カンテレ「よーいどんフェス」大盛況:地域経済を牽引する番組ライブ化とファン交流の成功戦略
ニュース要約: 関西テレビの「よーいどんフェス」が4日間で大盛況の内に閉幕。約50店舗の絶品グルメと、出演者との「超ふれあい」を実現した地域密着型イベントは、番組の信頼性を活用して地域経済に貢献。ローカルメディアによる体験型イベントの新たな成功モデルを確立した。
関西テレビ「よーいどんフェス」熱狂の四日間:地域密着型イベントの「ライブ化」が拓く経済効果と新たな交流モデル
(大阪発 2025年11月24日 共同通信)
関西テレビの看板番組『よ~いドン!』と『旬感LIVE とれたてっ!』が強力なタッグを組み、2025年11月21日から24日までの四日間にわたり開催された大型イベント「カンテレ祭り!2025 よ~いドン!&とれたてっ!フェス」(通称:よーいどんフェス)が、大阪・扇町公園およびカンテレ扇町スクエア周辺で大きな熱狂を生み出し、閉幕した。約50店舗の番組紹介グルメが集結し、出演者と来場者が一体となった「超ふれあい」を標榜した本フェスは、テレビ番組のリアルイベント化における成功事例として、地域経済への波及効果と住民の満足度向上という二つの側面で高い評価を得ている。
50店舗の「絶品グルメ」が集結、地域経済を牽引
今回のよーいどんフェスの成功を支えた最大の柱は、「食」の力だ。会場には、番組内で紹介された関西各地の絶品グルメやスイーツを提供する約50店舗が出店。来場者は、普段テレビ画面越しに見ていた料理を実際に味わうことができるとあって、連日、多くの来場者が詰めかけ、人気店には長蛇の列ができた。
この大規模な飲食ブースの集結は、単なるファンサービスに留まらず、地域経済に対し直接的な波及効果をもたらした。飲食売上の増加はもちろん、出店した地元飲食店や食材生産者にとっては、関西広域での新たなPR・販路拡大の機会となり、地域ブランド価値の向上にも寄与した。関西テレビは、長年培ってきた地域ネットワークと番組の信頼性を活用し、地域密着型イベントを通じて消費拡大を促す、新たなビジネスモデルを提示したと言える。
「うんちくんフェス」に熱狂、出演者との近距離交流
本フェスのもう一つの成功要因は、テレビ番組の人気コーナーを「ライブ化」し、観客参加型へと昇華させた点にある。特に注目を集めたのは、ロザンがMCを務める人気コーナー「ロザンのうんちくん」のライブ版、「うんちくんフェス」だ。
普段はロザンがクイズを受ける側だが、フェスではロザンが来場者に直接クイズを出題し、正解者には豪華景品が贈呈されるなど、参加者が番組の「舞台裏」を体験できる演出が施された。また、出演者が客席に降りて観客と直接ふれあう「超ふれあい」企画が随所に盛り込まれ、MCの円広志氏が作詞・作曲したオリジナルソング「みんなで乾杯!」の出演者・来場者全員による合唱は、会場の一体感を最高潮に高めた。
こうした出演者主導の自由な演出は、来場者に「テレビでは見られない臨場感」を提供し、SNS上では「生で乾杯できて感動した」「クロちゃんやミャクミャクと会えた」といった、出演者との距離の近さを喜ぶ投稿が相次いだ。
舞台裏の公開と出演者の「熱意」
今回のよーいどんフェスは、単なる物販やステージイベントに留まらず、番組の制作過程そのものをファンに開放する試みも行った。フェス期間中には、番組スタジオ見学プランが実施されたほか、5時間半にわたる生放送特番の公開収録も敢行。ファンは普段立ち入ることができない「番組の舞台裏」を間近で体験し、番組への理解と愛着を深めた。
こうした企画の充実は、MC円広志氏の「お客さんともっとふれ合いたい」という強い熱意に裏打ちされている。出演者とファンとの距離を縮めたいという制作側の理念が、様々な参加型企画として具現化された結果、イベント全体に温かい「地元密着型」の雰囲気が醸成された。
しかしながら、熱狂的な来場者数に伴い、課題も浮き彫りになった。SNS上では「人気店の行列が長すぎて食べられなかった」「ステージの整理券が取れなかった」といった、混雑や待ち時間に関する指摘も見られた。
今後の展望:ローカルメディアの新たな可能性
よーいどんフェスは、関西テレビの看板番組が持つ長年の信頼と人気を、リアルな体験型イベントとして昇華させたことで、大きな成功を収めた。食とエンターテインメントを融合させ、出演者とファンが直接交流する場を提供することで、テレビの枠を超えた新たな価値を生み出したと言える。
次期開催に向けては、今回の成功を踏まえ、混雑対策や会場の動線改善、出演者との交流時間の確保などが求められる。ローカルメディアが地域経済の活性化と住民のエンゲージメント強化に貢献するモデルとして、よーいどんフェスが示した「食」と「交流」を軸としたライブイベントの可能性は大きく、今後の展開が注目される。