オートバックス、EV・DX戦略で決算好調!カーライフ「総合インフラ」への転換を加速
ニュース要約: オートバックスセブンは、車検・整備サービスの伸長とEV・DX戦略により、好調な決算を発表。2030年までにEV急速充電器を全国100店舗に設置する計画や、DXによる顧客接点の深化を推進し、カー用品店からカーライフの「総合インフラ」へと事業構造の転換を加速させている。
オートバックス、カーライフの「総合インフラ」へ変貌
好調決算の裏にEV・DX戦略、サービス拡充で競争力を確立
【東京】自動車用品販売大手のオートバックスセブンが、従来の「カー用品店」の枠を超え、デジタル技術と次世代モビリティへの対応を軸に、事業構造の転換を加速させている。2025年11月24日現在、同社が発表した2026年3月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比5.5%増の約941億円、営業利益が同14.5%増の約90億円と大幅な増収増益を達成。この好決算の背景には、主力の車検・整備といったサービス部門の伸長と、未来のカーライフを見据えた積極的なインフラ投資とDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略がある。
サービス強化と冬の商戦:高付加価値事業が利益を牽引
オートバックスの好調を支えるのは、高付加価値サービスへの注力だ。特に、車検・整備サービスの伸びは著しく、部品販売に依存しない安定的な収益源として機能している。売上総利益率は約35.9%と前年同期からわずかに上昇しており、販管費の増加を上回る売上増加が利益を押し上げた格好だ。
また、冬の商戦に向けた戦略も奏功している。同社は例年、降雪が本格化する12月を前に、10月から11月上旬にかけてスタッドレスタイヤの早期販売・早期交換を強く推奨するキャンペーンを展開。11月21日からは「オートバックスタイヤ大感謝セール」を実施するなど、シーズン前の需要を確実に取り込む体制を敷いている。2025年製スタッドレスタイヤの在庫は充実しているものの、交換作業の混雑を避けるため、早めの予約を促すなど、顧客の利便性向上にも余念がない。
EVシフトへの先手:充電インフラの大幅拡充
自動車産業が100年に一度の変革期を迎える中、オートバックスは電気自動車(EV)シフトへの対応を最重要課題の一つとしている。単なるEVパーツの販売に留まらず、カーライフの根幹を支えるインフラ整備に乗り出している点が注目される。
同社は2030年までに全国100店舗以上へEV急速充電器を設置する計画を公表した。これは現行の約20倍の規模拡大にあたり、地域社会におけるEV充電スタンドのハブとしての役割を担う狙いがある。特に、超急速充電器「FLASH」の導入を進めており、2025年10月からは会員連携機能も搭載。会員は通常料金よりも優遇された特別価格(42円/kWh)で充電が可能となり、EVオーナーの利便性向上と囲い込みを図っている。
さらに、EVオーナー向けの大規模イベント開催や、マイクロモビリティ専門店(EVミニカーなど)の展開も進め、多様化するモビリティニーズに対応する総合的なサービス体制を構築している。
デジタル変革(DX)による顧客接点の深化
事業構造の転換を支えるもう一つの柱がDX戦略である。同社は「Beyond AUTOBACS Vision 2032」を掲げ、デジタルとリアルを融合した新しい顧客体験(O2O)の創出を目指している。
具体的には、公式ECサイト「オートバックスドットコム」をリニューアルし、オンライン決済後の店舗受取を可能にするなど、シームレスな購買体験を提供。また、スマートフォンアプリを刷新し、車検証QRコード読み取りによる車両情報管理や店舗別コンテンツ配信機能を持たせることで、顧客との常時接点を強化した。
さらに、ドコモなどの外部データ連携を通じた来店計測やマーケティングの高度化を推進しており、顧客の購買行動を多角的に分析するデータドリブン経営を実践。これにより、従来の平均来店頻度を年4〜6回に引き上げることを目標としており、単なる来店頻度向上だけでなく、顧客のカーライフ全体に寄り添うソリューション提供企業への進化を図っている。
財務基盤も自己資本比率約57.8%と堅実であり、オートバックスは、サービス拡充、EV充電スタンドの整備、DX推進という三位一体の戦略により、激化する市場競争の中で独自の地位を確立しつつある。今後の成長は、これらの次世代戦略がどこまで収益に結びつくかにかかっている。