【訃報】声優界の重鎮・北川米彦さん死去、94歳 「キン肉マン」委員長役や青二塾塾長として後進育成に尽力
ニュース要約: 「キン肉マン」のハラボテ・マッスル(委員長)役などで知られる声優の北川米彦さんが、2026年3月5日に肺炎のため94歳で逝去されました。青二プロダクションの創設メンバーとして黎明期を支え、青二塾の塾長として30年以上にわたり緑川光氏ら多くの後進を育成。芝居の基礎を重んじる姿勢で業界の発展に多大な貢献を遺しました。
【訃報】声優界の重鎮・北川米彦さん死去、94歳 「キン肉マン」委員長役、青二塾で後進育成に捧げた生涯
日本の声優界を黎明期から支え、後進の育成にも多大な功績を残した声優の北川米彦(きたがわ・よねひこ)さんが、2026年3月5日、肺炎のため死去した。94歳だった。所属事務所の青二プロダクションが18日に発表した。葬儀は遺族の意向により近親者のみで執り行われた。
業界の「屋台骨」を築いた足跡
東京都出身の北川さんは、劇団未来座や浅草東洋劇場などを経て、1969年4月の青二プロダクション設立に参画した創立メンバーの一人である。まだ「声優」という職業が確立される以前から、独特の深みのある低音ボイスを武器に、アニメ、洋画吹き替え、ナレーションなど多岐にわたる分野で活躍した。
代表作は枚挙にいとまがない。国民的人気アニメ「キン肉マン」では、シリーズの象徴とも言える「ハラボテ・マッスル(委員長)」役を演じ、コミカルな一面から権威ある立ち振る舞いまでを見事に表現した。また、同作では悪魔将軍やビッグ・ザ・武道といった強大な敵役も担当。その演じ分けの幅広さはファンを驚かせた。
他にも「海のトリトン」のポセイドン役やナレーション、「ゲゲゲの鬼太郎(第1作)」の子泣きじじい・ぬりかべ役、「銀河英雄伝説」のアル・サレム中将など、1960年代から現代に至るまで、重厚な存在感を放つキャラクターで作品に命を吹き込んできた。
「北川塾長」として貫いた教育者としての顔
北川さんの功績は、一表現者としての顔に留まらない。1984年からは声優養成所「青二塾」東京校の塾長に就任。2018年に名誉塾長へ退くまで、30年以上の長きにわたり、次代を担う才能の原石を磨き続けた。
その指導は厳しくも愛に溢れたものとして知られる。訃報を受け、SNS上では教え子である現役声優らから追悼の声が相次いでいる。人気声優の緑川光さんは自身のSNSで、かつて北川さんから「いつまでも王子様をやってろ!」と叱咤激励を受けたエピソードを披露。「北川塾長!お疲れ様でした」と、恩師への深い感謝を綴った。
業界が急速にデジタル化し、声優に求められる役割が多様化する中でも、北川さんは一貫して「芝居の基礎」の重要性を説き続けた。今日、日本のアニメ文化が世界的なコンテンツへと成長を遂げた背景には、彼のような教育者が築いた「プロ意識」の継承があったことは疑いようがない。
惜しまれる「重鎮」の退場
事務所の発表によれば、北川さんは今月5日に静かに息を引き取ったという。90歳を超えてもなお、趣味のゴルフを楽しみ、穏やかな人柄で後輩たちから慕われていた。2014年の「蟲師 続章」での好演など、晩年まで現役に近い形で業界を見守り続けた姿は、まさに声優界の「生ける伝説」であった。
突然の別れに、ファンからは「あの渋い声がもう聞けないのは寂しい」「委員長の声は永遠に忘れない」といった悲しみの声が広がっている。肺炎という病により、激動の昭和、平成、そして令和を駆け抜けた名優が、その幕を引いた。
北川米彦さんが遺した数々の名演と、彼の手によって育てられた数多の表現者たち。その意志は、これからも日本の声文化の中に脈々と息づいていくだろう。謹んで哀悼の意を表したい。
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