札幌最高の住宅地「円山・宮の森」が直面する危機:ヒグマ出没で公園閉鎖
ニュース要約: 札幌で5年連続「住みここち」1位の円山公園・宮の森エリアが、ヒグマ出没により公園閉鎖という異例の事態に直面。都市機能と豊かな自然を両立する高級住宅街が、野生動物の脅威という北海道ならではのジレンマに揺れている。資産価値の高いこの理想郷の現状をレポート。
札幌の「住みここち」頂点に立つ理想郷の試練――円山公園・宮の森エリア、ヒグマ出没で閉鎖された「都市のオアシス」の今
2025年11月。北海道札幌市中央区、特に円山公園から宮の森にかけてのエリアは、日本の住宅地として理想的な環境を体現しています。大東建託の調査で5年連続「街の住みここちランキング」北海道1位に輝き、名実ともに札幌屈指の高級住宅街としての地位を確立しています。
しかし今、この「都市のオアシス」は、厳しい冬の訪れと共に、予期せぬ自然の脅威に直面しています。
揺るぎない「住みここち」の王者
円山公園エリアが住民から圧倒的な支持を受ける理由は、都市機能と豊かな自然環境の完璧な調和にあります。地下鉄東西線「円山公園」駅から札幌駅までは約10分という利便性を持ちながら、一歩足を踏み入れれば、そこには北海道神宮、円山の原生林、そして広大な円山公園が広がっています。
この地域は、単なる利便性の高さだけでなく、「親しみやすさ」や「賑わい」といった定性的な評価因子でも群を抜いており、住民からは「四季折々の自然を感じながら生活できる」「生活施設が徒歩圏内に揃っている」といった声が聞かれます。
特に宮の森2条11丁目周辺は、第一種低層住居専用地域に指定された閑静な住宅街が広がり、古くから神宮のそばの邸宅街として発展してきました。治安の良さ、美しい町並み、そして進学校が集積する文教地区としての側面も、子育て世帯やアッパー層からの高い支持を集める要因となっています。
建築家・隈研吾氏も魅了した「円山ブランド」
円山・宮の森エリアは、不動産市場においても別格のブランド力を誇ります。近年、世界的建築家である隈研吾氏が北海道で初めて設計監修を手がけた高級分譲レジデンス「プロスタイル札幌 宮の森」が完成し、大きな話題を呼びました。天然無垢材を多用し、広大な専有面積を贅沢に使ったこの物件は、このエリアの高い資産価値とラグジュアリーな需要を象徴しています。
都心へのアクセスが良好でありながら、静謐な環境を享受できる宮の森は、土地の大型物件も散見され、富裕層向けの住宅開発が活発に進行中です。安定した賃貸需要と高い資産価値は、長期的な投資先としても評価されており、札幌における成熟した高級住宅地の地位を確固たるものにしています。
11月の厳冬を告げる、ヒグマの足跡
例年、11月上旬の札幌は、雪虫の出現と共に冬支度が本格化し、円山公園も美しい雪景色へと変貌します。本来であれば、静寂な雪化粧を纏った公園内を散策し、冬囲いされた木々を眺めることがこの時期の風物詩です。
しかし、2025年11月11日現在、円山公園はその門を固く閉ざしています。
原因は、園内の雪の上に発見された複数のヒグマの足跡です。市は同一個体の可能性が高いと判断し、市民の安全確保を最優先するため、公園を全面閉鎖する異例の措置を取りました。この閉鎖は約2週間続く見込みで、近隣の高級住宅街や小学校周辺でも目撃情報が相次ぎ、住民は緊迫した状況に置かれています。
「自然との共存」を最大の魅力としてきた円山エリアにとって、ヒグマの出没は、その理想郷が抱えるジレンマを突きつける現実です。都心近郊にありながら自然を享受できる環境は、同時に野生動物との境界線が曖昧になることを意味します。
現在、札幌市内では大通公園などで恒例の冬囲い作業が進む中、円山公園では通常の冬支度とは異なる「クマ対策」が最優先されています。利便性と自然の豊かさ、そして高級住宅街としてのステータスを兼ね備えた円山・宮の森エリア。その揺るぎない魅力の裏側で、市民は今、野生の脅威という北海道ならではの現実と向き合っています。この危機を乗り越え、再び「住みここち」の理想郷として輝きを放つ日が待たれます。