【速報】韓国・ユン前大統領に無期懲役の判決、内乱首謀罪を認定:死刑求刑から減刑
ニュース要約: ソウル中央地裁は19日、2024年の「非常戒厳」宣布で内乱首謀罪などに問われた韓国の尹錫悦前大統領に対し、無期懲役を言い渡しました。検察の死刑求刑に対し、計画性の欠如などを理由に減刑。憲政史上極めて重い司法判断となりましたが、世論は厳罰論と政治利用説で二極化しており、今後の政治情勢への影響が懸念されます。
【ソウル時効】韓国・ユン前大統領に無期懲役 内乱首謀罪、死刑求刑から減刑の第一審判決
【ソウル=河崎圭佑】ソウル中央地裁は19日、2024年12月に「非常戒厳」を宣布し、国会の機能を麻痺させようとしたとして内乱首謀罪などに問われた韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領に対し、無期懲役の判決を言い渡した。検察側は1月の論告求刑において、憲法秩序を破壊した「前例のない重大な犯罪」として死刑を求刑していたが、地裁は一部の減刑理由を認め、極刑を回避した形だ。
■「内乱罪」を認定、軍投入は「暴動」
判決理由でソウル中央地裁は、ユン前大統領が2024年12月3日午後10時28分に断行した非常戒厳宣言について、「国会や行政機能の侵害を目的としたものであり、正当な権限行使ではなく、実力行使による内乱罪に該当する」と断じた。
特に焦点となった国会への軍部隊投入については、「国会を封鎖し、議員の議決権を妨害した行為は暴動にあたり、国家の平穏を著しく害した」と指摘。1980年の光州事件を彷彿とさせる軍の政治介入を、現代の民主主義社会において断じて容認できない法的過ちであると明確に位置づけた。
一方で、検察が求めた「韓国 死刑」判決に至らなかった理由として、裁判所は「組織的な緻密な計画性の欠如」および「投入された兵士が実弾を所持していなかったこと」を挙げた。未遂に近い側面や物理的な殺傷能力の抑制が、死刑回避の判断材料となった。
■暗転した「6時間の戒厳令」から444日
事件の発端は、2024年12月3日夜に遡る。当時のユン大統領は突如、テレビ演説を通じて「北韓(北朝鮮)の共産勢力から自由大韓民国を守る」として非常戒厳を宣言。しかし、わずか数時間後には国会に集結した議員190人による解除要求決議が全会一致で可決され、翌4日未明に解除された。
この「6時間の短命戒厳令」は、その後の韓国政界を激震させた。野党による弾劾訴追、そして大統領職の喪失を経て、ユン氏は「韓国前大統領」として法廷に立つこととなった。今回の判決は、戒厳令宣布から444日目にして下された、憲政史上極めて重い司法判断となる。
■二極化する世論、深まる政治不信
韓国国内の反応は複雑だ。事前の世論調査では、国民の間で「死刑が妥当」とする厳罰論が根強かった。野党支持層を中心に「戒厳令という暴挙に対する処罰として無期懲役は軽すぎる」との不満が噴出する一方、保守派層からは裁判の政治利用を訴える声も上がっている。
韓国では1997年以降、死刑の執行が行われておらず、実質的な死刑廃止国となっている。そのため、仮に死刑判決が出たとしても執行の可能性は低いとみられていたが、今回の「無期懲役」判決により、将来的な大統領恩赦の可能性も含めた政治的な駆け引きが今後活発化することは避けられない。
■次期大統領選への波及と地政学的リスク
今回の判決を受け、ユン前大統領側は「司法の判断を尊重するという言葉すら口にできない。最後まで戦う」との声明を発表し、即日控訴する構えを見せている。第2審はソウル高裁の内乱専担裁判部が担当する。
韓国政治の混乱は、日米韓の安全保障協力にも影を落とす。韓国国内の分極化が加速し、次期大統領選に向けてポピュリズム的な動きが強まれば、対北朝鮮政策や対日関係において再び不透明感が増す恐れがある。
「韓国 大統領」という最高権力者が、再び法によって裁かれるという悲劇を繰り返した韓国社会。憲法秩序の回復を優先した司法の決断が、国民の分断を癒やす一助となるのか、それともさらなる混乱の火種となるのか。韓国の民主主義はいま、最大の試練に直面している。
用語解説:内乱罪 韓国刑法における内乱罪は、領土を僭称し、または国憲を紊乱(びんらん)する目的で暴動を起した罪。首謀者は死刑、無期懲役、または無期禁固に処される。過去には全斗煥、盧泰愚の両元大統領が同罪などで有罪判決を受けている。
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