動、井端弘和監督に「本番は大丈夫」と言わしめる確かな手応えを掴んだ。
「引っ張り」から「センター返し」へ、驚異の修正能力
昨日の練習試合まで、近藤の打球にはわずかな狂いが生じていた。本人の言葉を借りれば「引っ張り傾向」にあった。しかし、稀代のヒットメーカーにとって、その微調整は造作もないことだったようだ。
「昨日までは少し体が早く開いていた。今日はセンター方向を意識して打席に入った」
その言葉通り、この日の試合では中軸らしい鋭い当たりをセンター付近に集めた。第2打席では変化球を芸術的なバットコントロールで捉え、打点を挙げる活躍。近藤は「イメージばっちり」と、自信に満ちた表情で振り返る。井端監督も「1番でも2番でも、彼のやるべきことは変わらない。打線のキーマンとしてこれほど心強い存在はいない」と、全幅の信頼を寄せる。
故障を乗り越えた「不屈の天才」
近藤にとって、このWBCの舞台に立つまでの道のりは決して平坦ではなかった。昨シーズンは腰椎椎間板ヘルニアの手術、左かかと痛、左脇腹痛と、相次ぐ故障に見舞われた。一時はコンディションを不安視する声も上がったが、驚異的な回復力で復帰。「全試合出場を目指し、体の動かし方を一から変えた」というオフのストイックな取り組みが実を結び、現在の体重は85kgから87kgと、理想的な数値を維持している。
ホークス移籍後、それまでの「アベレージヒッター」という枠を超え、本塁打王と打点王、さらにはMVPまで獲得した近藤。パ・リーグの三冠王争いの常連となったその打棒は、国際舞台でも異彩を放つ。150キロを超える速球に対しても、昨季までのデータでは.366という驚異的な打率を記録しており、メジャー級の剛腕が揃うWBC本番でも「近藤の出塁」が日本の得点パターンの生命線となることは間違いない。
継承される「侍の精神」
近藤の役割は、グラウンド上のプレーにとどまらない。今回の代表チームでも、若手選手たちから羨望の眼差しを向けられる存在だ。2月の宮崎キャンプでは、手締めの大役を務め、「全身全霊で世界一を獲りにいく」と宣言した。
ファンとの交流も大切にする。今年1月には福岡県内でトークショーを行い、自主トレ先の鹿児島県天城町からはライブ配信を実施。ファン一人ひとりに勝利を誓う姿は、技術だけでなく精神面でもチームの支柱であることを印象付けた。
6日、台湾戦に向けた最終調整
侍ジャパンは、6日に台湾との初戦を迎える。近藤は「1番も2番も、役割は変わらない。後ろに繋ぐこと、そして自分で決めることの両方を準備したい」と意気込む。
選球眼、長打力、そして勝負強さ。現代野球における「理想の打者像」を体現する近藤健介が、日の丸を背負い再び世界の頂を狙う。その一振り一振りが、日本の野球ファンを興奮の渦へと巻き込む準備は整った。
(文:スポーツ部特別取材班)
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