W杯抽選「ポート2」へ!宿敵ガーナ戦に挑む韓国代表の必勝ミッションとソン・フンミンの新境地
ニュース要約: 北中米W杯抽選で優位に立つ「ポート2」入りを目指す韓国代表は、宿敵ガーナと親善試合に臨む。これは2022年W杯の因縁を持つリベンジマッチであり、W杯を見据えた最終テストとなる。ソン・フンミンら欧州組が牽引し、組織力と個人技の融合を図る韓国は、勝利でチームの成熟度を証明できるか。
宿敵ガーナ戦に懸ける韓国代表の「必勝」 W杯抽選に向けた最終テストとソン・フンミンの進化
2025年11月18日、北中米W杯アジア最終予選を目前に控えたサッカー韓国代表が、親善試合でガーナ代表をホームに迎える。アジア勢として11大会連続のW杯本大会出場を確定させている韓国にとって、この一戦は単なるテストマッチではない。勝利はFIFAランキングを押し上げ、W杯本大会の組み合わせ抽選で優位な「ポート2」入りを確実にするための、文字通りの“必勝”ミッションだ。
洪明甫(ホン・ミョンボ)監督率いる韓国代表は、伝統のスピードと組織力を軸にしつつも、戦術的な多様性を加える過渡期にある。直近のボリビア戦では2-0で勝利を収めたものの、ボール保持を重視する攻撃戦術の細部に課題が露呈。特に守備面では、速いカウンターに対して何度も動揺する場面が見られ、ガーナ戦に向けては守備の柔軟性とカウンター対策の強化が急務となっている。
欧州組が牽引する新たな「太極戦士」
韓国代表の中核を担うのは、欧州のトップリーグで活躍するスター選手たちだ。中でも、主将ソン・フンミン(トッテナム/ロサンゼルスFC)のパフォーマンスは圧巻である。ボリビア戦では、ペナルティエリア手前からの直接フリーキックを芸術的な軌道でゴールに突き刺し、「ベッカム級」とまで称賛された。彼は代表チームにおいて、若手とのバランスを取りながらリーダーシップを発揮する、まさに精神的支柱だ。
彼を中心に、最新のフォーメーションは4-2-3-1を基本とし、ソン・フンミンを攻撃の核となるトップ下(10番)に配置。パリ・サンジェルマンのイ・ガンインが中盤で攻撃の起点となり、バイエルン・ミュンヘンのキム・ミンジェが守備の要として最終ラインを統率する。さらに、約1年8カ月ぶりに代表復帰したFWチョ・ギュソンが得点を挙げるなど、欧州組の経験と若手の大胆さが融合した、高い連動性を持つチームが構築されつつある。
洪監督は、欧州組でカバーしきれないサイドバックなどのポジションを、国内組やJリーグ組で補強する戦略を明確にしており、チーム全体の層の厚さも増している。
2022年W杯の因縁とアフリカ勢の壁
このガーナ戦は、単なるランキング争い以上の、歴史的な因縁が絡むリベンジマッチとしての意味合いも持つ。
韓国とガーナは通算成績で3勝3敗と拮抗しているが、近年はガーナが優位に立っている傾向がある。特に多くの日本人サッカーファンにとって記憶に新しいのは、2022年カタールW杯の激闘だ。韓国は一時2点差を追いつく粘りを見せたものの、最終的には3-2で競り負けた。試合後、韓国ベンチが猛抗議する一幕もあり、両国の対戦は常に激しい肉弾戦を伴う接戦となる。
ガーナは近年、高い攻撃力を見せており、アフリカ勢特有の卓越した個人技を持つ選手が多い。韓国代表が国際試合で直面する大きな課題の一つが、「組織力と個人技のバランス」である。
かつて日本代表がガーナを2-0で制圧した際の分析からも、アフリカの強豪国に対しては、組織的な守備と高い位置からのプレスの強度が鍵となることが明らかになっている。韓国は現在、黄仁範や白承浩といった主力選手を怪我で欠いており、組織的な統制力をいかに高め、個の能力に頼るガーナに対抗できるかが焦点となる。
W杯本大会を見据えた試金石
洪明甫監督は「勝利で飾りたい」と強く意気込みを語っている。これはW杯抽選での優位性を確保するだけでなく、来たるべき最終予選、そして本大会を見据えたチームの成熟度を測る最終テストとなるからだ。
欧州のビッグクラブで奮闘するスター軍団を擁し、アジアの盟主たらんとする韓国代表。彼らが宿敵ガーナを組織力で圧倒し、自信を持ってW杯本大会への準備を完了できるか。アジアサッカーの発展を担うライバルの動向として、日本のサッカー界も注視すべき一戦となるだろう。 (932文字)