【阪神】新助っ人ディベイニーの覚悟、異例の“早出特守”で挑む「聖地の遊撃」争いの現在地
ニュース要約: 2026年シーズン、阪神タイガースの命運を握る新外国人キャム・ディベイニー。異例の早出特守を志願し、日本の土のグラウンドへの適応に心血を注ぐ真面目な姿勢が注目を集めています。侍ジャパン戦での死球による話題性だけでなく、藤川監督が期待を寄せる「2番・遊撃」としての打撃修正力と、激化する正遊撃手争いの行方を追います。
【インサイド】猛虎の命運握る「新助っ人」の現在地 キャム・ディベイニー、異例の“早出特守”が映し出す覚悟
自慢の快足を生かした守備範囲と、マイナー通算85本塁打を誇るパンチ力。2026年シーズン、阪神タイガースの浮沈を握るキーマンとして大きな期待を背負っているのが、新外国人のキャム・ディベイニー内野手(28)だ。開幕まで1カ月を切った今、この助っ人野手の周囲がにわかに騒がしい。実戦での死球によるハプニング、そして正遊撃手の座を巡る熾烈な争い——。ベールを脱ぎ始めた「ディベイニー」の現在地を追った。
■異例の「早出特守」ににじむ適応への執念
2月末、沖縄・宜野座での春季キャンプ最終盤。サブグラウンドには、誰よりも早くユニフォームを泥だらけにするディベイニーの姿があった。助っ人外国人選手としては極めて異例とも言える、計5度にわたる「早出特守」の志願。そこに、彼が直面している「日本の壁」と、それを乗り越えようとする真摯な姿勢が凝縮されている。
「日本の土のグラウンド、特に内野のバウンドを掴むのは簡単ではない」
ディベイニーはそう漏らす。キャンプ中の実戦では、慣れない土のグラウンドに足を取られ、守備でミスが散見される場面もあった。しかし、2月28日の甲子園練習では、一転して手応えを口にしている。「沖縄(のグラウンド)よりだいぶいい」。聖地の黒土に適応の兆しを見せ、若手選手に混じって連携プレーを確認する姿は、すでにチームの一員として完全に溶け込んでいる。
■侍ジャパン戦で見せた「想定外」の話題と打撃の修正
3月3日、京セラドーム大阪で行われた侍ジャパンとの強化試合。ディベイニーは思わぬ形でSNSのトレンドをさらった。先発の高橋宏斗から死球を受けた際、高橋がマウンドから「ごめ〜ん!」と日本語で絶叫。この微笑ましいシーンが拡散され、ディベイニーの名は一気に全国区となった。
だが、話題性以上に注目すべきは、藤川球児監督による「2番・遊撃」という起用だ。当初、打撃面では「振り遅れが目立つ」との懸念もささやかれていたが、中堅方向を意識した打撃フォームへの修正が功を奏しつつある。解説者の谷沢健一氏も「逆方向への打撃ができれば、ショートとしての厚みが増す」と、その修正能力を高く評価している。
■「聖地のショート」という重圧
阪神の遊撃手争いは、今キャンプ最大の激戦区だ。昨シーズンの主力である木浪聖也に加え、俊足巧打の小幡竜平、守備固めのスペシャリスト・熊谷敬宥らが虎視眈々と定位置を狙っている。
特に「甲子園のショート」は、浜風と特有の土質、そして熱狂的なファンの視線という、NPBでも屈指の難易度を誇るポジションだ。高木豊氏ら識者からは「守備の適性は未知数」との厳しい声も上がるが、藤川監督はディベイニーをオープン戦でDH起用するなど、打撃のリズムを整えつつ守備への適応を待つ「逆算のマネジメント」を敷いている。
■「真面目な助っ人」が描く開幕へのシナリオ
ディベイニーの最大の武器は、その「真面目さ」にある。二塁手の中野拓夢との対話では、中野の細かな技術を吸収しようと積極的に質問を投げかける姿が見られる。言語の壁を超え、日本の野球をリスペクトする姿勢は、首脳陣からの信頼に直結している。
「28歳という脂の乗った年齢で、マイナーでの実績も十分。あとは日本の投手の変化球と、甲子園のグラウンドにどう折り合いをつけるか」(スポーツ紙デスク)
京セラドームでの開幕戦を控え、ディベイニーは今、野球人生最大の岐路に立っている。単なる「パワーヒッター」から、泥にまみれて勝利を呼び込む「職人」へ。背番号を背負った背中に、猛虎復活の夢が託されている。
(2026年3月4日 運動部記者)
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