アズーム(3496)株価暴騰の深層：NISA資金が集中する「7期連続最高益」成長株の未来

【深層】(株)アズーム（3496）株価「暴騰」の深層：連続最高益とNISA需要が牽引する成長株の行方

2025年11月22日 日本経済新聞

不動産テック分野で遊休資産活用事業を展開する**(株)アズーム**（証券コード3496）の株価が、ここ数週間で急激な上昇、いわゆる「暴騰」を見せ、市場の注目を集めている。同社が発表した2025年9月期の好決算は市場予想を大きく上回り、成長株としての地位を確固たるものにした。特に、新NISA制度の導入を背景に、個人投資家からの資金流入が加速しており、中小型成長stocksへの関心が高まる中で、(株)アズーム株価の動向は市場全体の指標となりつつある。

本稿では、(株)アズームの暴騰を支えるファンダメンタルズと、週末の株価振り返りに基づくテクニカル分析、そして来週の株価見通しについて詳細に分析する。

第1章 週末の株価振り返りと急騰の軌跡

(株)アズームの株価は11月に入り、明確な上昇トレンドを描き始めた。特に11月13日の2025年9月期決算発表を契機に、翌14日には年初来高値となる6,230円を記録。短期的な過熱感から利益確定売りが入り調整局面を迎えたものの、依然として高値圏での推移を維持している。

週末の株価振り返りとして、11月21日の終値は5,260円で取引を終えた。直近の週間変動率は+6.91%と高い水準にあり、強い買い意欲が継続していることを示唆している。テクニカル分析では、5日、25日、75日の移動平均線がすべて上向きであり、強い上昇トレンドが確認される。出来高も上昇局面で増加しており、株価の上昇にボリュームが伴っていることから、市場参加者の関心の高さがうかがえる。

この勢いは、単なる短期的な投機ではなく、強固な企業業績に裏打ちされたものとして、多くの機関投資家からも再評価されている。

第2章 業績の裏付け：7期連続最高益達成の要因

(株)アズーム株価を押し上げる最大の要因は、同社が達成した驚異的な業績にある。2025年9月期の連結業績は、売上高が134.79億円（前期比+27.9%）、営業利益が26.13億円（同+43.0%）と大幅な増収増益を達成し、7期連続の最高益更新を達成した見通しだ。

この好調を牽引するのは、主力である「遊休資産活用事業」である。特に駐車場サブリース事業が順調に拡大し、安定的な収益源となっている。さらに、新規事業として展開している「ビジュアライゼーション事業」も黒字化を果たし、収益構造の多角化に成功した。

財務基盤も極めて強固であり、自己資本比率は76.7%と高水準を維持。高い成長率（ROE34.72%）と安定した財務体質の両立は、同社が持続可能な成長フェーズにあることを示している。会社側は、2026年9月期についても売上高170億円（前期比+26.1%）、営業利益31.4億円（同+20.4%）と、さらなる成長を見込んでいる。

第3章 市場の期待とNISA需要：長期保有を促す戦略

(株)アズームは、成長性と安定性を兼ね備えている点から、NISA（少額投資非課税制度）成長投資枠における注目銘柄として急速に浮上している。配当利回りが会社予想で2.4%と安定しており、NISAの非課税メリットを最大限に活かしたい長期保有志向の個人投資家からの需要が株価を下支えしている。

また、同社は決算発表と同時に「累進配当・DOE（株主資本配当率）指標導入」という株主還元方針の変更を発表した。これは、業績の成長に合わせて配当を維持または増加させるというコミットメントであり、長期的な視点を持つ投資家にとって非常に魅力的な要素となる。

アナリストの間では、業績の成長速度と財務健全性を評価し、「利益成長青天井」との見方が広がり、目標株価を6,000円超えとする強気なレポートも散見されるようになってきた。

第4章 来週の株価見通しと今後の焦点

来週の株価見通しについて、テクニカルおよびファンダメンタルズの両面から、引き続き強気な展開が予想される。

短期的な調整局面は存在するものの、下値のサポートラインは5,000円～5,100円付近で強力に機能すると見られており、来週の株価見通しレンジは5,000円～5,500円での推移が中心となるだろう。高値圏でのもみ合いを経て、市場のセンチメントが改善すれば、年初来高値（6,230円）への再挑戦も十分に視野に入る。

今後の焦点は、2026年9月期の業績予想達成に向けた進捗と、ビジュアライゼーション事業のさらなる収益化の度合いである。また、NISA枠での買い需要の継続性も、3496のstocksの安定性を測る上で重要な要素となる。

(株)アズームの暴騰は、企業が持つ高い成長ポテンシャルと、市場が求める長期安定投資のニーズとが見事に合致した結果と言える。短期的なボラティリティに留意しつつも、同社の今後の事業展開と、日本の成長株市場における役割に引き続き注目が集まりそうだ。