創設20周年へ!ツエーゲン金沢がJ2復帰へ挑む:6位の壁を破る戦力再構築戦略
ニュース要約: ツエーゲン金沢は2025年J3を6位で終え、昇格に失敗。得失点差の課題が浮き彫りとなった。クラブは創設20周年を迎える2026年シーズンに向け、主力残留とFW強化による戦力再構築を加速。新スタジアムを舞台に地域と共にJ2復帰を目指す。
【深度分析】ツエーゲン金沢、J2復帰への道筋:2025年「6位」の壁と創設20周年へ向けた戦力再構築
昇格圏に届かず、浮き彫りとなった「得失点差」の課題
2025年11月29日。明治安田J3リーグの全日程が終了し、地元石川県の期待を背負ったツエーゲン金沢は、最終順位を6位で終えた。J2復帰を至上命題として臨んだシーズンであったが、38試合を戦い抜きながらも、目標達成は叶わなかった。この結果は、クラブが過去の低迷期(2024年12位)から徐々に順位を回復させた証である一方、昇格争いを勝ち抜く上で決定的に不足している要素を浮き彫りにした。
最大の課題として挙げられるのは、得失点差の悪さである。ツエーゲン金沢は46得点40失点と、得失点差はわずか+6に留まった。これは、昇格を争った上位チーム、例えば栃木シティの+27や鹿児島ユナイテッドFCの+14と比較しても、その差は歴然としている。昇格に必要な「勝利の積み重ね」と「安定した戦い方」が欠如していたことを示すものであり、攻撃力と守備の安定性の両面において、総合的な力不足が敗因と分析される。
シーズン中盤から終盤にかけて順位を上げる粘りを見せたものの、一貫性のない戦いぶりは最後まで解消されず、昇格圏内の上位5チームとの勝点差を縮めることはできなかった。2025年シーズンの総括として、ツエーゲン金沢は「段階的な改善」にとどまり、「飛躍」には至らなかったと言える。
創設20周年を迎える2026年シーズンへ、基盤強化と補強戦略
厳しい結果に終わった2025年シーズンを糧に、クラブは早くも2026年シーズンに向けた動きを加速させている。特筆すべきは、2026年がツエーゲン金沢にとってクラブ創設20周年というアニバーサリーイヤーであることだ。この節目の年にJ2復帰を果たすべく、戦力強化とチームの基盤固めが進められている。
現在のところ、GK白井裕人、MF塚元大、MF大山啓輔、DF長峰祐斗といったチームの核となる主力選手たちの契約更新が見込まれており、チームの骨格は維持される見通しだ。特に経験豊富な選手の残留は、若手が多く台頭するチームにとって精神的な支柱となる。
一方で、昇格に必須の得点力を高めるため、FW陣の強化も進む。2025年シーズンに完全移籍で加入したFWパトリック(名古屋グランパスより)の継続在籍は攻撃の厚みを保証する。さらに、ユース出身のFW関口智也(奈良ユース)をはじめ、MF四宮悠成、DF宮崎海冬など、大学や育成組織から将来性豊かな若手を積極的に登用する方針も明確だ。育成型期限付き移籍で加入したFW大澤朋也(大宮アルディージャ)の成長にも期待がかかる。
これらの補強戦略は、即戦力の確保と将来を見据えた若手育成の両立を目指すものであり、2026年シーズンにおける戦術の多様化に繋がるだろう。
「金沢スタジアム」を真のホームに:地域との一体感
ツエーゲン金沢の未来を語る上で欠かせないのが、2024年2月に供用開始された新ホームスタジアム、金沢スタジアム(愛称:金沢ゴーゴーカレースタジアム)の存在だ。金沢市磯部町に位置するこの最新鋭のスタジアムは、収容人数約10,000人(将来拡張可能)を誇り、Jリーグ基準を満たす設備を備えている。
特筆すべきは、ピッチまでの最短距離がわずか7mという設計であり、観客に圧倒的な臨場感を提供する。この「おもてなし空間」は、単なる試合会場としてだけでなく、地域活性化の拠点としての役割も担っている。スタジアム建設に伴い実施されたクラウドファンディング「みんなのホームスタジアムプロジェクト」に見られるように、地域住民やファンが一体となってクラブを支える環境が醸成されつつある。
2026年、ツエーゲン金沢が目指すのは、この素晴らしい新スタジアムを真の「昇格の舞台」にすることだ。2025年シーズンに露呈した得失点差の課題を克服し、創設20周年という記念すべき年に、地域と共にJ2復帰を果たすことができるか。クラブの戦略と選手の奮起が、今、強く求められている。