【世界選手権】佐藤駿がSP4位、鍵山優真6位発進!マリニンと激突するフリーの行方は?
ニュース要約: プラハで開催中のフィギュアスケート世界選手権。男子SPでは佐藤駿が自己ベストに迫る演技で4位、鍵山優真が6位と日本勢が上位に付けました。ミラノ五輪のメダリストたちが疲労を抱えながらも、王座を狙うイリア・マリニンら世界の強豪と激突。日本男子の伝統を継承する二人が、メダル獲得と世界一の称号をかけて運命のフリーへ挑みます。
【プラハ発】氷上に刻まれる新時代の鼓動――。フィギュアスケートの世界選手権は26日(日本時間27日)、チェコのプラハで男子ショートプログラム(SP)が行われ、ミラノ・コルティナ五輪の熱狂冷めやらぬ銀盤のスターたちが再び相まみえた。
「共闘のスピリット」が導く、日本男子の現在地
ミラノ五輪からわずか1ヶ月。疲労が色濃く残るコンディションの中、日本男子を牽引するのは、五輪でダブル表彰台という快挙を成し遂げた盟友、鍵山優真(オリエンタルバイオ)と佐藤駿(エームサービス)だ。
今大会のSP結果、大きな注目を集めたのは佐藤駿だった。冒頭の大技、4回転ルッツ(4Lz)を鮮やかに着氷させると、その圧倒的な飛距離とキレのあるジャンプで会場を魅了。自己ベストに迫る95.84点をマークし、堂々の4位に付けた。五輪ではSP9位からの逆転銅メダルという劇的なドラマを演じた佐藤だが、今大会では「追う立場」から「追われる立場」へとそのスケールを一段と増している。
一方、五輪二大会連続の銀メダリスト、鍵山優真は93.80点で6位からのスタートとなった。演技後の取材では「少し慎重になりすぎた部分があった」と振り返りながらも、その表情に悲壮感はない。宇野昌磨から受け継いだ「共闘のスピリット」を胸に、佐藤と共に世界の頂を見据える。二人の絆は、単なるライバル関係を超えた日本男子フィギュアの新たな伝統として、プラハの地でも確かな輝きを放っている。
「4回転の神」マリニンの逆襲と、立ちはだかる壁
この世界選手権において、日本勢最大の障壁となるのが米国のイリア・マリニンだ。ミラノ五輪ではフリーの乱れから8位と沈み、まさかのメダル逸を喫したマリニンだが、王者の意地をかけて今大会に乗り込んできた。
マリニンの武器は、言わずと知れたクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)。五輪での屈辱を晴らすべく、SPから高難度の構成を組み込み、日本勢の一歩先を行く。しかし、佐藤や鍵山が五輪で証明したのは「ミスをしない強さ」と「表現力の深み」だ。ジャンプの難易度で圧倒するマリニンに対し、日本勢がいかにGOE(出来栄え点)と演技構成点で対抗できるか。フリー(FS)では、まさに現代フィギュアの「技」と「美」の総力戦が繰り広げられることになる。
最終決戦へ、鍵を握るフリーの戦略
3月29日(日本時間30日午前)に行われるフリースケーティングを前に、公式練習では火花散る調整が続いている。
4位の佐藤駿は、練習から好調な4回転ルッツを何度も確認。「五輪での自信が、今の自分を支えている」と語る通り、精神的なタフさが今の彼には備わっている。SP6位の鍵山優真も、持ち前の安定感を取り戻しつつあり、初の世界選手権制覇へ向けて構成の微調整に余念がない。
一方、三浦佳生はSP25位と出遅れ、悔しさの残る結果となったが、日本勢全体としては依然として複数メダルへの期待がかかる。来季の世界選手権出場枠(3枠)の確保、そして「世界一」の称号を巡る争いは、最終グループの演技に集約されるだろう。
結びに代えて:継承される「日本男子の系譜」
かつて羽生結弦、宇野昌磨が築き上げた日本男子フィギュアの黄金時代。そのバトンは今、確実に鍵山と佐藤の両肩に託された。互いを高め合い、高難度ジャンプと芸術性を高い次元で融合させる彼らの姿は、世界中のフィギュアファンに新たな時代の到来を予感させている。
プラハの夜に響くのは、歓喜の咆哮か、それとも次なる挑戦への誓いか。フィギュアスケート世界選手権の結果がすべて決するフリーまで、あとわずかだ。氷上の哲学者たちが描く「答え」を、世界が固唾を飲んで見守っている。
(文:運動部 専門記者)
参考情報源
関連コンテンツ
マイニュースへ
あなた専用のニュースレポートをチェックしましょう