【深層レポート】「THE SECOND 2026」開幕!ベテラン漫才師が懸ける“二度目の春”と賞レースの地殻変動
ニュース要約: 結成16年以上のベテラン漫才師たちが頂点を競う「THE SECOND 2026」が佳境を迎えています。M-1卒業後のセカンドチャンスとして定着した本大会は、観客100人による独自採点制が議論を呼びつつも、熟成された芸風を正当に評価する新たな価値観を確立。ガクテンソクやツートライブなど歴代勝者の活躍を背景に、5月のグランプリファイナルへ向けた熱き戦いの舞台裏を詳報します。
【深層レポート】「THE SECOND 2026」開幕 ベテラン漫才師たちが懸ける“二度目の春”と、賞レースがもたらす地殻変動
2026年3月30日
漫才界に新たな季節が訪れた。結成16年以上のベテラン漫才師たちがしのぎを削る「THE SECOND~漫才トーナメント~2026」が、いよいよ佳境を迎えている。3月28日、29日の両日に行われた「ノックアウトステージ32→16」では、全国から集結した152組の頂点を目指し、酸いも甘いも噛み分けた実力派たちが火花を散らした。
かつて「漫才師の賞レース」といえば、若手の登竜門である「M-1グランプリ」が絶対的な頂点として君臨してきた。しかし、出場資格の制限により、志半ばで「卒業」を余儀なくされた才能たちが数多く存在したのも事実だ。今年で4回目を迎える「ザセカンド」は、そんな彼らに再び光を当てる“セカンドチャンス”の場として、今や本家M-1に肩を並べるほどの影響力を持ち始めている。
多彩な顔ぶれが揃った「ノックアウトステージ」の熱狂
今回の「ザセカンド2026」には、大会史上最多となる152組がエントリーした。注目は何といっても、過去3年連続でグランプリファイナルに進出している「金属バット」や、前大会準優勝の「囲碁将棋」といった“大会の顔”とも言える強豪たちだ。彼らに加え、前大会ファイナリストの「はりけ~んず」や「モンスターエンジン」、さらには今年から出場資格を得た“16年目”の新勢力が入り乱れる。
3月28日から始まった「ノックアウトステージ32→16」では、会場となったフジテレビ本社に独特の緊張感が漂った。AからHの各ブロックに分かれたトーナメント戦では、ベテランならではの「人間味」と「技術」が激突。28日にはギター漫才を武器にするコンビと正統派しゃべくり漫才のベテランが対峙し、29日にはグランプリファイナル経験者同士という、事実上の決勝戦とも呼べるカードが実現した。
「観客100人」による独自採点の功罪
「ザセカンド」を語る上で避けて通れないのが、その独特な審査システムだ。プロの審査員を置かず、無作為に選ばれた観客100人が、ネタごとに「1点:面白くない」「2点:面白い」「3点:とても面白い」の3段階で評価する。
このシステムには、SNSを中心に毎年激しい議論が巻き起こる。否定派からは「素人の主観による審査で、技術が正当に評価されない」「1点の付け方にバラつきがある」といった不公平感を指摘する声が根強い。一方で、肯定派は「特定の師匠や先輩への忖度がない公平な審査」「お笑いファンが純粋に『笑ったかどうか』を反映している」と支持する。
運営側もこの批判を真摯に受け止め、採点タイミングの調整や、同点時の優劣判断基準の明確化など、年々マイナーチェンジを繰り返している。この「未完成のシステム」が生む揺らぎこそが、予期せぬドラマを生むスパイスとなっている側面も否定できない。
過去の勝者たちが証明した「大会の価値」
この大会がこれほどまでに支持される理由は、過去の勝者たちのその後の活躍にある。第1回覇者の「ガクテンソク」は、優勝を機にメディア露出が爆発的に増加。第2回準優勝の「マシンガンズ」は、諦めかけていた芸人人生を劇的に逆転させ、今やバラエティに欠かせない存在となった。
そして昨年、第3回大会を制した「ツートライブ」の活躍は記憶に新しい。彼らが示した「劇場で磨き上げたバカらしい笑い」が全国区で認められたことは、全国の劇場にこもるベテランたちに大きな希望を与えた。
お笑い界に吹く「地殻変動」の風
マヂカルラブリーの野田クリスタルが「お笑い界を変えるレベル」と指摘するように、「ザセカンド」の定着は漫才界の構造そのものを変えつつある。
これまでは「M-1で勝てなければ終わり」という過酷な価値観が支配していたが、本大会の登場により、熟成された芸風が評価される「第二の評価軸」が確立された。競技化し、一分の隙も許されないM-1に対し、「ザセカンド」には、多少のミスさえも笑いに変えるベテランの余裕と、人生の悲哀が滲み出る。
「ノックアウトステージ32→16」を勝ち抜いた精鋭たちは、4月の「16→8」を経て、5月にフジテレビ系で生放送される「グランプリファイナル」へと駒を進める。司会は4年連続となる東野幸治。ベテランたちの情熱が再び全国を笑いに包む日は近い。
「ザセカンド」という名のセカンドチャンス。それは、一度は夢を諦めかけた大人たちが、もう一度だけ少年のような情熱を取り戻す、残酷で、かつ最も美しい戦いの記録である。
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