2026年2月17日、日本と世界は経済・スポーツ・文化の各面で大きな転換点を迎えています。本日の主要ニュースを、社会の鼓動が伝わるよう、ひとつの物語としてまとめました。
1. 日本経済の構造改革と企業のV字回復
2026年、日本経済は「金利のある世界」への回帰という歴史的な局面を迎えています。特に注目すべきは半導体市場の躍進で、売上高は5兆円を突破する勢いを見せています[1]。この潮流に乗り、国内の有力企業が次々と「変容」を遂げています。
富士通は、次世代チップ「FUJITSU-MONAKA」を含む国産ソブリンAI戦略を軸に、営業利益が前年比約2倍という驚異的なV字回復を果たしました[3]。また、かつての老舗繊維メーカー、ユニチカもAI半導体向け素材で注目を集め、株価がストップ高を記録[10]。ベネッセも生成AIを活用した教育DXと介護事業の二本柱で「第二の創業」へ舵を切っています[9]。
実体経済では、物価高騰が続くなか、日高屋やサイゼリヤといった「超低価格戦略」を維持する外食チェーンが、もはや生活インフラとしての地位を固めています[12]。一方で、NTTドコモが展開する「dポイント10%増量キャンペーン」など、家計を守るための「ポイ活」も2026年春のトレンドとなっています[62]。
2. ミラノ五輪の熱狂と銀盤の軌跡
イタリアで開催中のミラノ・コルティナ冬季五輪では、日本選手団が目覚ましい活躍を見せています。現時点で日本は金メダルを含む計17個のメダルを獲得し、世界3位タイに浮上しました[16]。
フィギュアスケートのペアSPでは、「ゆなすみ(長岡柚奈・森口澄士)」ペアがフリー進出こそ逃したものの、男子シングルとの二刀流という新たな地平を切り拓きました[5]。一方、世界最高得点を記録した「りくりゅう(三浦璃来・木原龍一)」ペアには、単なるパートナーを超えた深い絆に、ファンから熱い注目が注がれています[28]。女子シングルでも、次世代を担う千葉百音と中井亜美が、絶対女王・坂本花織とともに世界の頂点に挑んでいます[24]。現場では、トリノ五輪金メダリストの荒川静香氏が20年前のポーズを再現し、その変わらぬ美しさが絶賛の嵐を巻き起こしました[8]。
3. エンタメ界の新風と惜別
日本のエンタテインメント界では、ジャンルを超えたコラボレーションや意外な転身が話題です。綾瀬はるか主演映画の主題歌をOfficial髭男dismが担当することが決定し[7]、モデルのゆうちゃみは「仮面ライダーG6」として銀幕デビューを飾ります[14]。乃木坂46の佐藤璃果が卒業を発表する一方[53]、グラビアからアイドルのリーダーへと転身した森脇梨々夏の挑戦も続いています[35]。
演劇界では、ダウ90000の蓮見翔氏が第70回岸田國士戯曲賞を受賞[49]。俳優の里見浩太朗氏は、89歳にして放送文化賞を受賞し、時代劇の伝統継承への執念を見せました[50]。
しかし、悲しい知らせも届いています。映画『ゴッドファーザー』などで知られる米国の名優ロバート・デュヴァルさんが95歳で逝去[18][29]。そのリアリズムに満ちた演技は、映画史に永遠に刻まれることでしょう。
4. アジアの祝祭とグローバルな課題
世界に目を向けると、2026年の干支「丙午」を祝う農暦新年(春節・テト)の熱狂がアジア全土を包んでいます。ベトナムでは伝統とデジタルが融合し[4]、韓国では帰省ラッシュがピークを迎えています[32]。全体では過去最多の95億人が移動し、AIを活用した新しい祝祭の形が定着しつつあります[34][58]。
一方で、深刻な課題も浮き彫りになっています。世界的な麻疹(はしか)の流行は前年比43倍という驚異的な数字に達し、渡航前のワクチン接種が急務となっています[60]。また、大気汚染の二極化も進んでおり、インドで深刻なスモッグが発生する一方、日本は良好な状態を維持していますが、気候変動による新たなリスクも指摘されています[2]。
5. 社会とインフラの影
国内の不祥事や事故も報じられています。みずほ証券では投資銀行部門でのインサイダー取引の疑いで強制捜査が入り、証券業界の信頼が問われています[26]。札幌市白石区の食品工場では大規模な爆発火災が発生し[47]、兵庫県の斎藤元彦知事は財政赤字とパワハラ認定の二重苦により、県政が機能不全に陥る懸念が高まっています[45]。
また、1992年の飯塚事件を巡る第2次再審請求も棄却されました。死刑執行後の再審という重い課題に対し、司法の在り方が改めて問われることとなりました[61]。
技術の進化は光と影を同時にもたらしています。CloudflareがAIインフラへの進化を加速させる一方で[37]、エプスタイン・ファイルのAI解析が進み、過去の権力層の闇が次々と暴かれ始めています[41]。
6. 日常の彩り:春の訪れ
暗いニュースばかりではありません。スターバックスでは、明日18日から「SAKURAシーズン」が幕を開け、白桃と桜が融合した新作ドリンクが登場します[44]。多部未華子さんらを起用したマクドナルドの「マックポーク」5年ぶり復活も、物価高の中での小さな喜びとして歓迎されています[21]。
激動の2026年、私たちは伝統を大切にしながらも、最新のテクノロジーとともに確かな未来を歩んでいます。
電通過労死事件から10年―高橋まつりさんの死が問い続ける日本の働き方改革の現在地
ニュース要約: 2015年の電通過労死事件から10年。高橋まつりさんの母・幸美さんは、娘の死を無駄にしないよう労働規制緩和への警鐘を鳴らし続けています。働き方改革関連法の施行により制度面は前進したものの、テレワークによる「見えない残業」や根強い長時間労働の美徳など、日本社会には依然として多くの課題が残されています。組織文化の根本的変革と命を守るための実効性ある対策が今、改めて問われています。
電通過労死事件から10年―高橋まつりさんの死が問いかける日本の働き方改革
2015年12月25日、クリスマスの朝。東京大学を卒業し、大手広告代理店・電通に入社してわずか9カ月の高橋まつりさん(当時24歳)が、社宅から投身自殺した。月105時間に及ぶ過酷な残業と上司からのパワーハラスメントが原因だった。あれから10年―。日本の働き方は本当に変わったのか。
「常軌を逸した」長時間労働の実態
高橋さんの労災認定資料によれば、入社後の残業時間は月100時間を超え、「3日に1度は徹夜」という過酷な勤務が続いていた。さらに深刻だったのは、上司による組織的な「残業隠し」だ。2015年11月には「部長の方針で残業は社内飲食にしています」「70時間にしろ」という指示メールが存在したことが明らかになっている。
実際の労働実態を隠蔽する仕組みが社内に存在していたのである。高橋さん自身、月100時間超の残業が過労死ラインであることを認識しており、体調不良の先輩社員に警告のメールを送っていた。しかし、彼女自身がその犠牲となってしまった。
2016年に労災認定がなされ、司法も「常軌を逸した長時間労働」と表現した。電通では過去にも過労死事例があったにもかかわらず、抜本的な改善がなされないまま、同様の悲劇が繰り返されたのである。
母の10年間の闘い―「あの日から時間が止まっている」
「これ以上、まつりのような過労死の犠牲者を増やさないでください。私の時間はあの日のまま止まっています」
母親の高橋幸美さんは2025年12月24日、事件から10年目を迎えるにあたり、こう訴えた。娘の死後、幸美さんは過労死防止全国センターなどで活動を続け、全国各地で講演を行っている。
特に強く反発しているのが、今年10月に浮上した労働時間規制の緩和検討だ。「働き方改革を後退させるなら、遺族は認めない」と断固たる姿勢を示している。過労死防止法が施行され、企業の安全配慮義務が強化された一方で、政治的な規制緩和の動きに対する警戒感は強い。
幸美さんが繰り返し強調するのは「8時間労働で家族の生活を支えられる社会」の必要性だ。娘の死を無駄にしないため、母は今も訴え続けている。
過労死ラインの変遷と法規制の強化
高橋さんの事件は、日本の過労死認定基準に大きな影響を与えた。従来、脳・心臓疾患では月80時間超の残業が労災認定の目安とされてきたが、精神疾患による自殺については月100時間超が明確なラインとして認識されるようになった。
2019年には働き方改革関連法が施行され、時間外労働の上限が法定化された。違反した場合、企業には6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される。電通も2017年に東京地裁で有罪判決を受け、法人として罰金50万円の処分を受けた。
しかし、法規制の強化だけでは不十分だという指摘は多い。企業の健康管理体制は整備されたものの、特に広告業界のようなプロジェクト単位で締め切りが厳しい職場では、依然として長時間労働が常態化している。
デジタル時代の「見えない残業」
新たな課題として浮上しているのが、テレワーク普及による「見えない残業」の問題だ。PCログやチャットツールによる常時接続が、労働時間の境界を曖昧にし、過労を可視化しにくくしている。
電通事件でも、社宅での労働が問題視されたが、デジタル化はこの傾向をさらに加速させた。メールやチャットでの業務指示が深夜・休日にも及び、従業員は常にオンライン状態を強いられる。休憩や睡眠の不足が慢性化し、メンタルヘルスへの影響が懸念されている。
企業には、出退勤の厳格な記録管理、残業時間の自動アラート設置、産業医面談の義務化など、実効性のある対策が求められている。しかし、現場レベルでの業務量削減や人員配置の見直しといった根本的改革は、依然として道半ばだ。
企業文化の変革は進んだのか
電通は事件後、働き方改革や健康管理の強化を公表し、メディアでもその取り組みを紹介した。しかし、専門家や労働組合の分析では、「企業文化の抜本的改善は不十分」との評価が多い。
労働弁護士の川人博氏は「これは電通だけの問題ではなく、日本全体の問題だ」と指摘する。東大生を含む若手層には「自分は過労死しない」という過信があり、激務を美徳とする風潮が根強く残っている。
管理職の責任も重大だ。裁判や報告書は、上司・管理職の指導監督のあり方を繰り返し問題視している。長時間労働を誘発する管理手法を排除し、部下の健康管理を評価指標に組み入れるなど、評価制度の見直しが必要とされる。
社会全体の課題として
高橋まつりさんの死から10年。過労死防止法の施行、労働時間規制の強化、企業のコンプライアンス体制整備など、制度面での前進は確かにあった。しかし、年間の過労死認定件数は依然として数百件で横ばいが続いている。
遺族や支援団体が警戒するのは、経済界からの規制緩和圧力だ。「働き方の柔軟性」を名目とした労働時間規制の緩和は、再び悲劇を生む危険性がある。
必要なのは、単なるルール設定ではなく、組織文化の根本的変革だ。業務量の見直し、適切な人員配置、ハラスメント防止、メンタルヘルスケアの充実―。これらを総合的に実現しなければ、真の働き方改革は達成できない。
高橋幸美さんの願いは明確だ。「もう、これ以上犠牲者を出さないでほしい」。娘の死を無駄にしないため、社会全体が真剣に向き合うべき時が来ている。クリスマスの朝に失われた若い命が、日本の働き方を変える原動力となることを、私たちは忘れてはならない。