第111回薬剤師国家試験の合格発表:合格率68.49%、新卒は86%超の好成績
ニュース要約: 厚生労働省は第111回薬剤師国家試験の結果を発表しました。全体の合格率は68.49%と前年並みを維持し、特に新卒者は86.25%と高い合格率を記録。一方で基礎科目の難化や大学間の教育格差が課題として浮き彫りになっています。合格者は今後、薬剤師免許の登録手続きを経て医療現場での活躍が期待されます。
第111回薬剤師国家試験、合格発表 合格率は68.49% 新卒は86%超と健闘
【東京】 厚生労働省は25日午後2時、今年2月に実施された「第111回薬剤師国家試験」の合格発表を行った。今回の試験結果は、受験者数1万2774人に対し、合格者数は8749人。全体の合格率は68.49%となり、前回(第110回)の68.85%から0.36ポイントの微減となったものの、過去5年間の推移と同様に68%台を維持する安定した結果となった。
新卒合格率は上昇、質の高さ際立つ
今回の薬剤師国家試験 結果において注目すべきは、新卒者と既卒者の明暗だ。6年制新卒者の合格者数は6711人で、合格率は86.25%を記録。前回の84.96%から1.29ポイント上昇しており、現役受験生の質の高さが浮き彫りとなった。
男女別で見ても、新卒男性は85.92%、新卒女性は86.43%といずれも高い水準にあり、薬学教育現場における国家試験対策の定着がうかがえる。一方で、既卒者の合格率は例年通り40%台に留まっており、一度不合格となった後の再受験の壁の厚さは依然として解消されていない。
「物理・化学・生物」の苦戦傾向、合格基準点は213点
今回の薬剤師国家試験 合格率を左右した試験難易度について、大手予備校の分析では「全体としては実力通りに合否が分かれる内容であった」とされている。
合格基準点は426点満点中213点以上(1問2点換算)で前回と同一。必須問題の得点が配点の70%以上であることや、各科目で30%以上の得点が必要な足切りライン、さらには選択してはならない「禁忌肢」の選択数が2問以下であることなどの条件が課された。
科目別の正答率を見ると、全体の平均正答率は67.2%と例年並みだったが、「物理・化学・生物」といった基礎薬学分野の平均正答率は49.9%と、5割を切る結果となった。臨床に関わる実践問題での得点が合格を左右する一方で、基礎科目の難化が受験生を苦しめた形だ。
受験者数は減少傾向、大学間格差も顕著に
ここ数年、薬剤師国家試験の受験者数は減少傾向にあり、今回も前回の1万3310人から536人減少した。背景には、薬学部の定員抑制や、私立大学間での受験生確保の競争激化があるとみられる。
設置主体別の合格率では、国立大学が約83%、公立大学が約82%と高い合格率を維持しているのに対し、私立大学は約67%に留まった。私立大の中には合格率が90%を超える大学がある一方で、40%を割り込む大学も存在し、大学による教育格差の拡大が深刻な課題として浮き彫りになっている。
合格後の手続きと不合格者への支援
本日午後2時の薬剤師国家試験 合格発表を受け、合格した受験生には今後、合格証書が郵送される。薬剤師として業務を行うには、居住地の都道府県知事を経由して厚生労働省に薬剤師免許の申請を行う必要がある。登録免許税9000円が必要で、申請から免許証の交付までは通常1~2ヶ月を要する。
一方、残念ながら不合格となった受験生に向けて、薬学ゼミナールなどの予備校は、早くも来年の第112回試験に向けた対策講座を開始している。不合格者の多くが苦手とする「物理・化学・生物」の強化や、得点源となる実務問題の対策など、早期の学習再開が再チャレンジ成功の鍵となるだろう。
薬学界では、対物業務から対人業務へのシフトが求められており、高度な専門性を持つ薬剤師の社会的ニーズは高まっている。今回の合格者たちが、医療の担い手として現場で活躍することが期待される。
【薬剤師国家試験 合格速報】
- 受験者数: 12,774人
- 合格者数: 8,749人
- 全体合格率: 68.49%
- 新卒合格率: 86.25%
- 合格基準点: 213点(213点以上/426点満点)
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