日高屋が過去最高益を達成!値上げを跳ね返すDX戦略と「ちょい飲み」需要の勝因とは
ニュース要約: 中華チェーン「日高屋」が2025年2月期に過去最高益を記録しました。原材料高騰に伴う値上げを実施しながらも、徹底したコスト管理とDX推進、そして「ちょい飲み」需要の開拓により、サラリーマンから高齢者・主婦層まで顧客層を拡大。配膳ロボットやモバイルオーダーの導入で効率化を図り、競合を圧倒するコスパ最強の地位を確立しています。
日高屋、物価高騰下でも最高益達成 DX化と「ちょい飲み」戦略で新たな顧客層を獲得
【東京】 中華料理チェーン「日高屋」を運営するハイデイ日高は、物価高騰が続く厳しい経営環境の中、2025年2月期に売上高556億円(前期比114.1%増)、営業利益55億円(同118.9%増)という過去最高益を達成した。看板メニューの中華そばを30円値上げしたにもかかわらず、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進と「ちょい飲み」需要の取り込みで客足を回復させ、2026年2月期も売上600億円、営業利益60億円への更新を見込む。
値上げでも揺るがぬ「コスパ最強」の地位
日高屋は2024年、米やキャベツなどの生産不振、豚肉価格の高止まりといった原材料費の高騰を受け、創業以来390円で提供してきた中華そばを420円に改定した。値上げ発表直後は客足が激減したが、魚介スープを強化したリニューアルと薄利多売モデルの徹底により、最高益を実現した。
競合の幸楽苑が中華そばを490円で提供する中、日高屋は依然として低価格帯を維持している。野菜たっぷりタンメン620円、餃子300円(6個)、生ビール390円といったメニュー構成は、「家で作るより安い」水準として消費者の支持を集めている。
同社の強みは原価率50%超という業界でも異例の高水準を、セントラルキッチンの活用とドミナント出店戦略(関東中心455店舗)による配送・調理効率化で支えている点だ。売上総利益率70%超を20年以上継続し、DX導入により人件費を1~2%削減するなど、コスト抑制策を徹底している。
客層の変化が成長を加速
注目すべきは、顧客層の変化だ。従来はサラリーマン中心だった客層が、高齢者や主婦層へと広がりを見せている。駅前やビル内への出店戦略転換が功を奏し、1日18万人の集客を実現している。
2025年6月時点の売れ筋ランキングでは、野菜たっぷりタンメン(620円)が1位を獲得。5位には冬の期間限定メニューとして人気の高いチゲ味噌ラーメン(750~790円)がランクインした。赤みがかった辛味噌スープに豚肉、ニラ、白菜キムチ、溶き卵を加えたこのメニューは、「マグマのようなビジュアルに食欲をそそられる」「背徳感たっぷり」と好評で、毎年販売を待ちわびるファンも多い。
「ちょい飲み」需要の取り込みで差別化
日高屋の成長戦略のもう一つの柱が、「ちょい飲み」需要の取り込みだ。2025年夏には「生ビールVSハイボール祭」を全店で実施し、生ビールとハイボールを337円(税込370円)という低価格で提供。期間限定おつまみ「コリ旨!砂肝」(191円・税込210円)を投入するなど、ちょい飲み文化の浸透を図っている。
アルコールメニューは20種類以上と充実しており、餃子、砂肝、アジフライ、冷奴などのおつまみが191円からと安価に揃う。お通しやチャージがないため、1人670円程度で気軽に飲める点が支持され、「1人飲みに最適」「安くておつまみが豊富」との評価を得ている。
同社は「サクッと飲んで帰るちょい飲み需要を逃さず成長する」と明言しており、2025年後半も付加価値強化を継続している。
DX推進で店舗運営を効率化
日高屋はDX化の一環として、タッチパネル式オーダーシステムを全店規模で導入・拡充している。食券機からの移行により顧客体験(UX)の改善を図り、女性客の追加注文増加や売上向上に寄与している。
さらに、日高屋や来来軒など356店舗にモバイルオーダー「GATEモバイルオーダー」を導入。店内、テイクアウト、デリバリー注文をスマートフォンで可能にし、待ち時間削減とキャッシュレス決済対応を実現した。Google Map連携により、注文促進も図っている。
一部店舗では配膳ロボットも導入されている。目黒東口店などでは、タッチパネルと併用することで厨房からの運搬を自動化し、人手不足対策としている。お子様連れや外国人客にも好評で、受け取り完了ボタンの操作もスムーズだという。
これらのDX施策は、人口減少を見据えた省人化対応であり、セントラルキッチンとの組み合わせで調理工程を標準化し、人件費削減と食材ロスの最小化を実現している。
年末年始営業で顧客の期待に応える
2025年から2026年にかけての年末年始の営業時間は店舗ごとに異なり、公式発表は12月中旬頃に予定されている。例年の傾向では、駅ナカや繁華街店は営業を継続しやすく、住宅街や施設内店は休業しやすい。
12月30日は通常営業または時短営業、12月31日は15~18時閉店や休業が中心、1月1日は休業または一部時短営業(駅ナカ店など)、1月2日以降は時短から徐々に再開し、1月4日頃には通常営業に戻る見込みだ。具体例として、西葛西北口店(東京都江戸川区)は12月31日から1月3日まで10時から24時の営業を予定している。
持続可能な成長へのシナリオ
日高屋の成功は、物価高騰という逆風下でも顧客視点を貫き、低価格と品質を両立させた点にある。コロナ禍で赤字60億円を計上した際も「成長分配金」(3回目ボーナス)を継続し、内部留保を活用して従業員を守る姿勢を示した。
2025年の売上556億円は、競合の幸楽苑(277億円)を大きく上回る。継続的な原価変動の監視は必要だが、DX化による効率化、新規顧客層の開拓、ちょい飲み需要の取り込みという三本柱により、「コスパNo.1中華チェーン」の地位を確固たるものにしている。
外食産業全体が人手不足とデジタル化のトレンドに直面する中、日高屋の取り組みは業界のモデルケースとなる可能性を秘めている。今後の更なる成長が注目される。
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