市川團十郎が愛娘・ぼたんに託す「継承と革新」——成田屋の未来を担う14歳の覚悟と輝き
ニュース要約: 十三代目市川團十郎と長女・市川ぼたん、長男・新之助による親子共演が注目を集めています。伝統ある成田屋の重責を担いつつ、ドラマやファッション界でも活躍するぼたんの成長を父・團十郎も絶賛。2026年夏の全国巡業「伝承への道」を控え、古典芸能の枠を超えて進化し続ける次世代スターの姿と、現代に即した新たな伝統継承の形を追います。
【歌舞伎界の未来を担う「成田屋」の新星——市川團十郎が愛娘・ぼたんに託す「継承と革新」の道】
【2026年3月20日 東京】 春の訪れとともに、歌舞伎界では次代を担う若き才能たちの躍動が一段と輝きを増している。なかでも注目を集めているのが、十三代目市川團十郎とその長女、市川ぼたん(14)の親子共演だ。成田屋という重厚な伝統を背負う團十郎が、愛娘である「團十郎 娘」こと市川ぼたん、そして長男の市川新之助(12)と共に歩む姿は、単なる家族の絆を超え、伝統芸能の新たなカタチを世に示している。
「最初で最後」の熱演が刻んだ、父と娘の覚悟
2026年1月、新橋演舞場で開催された「初春大歌舞伎」。その夜の部『春興鏡獅子』において、歴史的な親子3人共演が実現した。團十郎が獅子の精を、ぼたんと新之助が対となる胡蝶の精を演じたこの舞台を、團十郎は取材会で「最初で最後の機会」と表現した。
九代目團十郎以来の伝統に基づいたこの演目において、團十郎は「ぼたんと新之助に胡蝶を体験させる義務感があった」と語る。特に現在14歳、中学2年生となった市川ぼたんの成長について、父である團十郎は「私が勝てるところはもはやない」「精神年齢ではすでに抜かされている」と、一人の表現者として最大級の賛辞を送っている。舞台上でのぼたんの仕草は、中学生とは思えぬ色気と気品を漂わせ、観客を圧倒。父の背中を追う「市川團十郎 娘」としての自覚が、その一挙手一投足に宿っていた。
伝統の枠を飛び越える「堀越麗禾」としての輝き
市川ぼたんの魅力は、古典芸能の枠内だけに留まらない。彼女は本名の「堀越麗禾」として、ドラマやファッション界でも目覚ましい活躍を遂げている。2025年には阿部寛主演のドラマ『キャスター』で重要な役どころを演じきり、さらに「Rakuten GirlsAward」でのランウェイデビューも果たした。
團十郎はブログやSNSを通じ、娘が学業と芸能活動を両立させる「芯の強さ」を頻繁に発信している。かつては自身も「イキっていた時期があった」と振り返る團十郎だが、現在の彼は、娘の多方面での活躍を「本人が行きたい方向へ背中を押す」と全面的に支持。伝統を守る「市川ぼたん」の顔と、現代を生きる14歳の少女としての顔。その両輪を回しながら成長する彼女の姿に、かつての松たか子を彷彿とさせる「次世代のスター」としての期待が日増しに高まっている。
2026年夏、親子で巡る「伝承への道」
成田屋の伝統は、いま確実に次なるフェーズへと移行している。2026年8月からは、親子3人による全国巡業公演「成田屋親子 伝承への道」の開催が決定した。石川(金沢歌劇座)を皮切りに、東京、愛媛、高知、大阪を巡るこのツアーは、伝統芸能をより身近に、そして若い世代へと繋ぐ重要な架け橋となるだろう。
團十郎は「娘とせがれとの伝承の道」として、単なる技術の伝達ではなく、現代のコンプライアンス時代に適応した「輪となる活躍」を重視している。スタンドプレーで牽引した過去の世代とは異なり、姉弟が手を取り合い、調和の中で古典を昇華させていくスタイルだ。
身長が伸び、日々大人びていく市川團十郎 娘・ぼたん。父が「歌舞伎の世界で生きていく覚悟を感じる」と評する彼女の瞳には、400年続く成田屋の誇りと、自分自身の未来を切り拓こうとする強い意志が宿っている。2026年、私たちは歌舞伎界の歴史が塗り替えられる瞬間を、この親子を通じて目撃することになるだろう。
(文・共同通信/日経 ライフスタイル担当記者)
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