『進撃の巨人』完結2年、世界的影響力と経済効果:日田市30億円超、諫山創と結末再評価の行方
ニュース要約: 社会現象となった『進撃の巨人』は完結から2年が経過しても、国内外で強固なブランド力を維持している。作者・諫山創氏の次回作に注目が集まる中、故郷の日田市では年間30億円超の経済波及効果を生み出し地方創生を牽引。物議を醸した「結末」も、壮大なテーマ性への再評価の波が深まっている。
「進撃の巨人」完結2年、深まる世界的影響力と経済波及効果 ―― 諫山創氏の創作活動と「結末」の再評価の行方
【東京・大分】 2025年11月22日、社会現象を巻き起こした漫画作品『進撃の巨人』の連載終了から2年余りが経過した。作者である諫山創氏の創作活動の動向にファンの注目が集まる一方、作品は国内外で強固なブランド力を維持し、特に地方創生において顕著な経済効果を生み出し続けている。連載完結後も衰えぬその影響力と、物語の「結末」に対する読者の新たな再評価の波を追う。
地方創生を牽引する「進撃の日田」
『進撃の巨人』の熱狂は、単なるエンターテイメントの枠を超え、地域経済に具体的な恩恵をもたらしている。諫山創氏の故郷である大分県日田市では、地方創生プロジェクト「進撃の巨人 in HITA〜進撃の日田〜」が展開され、完結後もファンを惹きつけてやまない。
日田市が発表した推計によれば、関連イベントや観光誘客による直接経済効果は年間20億円以上、経済波及効果は30億円を超える規模に達しているという。2025年冬には、声優キャストを招いた大型イベント「進撃の日田フェスタ」(2025年12月6日~2026年3月1日)の開催が予定されており、地域限定グッズの販売や体験型アトラクションを通じ、さらなる誘客が見込まれている。
また、海外市場での人気も持続しており、アメリカやフランスを中心に社会現象レベルの影響力を保つ。シリアスなテーマ性や個性的なキャラクター群が海外ファンの心を掴み、コミックの累計発行部数は1億4000万部を突破。完結後もブランド価値は揺るぎない。
諫山創氏の「次回作」とスピンオフの行方
連載終了後、ファンの最大の関心事は諫山氏の本格的な次回作の動向である。2025年11月現在、担当編集者からは新連載の明確な予定は発表されていないものの、諫山氏は複数の新作やスピンオフを発表し、創作意欲を示している。
特に話題となったのは、2024年4月30日に発売された『進撃の巨人』第35巻の特典漫画『BAD BOY』だ。これは人気キャラクターであるリヴァイ兵長の知られざる過去を描いたものであり、ファンコミュニティで大きな反響を呼んだ。さらに、2025年1月には、声優・梶裕貴氏の音声合成ソフトを軸にした企画のコミカライズ『性悪男とAIのセオリー』でネーム原作を担当するなど、多角的な活動を展開している。
一方で、スピンオフ作品のアニメ化への期待も高まっている。特に「進撃の巨人 Before the Fall」は、原作も完結しており、アニメ化の可能性が最も高いと目されている。しかし、制作を担うと見られるWIT STUDIOのスケジュール多忙により、現時点では具体的な開始時期は未定だ。
物議を醸した「結末」の深層
『進撃の巨人』の物語が終結した際、その結末は壮大なスケールゆえに大きな賛否両論を巻き起こした。しかし、時間が経過するにつれて、物語の深層やメッセージ性に対する肯定的な再評価が広がっている。
SNSやファンコミュニティでは、「進撃の巨人 結末 再評価」といったキーワードが定期的にトレンド入りし、読者同士の考察が活発だ。当初否定的な意見を持っていた読者からも、「再読することで、作者が込めた平和への願いや、人間の業といった普遍的なテーマに気づいた」という声が増加傾向にある。諫山氏自身もエンディングが物議を醸したことを認めつつ、読者の反応を真摯に受け止める姿勢を見せており、その真摯さが物語の再評価を促す一因となっている。
2025年冬には、東京・大阪での体験型イベント「Attack on Memory」や、新規描き下ろしイラストを使用した限定グッズが多数登場するPOP UP STOREなど、ファンを繋ぎ止める施策が全国で展開される。
『進撃の巨人』は、単なる漫画作品としてではなく、地域経済を潤し、世代や国境を超えた議論を生み出す「社会装置」として、今後もその影響力を拡大し続けるだろう。