元モー娘。福田明日香、双極性障害で入院と告白 音楽活動再開を断念、シングルマザーの厳しい現実

福田明日香氏、双極性障害で入院告白 元モー娘。1期生、音楽活動再開を断念 2025年、波乱の私生活とキャリアの現実

【東京 2025年11月21日 共同通信】

アイドルグループ「モーニング娘。」の初期メンバー（1期生）として活躍した福田明日香氏（39）が21日、自身のソーシャルメディア（インスタライブ）を通じて、双極性障害を患い、現在入院中であることを明らかにした。2025年内の音楽活動再開を目指していたが、体調不良により計画は頓挫。さらに、生活を支えるために勤務していた職場（キャバクラ）を退職したことも告白し、シングルマザーとして子育てを続ける中での、厳しい現状を赤裸々に語った。

福田氏は、アイドル界の歴史を築いた「モー娘。」の最年少メンバーとして知られ、その高い歌唱力でグループの礎を築いた功労者である。しかし、若くしてグループを離れて以降、そのキャリアと私生活は常に波乱に満ちており、今回の告白はファンや関係者に大きな衝撃を与えている。

突如の告白、治療中の「双極性障害」

21日のライブ配信で、福田氏は「今年（2025年）、活動を再開しようと思っていたが、夏頃に体調を崩し、結局、双極性障害で現在入院している」と、ファンに向けて衝撃的な事実を伝えた。

病状については、半年前には38kgまで落ち込んでいた体重が48kgまで回復するなど、治療の成果も見られるものの、「復活できないかもしれない」と、今後の活動に対する不安を隠さなかった。体調を崩した原因として、仕事と子育て、そして精神的なプレッシャーが重なったことが推測される。

また、生活を支えるための職業についても言及。以前からスナックやバーテンダーの経験があった福田氏は、最近までキャバクラで勤務していたが、体調不良が原因で「除籍された」と説明。現在は無職状態であり、病気療養と並行して、経済的な厳しい現実に直面している様子が伺える。

頓挫した音楽への道 ソロアーティストとしての未練

福田明日香氏のキャリアは、常に音楽と密接に結びついてきた。1997年、テレビ東京系のオーディション番組から誕生したモーニング娘。1期生として、1998年に『モーニングコーヒー』でメジャーデビュー。同年のレコード大賞最優秀新人賞受賞、NHK紅白歌合戦初出場など、短期間でトップアイドルへと駆け上がった。

わずか1年7ヶ月で「学業専念」を理由にグループを卒業し、一時芸能界から離れるも、福田氏は音楽への情熱を失うことはなかった。2011年にはボーカルグループ「PEACE$TONE」を結成し活動を再開。さらに2018年にはソロミニアルバム『sing』を発表するなど、アーティストとしての道を歩み続けていた。

それだけに、2025年の活動再開の断念は、本人にとっても無念の決断であったことは想像に難くない。福田氏は、長きにわたり目標としてきた音楽の道が、体調という不可抗力によって閉ざされた現状を、苦渋の表情で語った。現在、公式な音楽作品のリリースやライブ出演の予定は確認されていない。

OG活動への複雑な思い 求められる「風格」との乖離

近年、ハロー！プロジェクトの歴史的価値が高まるにつれ、モーニング娘。OGとしての活動が活発化しているが、福田氏はその流れとは一線を画している。

福田氏は、過去のインタビューや今回の配信でも、OGとしての活動に否定的な見解を示している。特にグループ20周年の際には、運営側から「1期生としての風格を持ってください」という指示があったことを明かし、「変な違和感を感じた」「私はあの彼女がしていた仕事できねーから」と、自らの価値観とOG像との乖離に言及した。

13歳でデビューし、若くして成功と挫折を経験した福田氏にとって、アイドル時代の「役割」を再び演じることへの抵抗感は根強いようだ。彼女は、二度の結婚と離婚を経て、現在はシングルマザーとして一児の娘を育てる道を選んでおり、その現実的な生活基盤と、求められる「アイドル像」とのギャップに苦しんできた経緯が背景にあると見られる。

現在の福田明日香氏は、双極性障害の治療に専念し、心身の回復を最優先としている。音楽活動の再開は未定であり、無職状態からの再スタートとなる。初期モー娘。の歴史を体現する歌姫が、再び活動の場に戻る日が来るのか、その動向が注目される。ファンからは「焦らず治療に専念してほしい」「必ず復活できる」といった温かいエールが多数寄せられている。（了）