【ミラノ五輪】鍵山優真を銀メダルへ導いたコストナーの「美」。母国イタリアで刻んだ師弟の絆と至高の演技
ニュース要約: 2026年ミラノ・コルティナ五輪フィギュアスケートで、鍵山優真が銀メダルを獲得。コーチとして支えたカロリーナ・コストナー氏の芸術的指導と、アンバサダーとしての貢献が大きな注目を集めました。エキシビションでは現役さながらの滑りを披露し、技術の父・正和氏との「盤石の布陣」でフィギュア界に新たなコーチングのモデルを示しました。
【ミラノ発】氷上に刻んだ「美」の継承。カロリーナ・コストナーが導いた鍵山優真の銀メダルと、母国に捧げた至高の演技
2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪は21日、フィギュアスケートの全競技日程を締めくくるエキシビションがミラノ・スケーティング・アリーナで開催された。超満員の観客が総立ちで拍手を送るなか、スポットライトを浴びてリンクに姿を現したのは、今大会で日本代表・鍵山優真(22)のコーチを務めたカロリーナ・コストナー氏(39)だった。
かつて「氷上の氷の妖精」と称えられ、2014年ソチ五輪で銅メダルを獲得したイタリアの至宝は、今回、指導者そして大会アンバサダーとして母国開催の夢舞台に帰還した。その献身的なサポートと、今なお衰えぬ芸術的な滑りは、ミラノの地に新たな伝説を刻んだ。
■「師弟を超えた絆」が結実した銀メダル
今大会のフィギュアスケート男子シングルにおいて、もっとも注目を集めたシーンの一つが、鍵山優真が銀メダルを獲得した際のキス&クライだった。鍵山を挟むように座ったのは、父・正和コーチと、2023年からチームに加わったカロリーナ・コストナー氏だ。
コストナー氏は現役時代から定評のあった「スケーティングの質」と「芸術的な表現力」を鍵山に注入してきた。ジャンプの技術に偏りがちな近代フィギュアにおいて、彼女の指導は鍵山の演技に深みと品格をもたらした。男子フリーでは、宿敵イリア・マリニンとの歴史的な激戦の末、惜しくも金メダルには届かなかったものの、鍵山が披露した圧倒的なプログラムの完成度は「コストナーとの二人三脚が結実した最高傑作」と世界中のメディアから絶賛された。
鍵山は競技後の自身のInstagramで、メダルを手にコストナー氏らと並ぶ3ショットを公開。「次に向けてもっと強くなる」と綴り、イタリアのレジェンドへの深い信頼を寄せた。コストナー氏もまた、鍵山の成長について「彼は無限のポテンシャルを秘めている。今回の結果は出発点に過ぎない」と、未来を見据えた力強い言葉を残している。
■アンバサダーとして、そしてスケーターとして
コストナー氏の貢献は、日本チームの指導だけにとどまらない。大会のアンバサダー・プログラムの一員として、彼女は五輪精神を次世代に伝えるべく多忙な日々を送ってきた。
「希望を担うこれからの世代の心を満たし、目標になってくれれば」――。その言葉通り、彼女は現役引退後も自身のファッションラインの運営や後進の育成を並行しながら、フィギュアスケートというスポーツの普及に尽力してきた。今大会でも日本チームのペア(三浦璃来、木原龍一組)の金メダル獲得時にゲストとして中継に出演し、自国のことのように喜びを語る姿が、日伊両国のファンの心を打った。
そして、21日のエキシビションでは、異例とも言える「コーチ兼アンバサダー」としての出演が実現した。日本から参加した鍵山優真、中井亜美、佐藤駿らと共にリンクに立ったコストナー氏は、39歳とは思えぬしなやかなスケーティングを披露。SNSでは「胸熱」「今でもお綺麗すぎる」といった称賛の声が相次ぎ、一時はリアルタイム検索のトレンド1位を独占するほどの盛り上がりを見せた。
■「盤石の布陣」が示すフィギュアの新時代
コストナー氏が鍵山優真のコーチに就任してから約3年。今回のミラノ・コルティナ五輪での成功は、フィギュアスケートにおける「コーチングの多様化」を象徴している。技術指導に秀でた父・正和氏と、芸術性とメンタルサポート、そして国際的な経験を備えたコストナー氏という「盤石の布陣」が、世界トップレベルの戦いを制するための新たなモデルケースとなったことは間違いない。
母国イタリアで開催されたオリンピックという大きな節目を、キャリア最高の「充実した日々」として駆け抜けたコストナー氏。指導者として、表現者として、そして親日家として。氷上に描き続ける彼女の物語は、これからも多くの若きスケーターたちの道標となっていくはずだ。
(特派員・2026年2月22日 記)
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