太極旗
2025年11月14日

サッカー日本代表アンバサダー「JI BLUE」のポスターが「太極旗」連想で炎上—日韓ビジネス戦略とナショナリズムの摩擦

ニュース要約: サッカー日本代表アンバサダー「JI BLUE」(JO1/INI)のプロモーションビジュアルが、韓国の太極旗を連想させるとして炎上。韓国資本との合弁企業所属という背景も相まって、ナショナルチームのブランディングを巡り激しい議論を呼んでいる。日本のエンタメ界におけるグローバル戦略と国内感情の摩擦が浮き彫りとなった。

サッカー日本代表アンバサダー「JI BLUE」の宣伝画像が「太極旗」連想で炎上—JO1河野純喜氏の起用を巡る日韓エンタメの複雑な構図

【2025年11月14日】

サッカー日本代表の公式アンバサダーを務めるスペシャルユニット「JI BLUE」(JO1とINIによる合同ユニット)が、そのプロモーションビジュアルを巡り、国内の一部ファンから激しい批判に晒されている。特に、JO1メンバーの河野純喜氏らを含むユニットのポスターデザインが、韓国の国旗である「太極旗(テグッキ)」を強く連想させるとして、「日本のナショナルチームのブランディングが侵されている」との論争が巻き起こっている。

太極旗を思わせる「四卦」の配置

炎上の焦点となったのは、JI BLUEの就任ポスターに用いられた背景デザインだ。視覚的には、白地の中に赤と青の円形(太極)に加え、四隅に配置された幾何学的な黒い線が、太極旗の象徴である「四卦」の構成に酷似していると指摘された。

アンバサダーに起用されたJO1とINIは、日本のアイドルグループでありながら、その所属事務所(LAPONEエンタテインメント)が韓国の大手エンタメ企業CJ ENMとの合弁事業であるという背景を持つ。この「韓国資本との関与」と「太極旗を連想させるデザイン」が結びつけられ、一部の愛国的ファンは強い不快感を表明。「国民の代表であるサッカーチームの公式な場に、なぜ他国の象徴を連想させるデザインが使われるのか」と、感情的な反発が噴出した。

グローバル戦略と国内感情の摩擦

この論争は、単なるデザインの是非を超え、日本のエンタメ界のグローバル化、特に韓国市場との連携の深さを巡る国内の複雑な感情を浮き彫りにしている。

JI BLUEのメンバーである河野純喜氏が所属するJO1は、デビュー以来「グローバルボーイズグループ」として活動し、2025年には初のワールドツアーを敢行するなど、積極的に韓国を含む海外市場への進出を図っている。韓国語楽曲の披露や、韓国最大級の音楽授賞式「MAMA AWARDS」への出演など、彼らの活動は日韓の境界をまたぐ戦略に基づいている。

こうした背景から、今回のポスターデザインに対しても、制作側が意図的に国際的な要素を取り入れた、あるいは、グローバルなビジネス戦略を優先した結果ではないか、という憶測が生まれている。

しかし、ナショナルチームのアンバサダーという「国威」に関わる立場において、そのグローバル戦略が「韓国資本」や「太極旗連想」として国内の一部層に受け止められた時、摩擦が生じるのは避けられない。サッカーファンや既存のアイドルファンからは、推しへの過剰な批判や、政治的な問題がアイドル活動に持ち込まれることへの疲弊も見られ、議論は冷静さを欠いている状況だ。

表現の自由と歴史的配慮のジレンマ

デザインの意図について、JFAやデザイナー側から「意図的に韓国国旗を模したものではない」との見方が示される可能性もある。デザインが示すスピード感や統一感を表現する過程で、たまたま太極旗の要素に近接してしまった、という解釈も成り立ちうる。

しかし、結果的に強い違和感を抱く日本人が多数存在したことは事実であり、この事例は、国際的な活動を展開する日本のエンタメ関係者が、表現の自由を追求しつつも、日韓の歴史的・政治的なセンシティブな感情に対し、いかに繊細な配慮が求められるかを示す重い教訓となった。

日本のエンタメが国境を越え、影響力を拡大していく中で、こうしたナショナルな感情と、グローバルなビジネス戦略のバランスをどう取るか。河野純喜氏らの起用を巡る今回の炎上は、今後の日本エンタメ界が直面し続ける課題を象徴している。(958文字)

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