揺らぐ巨人・戸郷と円熟の楽天・則本。2026年プロ野球開幕、エース二人の「明と暗」
ニュース要約: 2026年プロ野球開幕を前に、巨人・戸郷翔征と楽天・則本昂大の対照的な現状を分析。オープン戦防御率9.00と苦しむ戸郷の課題と、クローザーとして安定感を見せるベテラン則本の存在感を詳報。WBC戦士である二人の新シーズンへの期待と、交流戦での激突、タイトル争いの行方を展望するスポーツ時評です。
【スポーツ時評】揺らぐ若きエースと、静かに牙を研ぐベテラン――。戸郷翔征と則本昂大、2026年シーズンの「明と暗」を追う
プロ野球2026年シーズンの開幕が目前に迫っている。ファンの視線が球場へと注がれる中、セ・パ両リーグを代表する二人の右腕、読売ジャイアンツの戸郷翔征(25)と東北楽天ゴールデンイーグルスの則本昂大(35)の現状が、対照的なコントラストを描き出している。
かつてWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の舞台で日本代表「侍ジャパン」の誇りを胸に戦った二人は今、それぞれの野球人生において極めて重要な局面を迎えている。
■「若きエース」戸郷翔征、試練の春。悪化する防御率9.00の衝撃
読売ジャイアンツの命運を握る戸郷翔征の周辺が騒がしい。菅野智之の引退という大きな転換点を経て、名実ともに巨人の「新時代のエース」として期待される戸郷だが、今春のオープン戦での投球内容は、ファンと首脳陣を不安に陥れるものとなっている。
3月22日、楽天とのオープン戦最終戦。5回から2番手として登板した戸郷の姿に、かつての圧倒的な支配力は見られなかった。わずか1イニングの間に長打3本を浴び、さらに2つの死球を与えるという荒れた内容で4失点。3月11日のソフトバンク戦(3回3失点)、17日のヤクルト戦(5回2失点)に続き、3試合連続で複数失点を喫した。
オープン戦の成績は、防御率9.00、被安打13、被安打率.361という、エースとしては到底受け入れがたい数字に沈んでいる。2025年シーズンも、戸郷は開幕4連敗や二軍降格を経験し、自己ワーストの防御率4.14という屈辱を味わった。そこからの復活を期した2026年だったが、フォームのズレやプレッシャーの影響か、再構築の途上にあることは明白だ。
戸郷にとって、もはや「若さ」は言い訳にならない。巨人のV奪還には、背番号20がマウンドで放つ威圧感を取り戻すことが不可欠だ。
■則本昂大、北の地で守り続ける「鉄腕」の矜持
一方、楽天イーグルスの精神的支柱、則本昂大の存在感は依然として色褪せない。2025年、クローザー転向という大きな決断を下した則本は、ベテランとしての円熟味を増しつつ、チームの安定軸として機能している。
今回のオープン戦最終戦では、戸郷の不調とは対照的に、パ・リーグの猛者たちを相手に経験に裏打ちされた投球術を披露した。詳細なスタッツこそ開幕までベールに包まれている部分が多いが、則本には戸郷にはない「修羅場を潜り抜けてきた冷静さ」がある。
2017年の第4回WBCでリリーフとして奮闘した則本と、2023年の第5回WBCでマイク・トラウトから三振を奪い世界一に貢献した戸郷。直接の共演こそない二人だが、国際舞台の重圧を知る者同士、そのハイレベルなプライドは共通している。則本にとって、巨人で苦闘する若きエース戸郷の姿は、かつての自分を投影するものなのかもしれない。
■2026年タイトル争いの行方と「交流戦」の期待
両者の対決が最も期待されるのは、セ・パ交流戦の舞台だ。巨人対楽天のカードにおいて、戸郷の状態がどこまで回復しているか、そして則本がクローザーとして、あるいは先発復帰というシナリオの中で、どのように巨人の強力打線を封じ込めるのか。
戸郷には2022年、2024年に最多奪三振のタイトルを獲得した実績がある。対する則本も、かつて6年連続奪三振王に輝いたパ・リーグを代表する三振奪取マシンだ。実績では則本が勝り、将来性では戸郷がリードする。この二人のパフォーマンスが、それぞれのチームの順位を大きく左右することは間違いない。
「エースとは何か」。戸郷翔征はこの問いに立ち向かい、どん底の春から這い上がれるか。則本昂大はベテランの意地を見せ、楽天の勝ち頭として君臨し続けられるか。
2026年シーズンの開幕まで、あと数日。プレイボールの瞬間、マウンドに立つ彼らの背中に、プロ野球の伝統と未来が重なる。
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